感染症診療の原則

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陰謀論を超える暴論

2013-11-20 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
そもそも何のためにやっているのか? をはきちがえると、誰も幸せにならない構造になっていきます。

ワクチン接種の時期や間隔については、一応標準的なものが示されていますが、時にはそれから逸脱してしまうような状況もおこりえます。
体調が悪かったとか引越しが入って手続きがいろいろおくれたとか。
親の突発的な都合だっておこりえます。

そういったときに杓子定規に「はい、アウト!」と頑なに医師や受益者の公衆衛生サービスを妨げる行政がけっこうあるらしいですよ。
現場の先生方のお怒りはものすごいものがあります。(当然です)

誰のために何のためにやっているのか?ですね。

そして、そのことが月曜日の会議で話し合われたのか、条件緩和、というような記事がありました。

日経新聞 複数回接種必要なワクチン、遅れても無料に 間隔条件を緩和

ワクチン関連では病的な陰謀論やよく調べていない軽々しい発言がよくありますが、まあ、それは直接病気になった人を責任持って診るわけでもない、直接関係ない人の無責任トークでしかありません。

しかし医療や公衆衛生に関わる人たちが、接種を妨げるような方向へ力を発揮してしまうようではそれはViolenceに近いのではないかと思います。

そういった地方の行政の現場の誤解や上から目線を誘導している原因があるならさっさととりのぞいていただきたいわけであります。

さらに。

NHK 予防接種費用 自治体で最大8倍の開き

よく読むとインフルエンザか、、、なのですが、これだけみると、ヤバい隠された構造などが潜んでいるのではと思うひともいるでしょう。いや、インフルエンザだからいいというわけではないですが。

"調査時点で定期接種となっていた8つの感染症の6種類の予防接種を比較すると、全国の自治体の間で3.6倍から8倍の開きがあることが分かりました。
このうち最も開きが大きかったのが、65歳以上の高齢者を対象とする季節性のインフルエンザのワクチンで、最も安い自治体は1000円でしたが、最も高い自治体では8000円でした。
厚生労働省は、自治体ごとの具体的な金額は明らかにしていません。"

"医師の診察料や技術料のほかに「外来管理加算」「乳幼児育児栄養指導料」「生物学的製剤注射加算」「調整額」などがあり、項目によっては計上しない自治体もあるということです。
このほか、自治体の中には、医療機関と十分に費用の交渉をしないまま、言い値で契約するケースもあり、接種費用にばらつきが出る要因の一つになっているということです。"

こういうのを不透明にしたり、適切に管理する仕組みにしておかないと利権でしょ、とか、怪しいとかわいれるわけです。
実際、今年もある県でワクチンについて価格の申し合わせをしていました(そうやってたたかれた医師会がニュースになっていたあとですけどね)。

実際に税金つかってやっていることなんだから調査結果は公表すればいいのですし、公表できない何かがあるのだということの追認態度は問題ですね。

どうして各国のように定期接種ワクチンのように大量に購入するものについて製薬会社に値引き交渉をしないのか?ということもメディアには比較検証などをしていっていただきたいです。



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