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Abbott 第2回 WebセミナーQ&A

2017-04-21 | Aoki Office
Abbott 第2回 WebセミナーAKIのファーストタッチ Q&A


① 症例2をみると尿Naが低くても尿比重が高い状態ですが、一般的に尿比重・尿浸透圧を決めている溶質はどのようなものがあるでしょうか?

回答
尿中の溶質は,主要なものはNaとKイオン,およびそれにClなどの相応する陰イオン,および尿素です。病的な状況ならこれに例えばブドウ糖やアンモニウムイオンなどが加わります。
尿浸透圧は通常計算では Uosm = 2 x (Na + K) + Urea/2.8 で求められます。

② 頸静脈拍動について質問です。弁膜症(三尖弁閉鎖不全)のある症例では評価困難なのでしょうか。

回答
中心静脈圧の推定には,頸静脈拍動の上限の位置をみるとされています。困難ではないと思いますが,何cmと細かい数値にする意味はあまりないと思います(むしろ高いかどうか・・程度に考えればよい)。三尖弁閉鎖不全では,収縮期陽性波が観察されることがあり,頸静脈拍動の波形を見る練習にはちょうどよいかもしれません。

③ 体液量評価の方法で先生は何を一番参考としていますか。

回答
これは非常に難しい質問です。単一の指標で正確に体液量を評価できるものはないと思います。もっとも簡単なものが,体重の変化です。もともとの体重がもし分かって入れば,短時間に減少した体重が,すなわち体液の減少量にほぼ相当するからです。
あとはバイタルサインも重要です。頻脈があれば,循環血漿量低下の可能性があり,それが輸液治療で改善してくれば,結果として循環血漿量が足りなかったという判断になることがあります。ハイテクで,超音波検査での下大静脈径や呼吸性変更の有無も参考にはなると思います。大切ことは,病歴・診察所見・検査所見すべてを総合して考えることだと思います。それと治療によって改善したときに,治療開始前と何が変ったかとよく見直すことです。それによって臨床的な勘を磨いてゆくことです。これは言葉で説明のしようがありません。

④ アミノグリコシド使用時にTDM以外に注意すべき点はありますか。

回答
アミノグリコシドによる急性腎障害の特徴は「非乏尿性」であることです。随分前のことですが,アミノグリコシドが投与されていて,尿量が充分あるため腎機能が低下しているとは考えておらず,久しぶりの腎機能チェックで血清Cr上昇があり相談されたことがあります。

⑤ 腎前性腎不全後の腎性腎不全とは急性尿細管壊死と考えて良いのでしょうか

回答
腎前性腎不全が長期にわたって,腎実質に障害が及んだと考えればそのように考えてもいいと思います。急性尿細管壊死(Acute tubular necrosis)は大きく二つに分けて考えると,ischemic ATN(虚血性)とnephrotoxic ATN(腎毒性物質による)と考えることができます。腎前性腎不全が長時間持続すると,尿細管が虚血に陥ってATNになりうると理解できます。腎前性と腎実質性の二つは,あるところで明確に分かれるのではなく曖昧に連続していると理解した方がよいと思います。
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