感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

バカにしたり遠ざけても変化はつくれない

2010-09-06 | 非・悲・否・避「常識」
今回のマスメディアの耐性菌「誤解」「妄想」報道をみて、医療関係者にはいろいろ思うところがあるでしょう。

(青木編集長は「・・・終わってる」と脱力していました。たれぱんだ状態です)

もう少し事態がよくならないかな?と思った人は、提案を考えてみましょう。

報道関係者は医療や感染症は素人の人が多いわけです。
責任やリスクをどこまで自覚しているかはさておき、時間に迫られて勉強不足・確認不十分なまま書いているとします。

私たちにできることはなんでしょうか。
ののしって鬱憤晴らしをすることではないですね。

無視してやれ! それは危険ですね。自分たちはよくわかっていますが、間違った報道に影響されるのは一般市民。そしてその誤解は感染症対策のズレや緊急時のトラブルにつながるかもしれません。

結局は自分たちにかえってくるようにおもいます。

どんなことができるか。

例えば、国立感染症研究所の感染症情報センターでは、月に1回、メディアの人を招いて意見交換会を開催しています。
その時々で話題になっている感染症について、ミニレクチャーをし(非専門家でもわかるように)、質疑の時間をとっています。

この効果は主に2つあり、記事を書かれる前に誤解されそうなこと、NGワードの解説をして、少しでも社会・広報として意味のある内容にしてもらえることです。
また、定期的に顔を合わせれば、何か曖昧なことがあったときに確認をしてもらえるようになります。

例えば皆さんの地域にも報道に関わる人達がいます。大手新聞の支局の人、ローカルのケーブルテレビニュース、ラジオ番組などです。
その人達を誘い、保健所や行政の人にも案内を出し、2ヶ月に1度でも交流会を開いてみませんか?

そのような顔の見える関係は、パンデミックなどの緊急時のリスクコミュニケーションがスムーズになります。(何もおきていないときからの交流こそがリスコミですが!)

名刺交換をしたら、メディア関係者というファイルをつくっておきます。
感染症ネタを定期的におくっておき、広報の種をまくようにします。
ネタのないときに記事にしてもらえるかもしれません。

この主催者は病院ではなく、行政であることが理想です。
臨床のドクターから「こういうのやりませんか?」と声をかけてもいいとおもいます。
一緒に地域と市民を守っていきましょう、という動きになるといいですね。

そんなことはめんどくさくてできない!というひとには、もっと迅速対応する方法があります。

それは「そうじゃないんだよなあ」と思ったら、直接新聞社に電話やメール、ファックスをすることです。
編集部は今年そのようなことを立て続けにしています。
その後メールで返信や電話がきたり、その後の取材協力につながることもあります。

■科学的に明らかにまちがっていますよ(根拠を引用して提示)
■こうかくと市民が誤解をしますよ(それはどうコワイか解説)
■もっと、こういう風に書いた方がいいですよ(そのほうが他の新聞よりイケてますよ)

取材にこないならこっちから積極的に情報提供をしてしまうんです。
時間は10分ほど。費用はメールならゼロ。

にわか「評論家」がするずれたコメントがのって、「なんだよー」と思うよりこの10分はよほどいいんです。メールは記録としても残ります。

名前の後ろに医者・病院名がついていたらそれはそれは大きなインパクトがありますよ。
話をきいてみたい専門家なんですから。
本人の承諾無く名前は使われたりしませんし、情報提供はするけど職場の関係で名前はまずいから書かないでね、というふうに話せばよいだけです。

メディアの無知をスケープゴートにしてはいけません。
自分たちが本来とるべき行動をとらない言い訳になりますから・・・。

警察介入や事務次官トップの緊急対策チームが医療現場に入ることについて、専門家や専門団体がどのような対応をしていくのか(しないのか)も学生、研修医のみなさん、ご注目ください。

自分も意見をいってみよう!と思ったらメディアのホームページから「お問い合わせ」「ご意見」をさがしてみるといいですよ。インパクトしては電話>メールですけど。
意外に簡単です。
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 水戸便り  小児感染症の若... | トップ | 医師・看護師は結核のハイリ... »
最近の画像もっと見る

あわせて読む

関連するみんなの記事