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薬剤師のためのベッドサイドティーチング2015 第1回 Q&A

2015-06-05 | Aoki Office
第1回 薬剤師のためのベッドサイドティーチング2015 6月3日(水)
徳田先生から回答を頂きました。



質問項目 : ①診断
質問内容 : 「表情に注意する」の表情をもう少し具体的にお教え下さい

ご返事:「表情」とは、苦悶様、苦痛様、とろけるような顔、などの「アート」な臨床所見です。臨床にはアートとサイエンスの両方が重要と思います。


質問項目 : ③症状
質問内容 : 随伴症状
 随伴症状の情報収集の質問の仕方において、聞く内容において広く聞いたほうがいいのか、聞いた内容から鑑別を絞る為の質問をした方がいいのか?

ご返事:診断仮説に関係すると思われるシステム(系)の症状を聞くとよいでしょう。心血管系疾患を疑うときには、動悸、労作性呼吸困難、起座呼吸など。


質問項目 : ①診断
質問内容 : ビタミン剤を服用されてるかどうかを確認することで、どういった病態と関わる可能性が想定されますか。

ご返事:ビタミンDによる高カルシウム血症のケースが増えています。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 熊本再春荘病院薬剤部の津曲恭一です。
本日は貴重なご講演有難うございました。
2点質問があります。
①代表的な疾患の症状を問診でチェックする際に、疾患にはcommonなものとuncommonなものがありますが、どのように区別したらよいでしょうか?
②性生活の問診を上手に行うコツはありますか?

ご返事:1)疫学的頻度と危険因子で区別するとよいでしょう。2)non-judgmentalな態度で、かつ事前に「これから行う質問」が重要であり、守秘義務を遵守すること、そして、同じような症状の患者さんにはみなこの質問をするということを前もって話しておくのがよいでしょう。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 臨床推論と診断について、明確な線引きは難しいと思いますが、カルテの記載方法について何かアドバイスがあればお願いします。

ご返事:SOAPで、Aの中で、問題リストを整理するとよいと思います。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 薬剤師が直接患者さんに触れてバイタルサインを診ても良いのでしょうか?

ご返事:患者さんと担当医師の許可を得れば、よいと思います。


質問項目 : ③症状
質問内容 :
高次機能障害が起きやすい背景について教えて下さい。
薬剤師として押さえておくべきポイントを教えて下さい。


ご返事:低酸素性脳症などのときに多いと思います。鎮静薬などの薬剤でも起こることがあるのがポイントと思います。


2質問項目 : ④その他
3質問内容 : 『精神科の医師による処方である』事は、転倒防止の観点から見た高齢者に対するベンゾジアゼピン系薬剤の投与を正当化させますか?

ご返事:正当であるかどうかは、一般論としては言えないと思います。常に個々のケースでの判断となると思います。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 血圧の低下がなくても「バイタルの逆転」でショックと判断するとの事でしたが、ショックの場合バイタルの逆転は必ず出現するものなのでしょうか。

ご返事:徐脈性ショックの場合には、バイタルの逆転はなくてもショックとなります。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 現代的バイタルサインのお話で、血圧とは異なり静脈圧という項目がありましたが、どのような意義があるのでしょうか?

ご返事:血管内の容量推定が可能となります。


質問項目 : ①診断
質問内容 : 血圧を測定する時、・機器によって差は出るのでしょうか?(水銀、デジタル、アネロイド)

ご返事:キャリブレーションを定期的に行えば差はあまりないと思います。

・部位によって差はでるのでしょうか?
(左右、上腕、手首、足首)

ご返事:下肢の血圧は上肢より少し高めになります。

・体位によって差はでるのでしょうか?
(立位、座位 腕の曲げ、伸び)
最良の測定を挙げるとすればどのような方法でしょうか? :

ご返事:立位で少し低めとなります(ただしその差<20mmHg)。変化をみるためにも、常に同じ条件で測定するようにすることが重要と思います。

以上です。ご質問をありがとうございました。  徳田安春

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