冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

テント場各駅停車の薬師岳~立山縦走 3

2017-08-27 21:11:12 | 旅行
さて縦走3日目。この日の朝は前日とは異なり、曇天のスタートです。ちょっと残念。とは言っても視界はあり、ガスに巻かれている訳ではないので、天気の好転を期待しながらテントを撤収。今回の旅の目的地の一つである五色ヶ原にむけて出発です。スゴ乗越のテント場からは最初ぬかるんだ樹林帯の急坂を下ります。大きな石が出てきて結構気を使う道。脇に咲いている小さなツマトリソウに癒しをもらいつつ進みます。


曇天なので見通しは利かないのですが。。。


下の方は見えます。黒部川、上の廊下が厳かに流れる。山深いところです。健脚の人でも最低一泊した後でないとたどり着けないところを歩いていますからね。


少し開けたところから前方が見えました。越中沢岳。昨日のテント場で、五色ヶ原方面から来た人たちが口々に厳しいと言っていた山。


そして、その右手にスゴの頭も出てきました。こうして2つ並ぶと悪役モードが感じられます。まあ、昨日聞いた話に影響されてますけど。


贔屓の花であるアカモノが出てきました。もう時期は終わっているはずなので、残っていてくれた株です。せっかくなのに、またもピントが合っていない!


ようやくスゴ乗越に到着。ここからは登りです。


この日のコースは樹林帯で展望があまりなく、その上基本的に曇天、そして道はぬかるんでいたり大きな石が出てきて厳しかったりするので、写真は少なめです。進行方向にスゴノ頭らしきものがチラチラ見えたりします。樹林帯で滑りやすく、木の根や大きな石で苦労する道は、その危険度が意外と軽視されていると思います。どうしても岩場の方が危険だと思われがちですが、樹林帯のいやらしい道は一発で命にかかわらないまでも、足をひねったり尻もちついたりする危険性はかなり高いですし、そもそも神経を使うので疲れます。


可愛いお花。ツツジのような葉を持つ樹に咲いていました。


そして、少し展望の開けたところにでました。ここからは岩岩しい急な登りを行くことになるのですが、その前に景色を堪能。正面の谷は黒部川で、左の大きいのは赤牛岳です。黒く高いピークが水晶岳、奥のやや白っぽいのが鷲羽岳でしょう。


赤牛拡大。ゴッドファーザーの迫力。やはり黒部の主のイメージだわ。




進行方向のスゴノ頭。雲の感じが悪役感を強めています。


その奥の越中沢岳も姿を現しつつある。恐えー感じだな。


少し進み、越中沢岳の山頂付近のガスが取れつつあったので拡大。なるほど、かなり険しい道が山頂に向けて突き上げているようだ。




そして現在の登山道も微妙に厳しい。この後、もっと本格的に大きな岩場になり、写真を撮る余裕がなくなりました。


少し休めるところから周囲を見渡す。この光景、特に後ろにある大きな山、最初は赤牛岳かと思いましたが、何となく感じが違う。写真を撮った後に薬師岳だと気づきます。そして、写真右手の緑の山の平らな部分にスゴ乗越小屋が見えます。




うーん、結構たいへんなところを歩いてきたのかもしれない。
その後、大きな岩の険しい道を引き続きよじ登りつつ、トレランのような軽装の人に抜かれたりしながら進みます。この辺り、お花はありません。疲れるとちょっと止まって振り返り、風景の写真を撮ります。まずは赤牛岳、水晶岳方面。




視線をずらしていくと、雲ノ平。奥にちょっとだけ笠ヶ岳が出ていますね。


黒部川の谷。


そして昨日歩いてきた薬師岳方面。




その少し左に見えている黒部五郎岳の拡大図。


で、苦労の末にスゴノ頭の直下に来ました。登山道はスゴノ頭の山頂を通りません。まあ、もう十分だ。それほど長くなかったものの、内容的には厳しい道でした。この道、登りもたいへんだったけど、下りは下りで神経使う道だと思います。


このチェックポイントには、反対側から来られた3人のトレラン的軽装備の人がいました。口々に越中沢岳の下りのエグさについて話していて、テント泊装備でこれから向かう私には、聞こえる内容がプレッシャー。そして、これがこれから進む越中沢岳。見えている道が既に険しい。まずは水分補給して落ち着きます。


ここからは、地図で急坂となっている所を100メートルほど下り、その後同じく急坂となっている所を300メートル弱登り返します。まあ、アップダウンの大きさとしては、アルプスの縦走のなかでは標準的だと思いますが、この急坂というのが曲者。その証拠に、全然写真なし。それでも、スゴノ頭からの下りはチングルマがたくさん咲いていたので、一枚だけ撮っていました。


