感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

参議院予算委員会 その2 戦略編

2009-05-29 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
(編集部1号)続きです。

参議院予算委員会で、なるほど~と思ったのは岡部先生のお話の「仕方」でした。

岡部先生の記者会見やインタビュー記事はこれまでもそれこそヤマのように(!)ありますが、あのような場面設定でも「すごすぎる」トークを見せていただきました。

メディア記事だけをたどる範囲では岡部先生は少なくとも5月8日の時点で、「水際」に偏りすぎた対策を、国内体制へ向けたほうがいいということを公式の場で指摘しています。
(ちなみにWHOのマーガレット・チャン事務局長が「広く拡散し、封じ込めはムリといったのは4月27日 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090428-OYT1T00565.htm )

なので、米国でいったらCDCのトップにあたる日本の感染症情報センターのセンター長&政府の相談機関のメンバーがいうのだからすぐに改善されるのかと関係者は思っていたわけです。

参考人招致までして検討すべきことは、検疫に意味があったかとか、それが9%なのか10%程度なのかということは論点ではなく、危機管理という点においてさまざまな専門領域や立場の人の意見や提言をどうやって、どれくらいの時間のスパンで判断材料として検討できるのか?(今までできてないのか?)だったのではないでしょうか。


岡部先生の「すごすぎるトーク」は、あの場においても、日本のワクチン体制全体が不備であることや、「麻疹ワクチンはよく効く」語りをもりこみ、さらに皆が狂騒する“タミフル”には感染した人の症状期間を短縮するだけの効果しかないことをあっさり言い(次の次の公明党議員にはまったく理解されなかったようですが)、日本の感染症対策における諸問題をもりこんで提示してみせたことです。

しかもにこやか、さわやかに。

最後に残るブログ編集部の疑問は、その岡部先生をはじめとする専門家がアドバイスをしてもなお、この現状はなぜ?です。
ここから先はジャーナリストの仕事ですね。

5月9日時事通信
8日日本記者クラブ記者会見で「感染拡大を前提とした次の作戦への切り替えが必要だ」と指摘。水際対策でウイルス侵入を完全に防ぐことはできないとし、国内流行時の対策への転換を訴えた。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009050800822

5月9日農業新聞
感染確認地域が北米だけでなく、欧州やアジアにまで広がり、国内侵入の可能性が大きく高まる中で、「国内の医療体制にもっと目を向けて、リソース(人的資源)をそちらに使った方がよい」と述べ、現在は臨時の検疫官として水際作戦に振り向けられている医療関係者を呼び戻す必要性を強調した。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=2627

5月10日読売新聞「水際対策から国内対策へ転換を」
9日厚生労働省で記者会見し、「これ以上、水際対策を強化するのは現実的でない」と訴えた
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090509-OYT1T01139.htm?from=navr

5月11日中日新聞「日本だけ騒ぎすぎ?」
「なぜマスクをしなかった?」「注意が足りない」などと、感染した人が悪く言われ、差別が生まれかねない反応は心配。岡部さんもそう懸念する。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/swine/list/200905/CK2009051102000228.html?ref=rank

5月13日「新型インフル拡大で一般医療機関の直接診察も-感染研・岡部センター長」
https://www.cabrain.net/news/regist.do;jsessionid=8F6B920E2437F6F3E5761B4A589E9987

5月16日朝日新聞 現状について
http://allatanys.jp/B001/UGC020006020090514COK00293.html

5月18日 「全国一律の対応にならず」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090518-00000005-cbn-soci
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 参議院予算委員会 その1 ... | トップ | 参議院予算委員会 その3 ... »
最近の画像もっと見る

あわせて読む