ICT甲府
爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺




「平成26年10月17日、国土交通大臣がJR東海に対して行なった、全国新幹線鉄道整備法に基づく中央新幹線工事実施計画の認可処分の取消しを求める訴訟」(通称:ストップ・リニア!訴訟)
2016年5月20日に東京地方裁判所に提出された訴状では、「事件名 工事実施計画認可取消請求事件」と記されています。
ちなみに、第1回口頭弁論は 2016年9月23日、第2回 2016年12月9日、第3回 2017年2月24日、そして第4回は2017年4月28日にいずれも東京地裁で行なわれました。
今後は 第5回 2017年6月23日、第6回 2017年9月8日、第7回 2017年11月24日、第8回 2018年1月19日と予定されています。

今回の第4回口頭弁論は山梨県民の原告2名が意見陳述をしましたので、マスメディアの報道記事などを既にご覧になった方が多いと思いますが、山梨県リニア実験線の沿線住民からの聴き取り及び現地視察に基づく陳述と、甲府盆地の地上走行から発生する問題を中心にした意見陳述が行なわれましたので、その陳述要旨から簡単にご紹介しておきます。

実験線沿線の状況
トンネル掘削に伴う問題として水枯れの問題
 飲み水に使っていた井戸水は枯れ、水田の用水として利用していた谷川の水も枯れている。御坂町上黒駒地区・大野寺地区、八代町竹居地区・奈良原地区等で水枯れが発生している。
 地表の水が失われることによって水飲み場やヌタ場を失ったイノシシやシカなどの大型獣が人里近くまで降りてくることが以前より頻発し「獣害」が発生している。

高架橋・橋梁整備に伴い日照が遮断される問題
 笛吹市内はほぼ東西にリニアが走っているため晩秋から初春まで場所によっては一日中、日の当たらないケースも発生している。

 果樹(主に桃・ぶどう)に対して多大な被害を与えている。果樹への影響について事前調査はなかったので農家への説明も無かった。被害補償は事後的に市場取引等を参考にしており被害農家にとっては不十分。

 居住者への補償は現に居住している家族員数で30年間補償するもの。地域は農家がほとんどで住居は大きく広いが高齢化などで家族は少ない。暖房の灯油代、電気代、日照に代る乾燥費などを人数で算定されては人間らしい生活は保てない。
【編注・沼田場(ヌタ場、ぬたば)とは、イノシシやシカなどの動物が体表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びる場所のこと・・・だそうです。】
甲府盆地の地上走行から発生する問題
1.騒音被害の状況について
 (編注・この問題は甲府市中道地区が現状では新幹線騒音環境基準が適用されない地域区分になっていることから生じています、今後山梨県が決定する地域計画に関わるので4.の要請になっています。)

2.JR東海の対応
 「国の基準に基づいて公平に補償します」とか「総合的な対策を講じます」とか具体性に乏しい回答のみ。畑地が路線にかかる人の「いつまで作付けが出来るんですか。」という質問には「出来れば来年は止めてほしい」と回答した。

3.環境影響評価について
 環境影響評価法が定める「事後調査」について実施しないことは不適切な対応である。

4.山梨県知事に対する要請書を提出
 2017年4月4日、甲府市上曽根町5つの自治会は総会の決議を経て住民全員の総意を持つて騒音対策を山梨県とJR東海に要望した。

以上は訴訟団から報告された意見陳述要旨から更に要約して抜き出したメモに過ぎません。リニア中央新幹線情報サイトで全て記録する予定ですが、今回は山梨県リニア実験線沿線の状況が、初めて、オオヤケの記録として残されたので、ここでご紹介しておきました。
法廷で陳述されたようなリニア実験線沿線での被害に対して山梨県政や地域自治体がどのように具体的な対応・対策をなさっているかは私にはわかりません。以前どこかで書いたことがありますが、リニア実験線は鉄道技研やJR東海にとっては科学技術の実験設備だが、地域行政にとっては社会実験の場でもあるはずなので、その結果を私は知りたい・・・

前記事でご紹介したNPO法人「未来の荒川をつくる会」のホームページで「リニア日本一花街道づくりを」「二川橋下流域に自転車モトクロスやグランドゴルフ場などスポーツ振興を計り、リニアからも眺められる桜やタンポポなどの花のロマン街道づくりを。」と書かれていたのでハッとしました。リニア新幹線事業の実相を山梨県の皆さんにご理解いただく一助にもなればと考え、とりあえず意見陳述内容のご紹介をしたものです。「リニアから眺められる」ようにされてしまえば、その地域の人々にはどんなご苦労が降りかかるのか、そこんとこに想いを馳せる事は肝心なのです。
山梨県内は実験線も含めて全て土管にすべきでしょう、しかし土管にすればその分だけ日影も増えます、緊急時の対応も難しい、さてどうしたら良いのでしょうか、「リニア新幹線の実相をご理解いただきたいと存じます。」

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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (kabochadaisuki)
2017-05-07 22:44:36
ブログでご指摘の内容とは関わりがありませんが、このような情報を見つけました。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/npp/2017-0501-2.html
JR東海が保安林内にて無許可で希少な植物を移植させようとしていたという話のようです。おそらく実際に植物採取する前に県から指導が入ったため、表沙汰にはならなかったのでしょう。

自然保護の観点で問題と思いますが、それ以前に森林法第34条第2項
「保安林においては、都道府県知事の許可を受けなければ、立竹を伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、又は土石若しくは樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO249.html

および施行規則第63条(立竹の伐採等の許可を要しない場合)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F00601000054.html
に反していると思います。

JR東海がアセス業者に移植を行わせたという話ですが、アセスの大手業者がそんな凡ミスを犯すのでしょうか?
http://www.fke.co.jp/service/environment.html

しかし岐阜県では砂防指定地域内にて無許可で道路建設が行われたり、
http://www.pref.gifu.lg.jp/shakai-kiban/kasen/sabo/11653/sabouhoudou.data/JRfukyoka.pdf#search=%27%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2+%E7%A0%82%E9%98%B2%27
土壌汚染の報告義務を怠って指導が入ったこともありました。大型公共事業の順法意識とは、こんなものなのでしょうか?。
 
 
 
長野県の対応に注目です (ictkofu)
2017-05-07 23:47:51
南信リニア通信の記事を確認しました。
長野県林務部がJR東海を指導するという話まで書かれていましたが県庁サイトで広報記事になるでしょうか。
これを広く伝えることで沿線各地のリニア事業で同様なミステークが発生するのを防ぐことが出来るはず、長野県だけの問題では無いと思います。
貴方からの情報と南信リニア通信へのリンクを合わせて、リニア中央新幹線情報ブログで記録しておきたいと思います。
情報ありがとうございました。
 
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