ザレているというと言い過ぎなのですが、比較的小さめの石が多いガレとザレの微妙な間のような急坂でした。足をとられないように、同時に落石を起こさないように進みます。また、越中沢岳への登りに入ると、ルート上に丸印などはついているのですが、それでも急坂のために頭を下げて歩きがちになってしまい、結果として丸印を見失ってルートを外れるリスクも結構あると感じました。私も一瞬ルートを外しそうになり、直ぐに気づいて数歩戻るようなことが2回ほどありました。そんな中、振り返ってみたスゴノ頭とその奥にある巨大な薬師岳。


苦労しつつも、スゴノ頭と同じくらいの標高のところまで来ました。


今見直していても、意外なほどに写真がありません。とにかく注意を要するガレ・ザレ、そして鎖なども登場する岩場の連続で、落ち着いてカメラを出す気にならなかったのでしょう。たまにすれ違う人がいるのですが、お互い必死の形相でした。お花の写真は数枚ありますが。例えばこのミヤマママコナとか。


数少ないルートの写真。この地点は危険度高くないですが、それでも丸印のついているところ、写真のルート上の右端と左端に自分がいることを考えると、その先にはいやらしい道が続いていることが想像できるはず。


で、急坂を登り切ると山頂か、と思うと意外と山頂が遠い。それでも、山頂までの最後の道はかなり緩やかになり、右手には雪渓があって風が吹いてくるので涼しく、ちょっとしたボーナスステージです。


そして、お花も復活。










山頂に到着です。越中沢岳、侮れない山ですね。


薬師岳方面を臨みましたが、残念ながら次々に雲がやって来てしまい、景色は見通せず。


逆に、これから向かう方向はある程度見通せます。つーか、登ってきたルートの鬼のような厳しい道とちがって、こちらは極端に平らでアップダウンのない楽な道に見えるんですけど。


この見た目は正しかった。ここから暫くは本当にボーナスステージ状態で、ほぼ平坦な道を楽に下っていくだけです。お花も結構多くて、ミヤマコゴメグサとか、チングルマ、ハクサンイチゲ、イワイチョウなどがたくさん。




木道まで登場し、パラダイス状態です。まあ、こんなに落差つけないで全体的に普通の道にして下さい、って言ってもせん無いですけどね。


木道終了後は、越中沢乗越まで少しは下りらしい道を下りますが、全然きつくはありません。標高が下がってきてちょっと蒸し暑いのと虫が飛んでいるのが気になるくらい。樹林帯なので眺望はあまりなく、お花を楽しみます。種類もちょっと変化してきたしね。例えばクルマユリ。


ウサギギク。


ハクサンフウロもこの辺りから一気に増えました。


実際にはいろんなお花が混在して咲いています。


そして、この写真ですが、分かりますかね。数羽のライチョウさんの雛が写っています。


親鳥さん。縦走中の稜線の中では標高の低いところでしたが、出てきてくれてありがとう。ライチョウさんは大好きなので、写真を撮るというよりも立ち止まってじっと眺めてしまう。


慌てて行ってしまったライチョウさん親子を見送り、次のピークである鳶山に向かいます。それほど厳しい道ではないですが、250メートルくらい登り返すのでそれなりのボリュームがあります。と、ここでトウヤクリンドウを発見。秋の花のイメージですね。まだお盆前だし、今年は残雪が多くて夏のお花の開花がゆっくりだったと聞いていましたが、高山では確実に秋がやってくるのですね。


鳶山の前には偽ピークがあり、そろそろ山頂かと思って着くとその先に新たなピークが見えるパターン。テント泊装備で歩いていると、このパターンにはかなりがっかりさせられます。


特に厳しくはないけど普通に辛い登りを経て、ついに鳶山に到達。これを越えれば目指してきた五色ヶ原です。


振り返ると、今回の山旅の悪役だった越中沢岳。こちら側からだと比較的ゆったりした山容。この裏側は嶮しかった。




そして五色ヶ原方面をついに見渡します。曇天気味なのが残念ですが、天空の湿原。左に五色ヶ原山荘も見えています。オレンジ色の屋根とクリーム色の壁は、後立山連峰の種池山荘と同じでメルヘン感がある山小屋ですね。


五色ヶ原を、視線をややずらして見た図。黒部湖越しに後立山連峰の山が見えるはずですが、雲がかかっていて今一つ。ちょっと見えている端正な三角錐の形の山は、北葛岳です。最初は分からなかったのですが、後から五色ヶ原山荘の方に教えてもらいました。




