感染症診療の原則

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隠しすぎだ、オマエ・・的(笑) プレゼン (手稲渓仁会症例2)

2008-12-05 | 青木語録
高齢男性。頸部痛、咽頭部痛・違和感、嚥下障害で来院。
耳鼻科の診察を受けているが基本的にNP. 既往で、2年前に肺癌の手術(右上葉Lobectomyのみ)、COPD(Steroid長期間使用)、高血圧などあり。

ここで青木は咽頭痛+正常咽頭所見の鑑別診断として、喉頭蓋炎、Lemierre 症候群、甲状腺炎などを、得意げに鑑別診断としてあげるが、研修医はHappyそうに聞いている!!。

「研修医がHappyそうに聞いている症候群」を認知して自分の診断が誤診に向かっていると判断。更に身体所見等に進みましたが、少し血圧が高い、呼吸数が20/分といった感じ。但しSaturationは悪かったです。すぐ挿管されます。「挿管時の口腔内の所見は?」という問いに対しては「自分が挿管したのではありません」という冷たい返事。(本当は挿管できなかったのです)

でも、おおざっぱには頭頸部、胸部、腹部、など異常無し・・的に話しが進みそうになったところで、外科のK先生が「挿管時の話しを詳しく・・」と助っ人を出してくれて解決。開口障害があったのでした・・。

正解、破傷風!! 手首に異物の入った創傷・・・。 (隠しすぎだ、オマエ・・ナンチャッテ)

ちなみに、救急隊員は「破傷風です!」と搬送してきたそうです・・。

(写真は先ほどまで生存していたエビ)
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1 コメント

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御礼 (北大医学部6年)
2008-12-06 14:51:45
昨日は大変勉強になる講義をありがとうございました。

発熱・白血球・CRPだけを見て感染症を考えることの誤りや、感染症の改善・増悪をみるパラメータの重要性を知りました。他にも結核や御法度検体など、多くのことを教わることができ、心より感激いたしました。
講義を拝聴した後の帰路では「今日は本当に聞きにきてよかった」と一同口を揃えていました。学生にもわかるようにと配慮していただき大変恐縮でしたが、そのおかげもあり本当にわかりやすく、楽しく勉強することができました。

どういった形で御礼を申し上げればよいのかわからず、ブログ上のコメントとして述べさせていただきました。御容赦ください。

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