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ICAAC Online HCV Series CD4リンパ球、その絶対数と%の解離

2014-01-30 | 青木語録
ICAAC Online HCVSeries 続きます。本日は・・
#1:HIV・非HIV感染症におけるCD4リンパ球、その絶対数と%の解離

非HIV感染者のおける「CD4数とCD4%の解離」=「CD4絶対数は下がるのにCD4%は維持される」ことに演者McGovern先生は気づきました。そして更生施設で調査した結果、進行性の肝障害を持つ患者にこの解離が存在する事に気づきました。

・やがてこの解離はHIV感染者でも見られるという報告が続き、基本的には脾臓におけるSequestration(補足)によるものだろうという事です。即ちCD4の絶対数は低いのにリンパ球全体に占める割合が正常であり続けるのは脾臓の仕業だろうという整理です。
McGovern B, CID 2007;44:431-
Hull MW CID 2012;54:1798-

・恐らく好中球や非CD4リンパ球の寿命がCD4リンパ球のそれよりも短いので、脾臓により同じようにTrapされてもCD4リンパ球のみが残る割合が高いのでしょうか・・。

実は編集長もHCVによる肝硬変を持つ患者でCD4の絶対値が低いのに%が良好なのに首をかしげていたのです。血液内科の先生も首をかしげるだけでしたが・・

#2:HCVと将来
・凄い数の抗HCV薬がPipelineに載っている。だから、どんどん発見しようよ感染症専門医達・・
というのがMcGovern先生の最後のMessageでした。彼女によると感染症専門医は・・
・HIVでウイルスになれてきた総合感染症医である。いっしょHCVのケアをしよう。
・Hepatologistだけでは足りないから・・

(編集長:確かにHIV持ちはHCV持ちでもある事が多いからな・・)
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