もう一度五色ヶ原山荘を入れた図。


さて、暫く鳶山の山頂で休憩したら、いよいよ五色ヶ原に向けて下ります。この道は基本的に全面的にお花畑。木道が整備されており、完全に湿原ですね。


お花はいろいろです。










五色ヶ原と言えばチングルマというイメージが強いですが、実際にはイワカガミなどと一緒に咲いているものが多いです。白とピンクがとても可愛い。






コバイケイソウは今年は外れの年で、まったく咲いていませんでした。これが全部咲いたら凄い迫力だろうなあ。


よく見ると、木道だけではなく、周囲の土が崩れないように補修しているのも分かります。誰かが湿原を守るために働いてくれている証拠。


山荘が近づいてきました。


10時半過ぎに山頂に着き、テントの受付(700円、水とトイレ含む、しかしトイレに紙はない)を済ませてコーラを購入。今日の縦走はこれでお終い。もうちょっと歩けますが、物足りないという感覚はあまりなく、湿原の散策に時間を使いたいと思っていました。
テント場へは10分くらいの道を行くのですが、木道の補修作業中で逆に道が悪くなっており、滑らないように気を付けました。五色ヶ原のテント場は広く、周囲をお花畑に囲まれた楽園のようなところです。が、この日は曇天であまり景色には恵まれず。黒部湖越しに見えるはずの針ノ木岳なども完全に雲隠れでした。仕方ないのでテント設営後は水場で2日間着ていた速乾性のTシャツなどを洗い、自分の体も拭いてサッパリしました。
その後、12時少し前からサブザックで湿原散策に出発。お天気が微妙なので、レインウェアの上だけ持って行きました。
直ぐに、ハクサンコザクラがたくさん目に入ってきました。ハクサンイチゲなどよりも少し時期的に早いお花のイメージなので、残っていてくれて嬉しい。






他にもミヤマキンバイやツガザクラ、アオノツガザクラなどなど。期待通りたくさんのお花。








池塘も残雪もいっぱいです。




もちろん、お目当てのチングルマも。チングルマは本当に愛らしい。


チングルマとイワカガミのペアは、色の取り合わせがよくて可愛さ10倍。


これは知らない花ですが、とても上品なイメージ。名前を知りたい。


イワイチョウもミヤマキンポウゲも形のいいものがたくさんありました。




空模様は怪しい。本当なら、湿原の背景に大きな山々が見えて迫力十分のはずだが。


山小屋に最後にたどり着くように木道を回っています。いろんなお花が出てくる。ハクサンボウフウやミヤマタンポポ。ヤマハハコはまだまだ蕾に近いです。基本は秋の花なんでしょう。秋の花の代表格であるミヤマトリカブトも咲き始め。大群落になるらしいです。








ガスが相当濃くなってきた。雲行きもどんどん悪くなって、雨が近い予感。せっかくの湿原散策なのに。ヨツバシオガマやエゾシオガマもありました。




湿原のお花畑は本当に見事で、一面お花だらけです。これでコバイケイソウが当たり年だったら凄い迫力だろうなあ。


と、ここでライチョウさんのカップル登場です。ガスが濃くなっていて、画像もガスの中のイメージになっていますが。雛は連れていませんでした。今年はできなかったのかな。来年は雛がたくさん育つことをお祈りです。そう言えば、雄のライチョウは久しぶりというか初めて見たかもしれない。






ライチョウさんに一日に2回も会うことができて上機嫌ですが、パラパラと小雨が降ってきました。1時20分ごろに小屋に着いたので昼食を取ろうとしたのですが、既に終了とのこと。まあ、食料は十分持っているので問題はないですが、どうせなら山小屋の食事も体験したかったのに残念。小屋番さんとは、五色ヶ原から見える山の話をして、天気のことなどをいろいろ教えてもらいました。ありがとうございます。


雨も本降りになってきたので、雨宿りせずに取りあえずテントに戻ります。洗ったTシャツなどは着て乾かすしかない。まあ、気温が十分高いから問題ないですが。この後、ずっと雨は降ったり止んだり。5時過ぎから雨脚が強まり、室堂方面から遅めに到着されたパーティは雨の中のテント設営に苦労されていました。私もこの日はテントの中で夕食の支度。写真はこの後ありません。
五色ヶ原を楽しむのが今回の旅の大きな目的だったので、その意味ではこの日のお天気は少し残念。でも、翌朝に期待です。早朝晴れていれば、湿原と後立山連峰や立山連峰のコラボが大迫力で楽しめるはず。それを期待して就寝です。
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