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全国新幹線鉄道整備法により認可されても整備新幹線では無い中央新幹線としての「リニア中央新幹線」事業で、特捜が乗り出した入札不正事案に、公取委が入って独禁法問題になったことは報道されています。

先日29日の記事、「遵守の弊害、シン・リニア」 は郷原信郎さんの リニア談合、独禁法での起訴には重大な問題 ~全論点徹底解説~ を読んで書いた記事でした。

12月21日に、「リニア新幹線事業は公共工事では無いらしい」 を書いていた私は、JR東海による民間事業としてのリニア中央新幹線建設で、入札公告が出たり出なかったりする理由は不明でした。
民間事業なら全て随意契約でも良いはずですが、JR東海の下請けになっている鉄道・運輸機構は入札・落札情報を公開しているのです。その理由は法令を参照して分かったので、この記事に記しました。「半ば公共事業」でなく、JR東海が発注する工事は民間事業であり、鉄道・運輸機構が担当する時は公共事業になるから入札・落札情報が公開されるのです。

私に未だ不明な点は、公務員がリニア事業の為に仕事をしている法的な根拠とその仕事に関係する入札・落札情報が公開されたりされなかったりする事象との整合性はいかなる法理によるのかです。この点を事業に関わる地域行政が国民に説明する必要があるのか無いのかです。

法の穴とも思える国策民営事業という 特異な性格を持つリニア中央新幹線事業なのです、だから私は「シン・リニア」と呼ぶ事にしたのです。

偽計業務妨害だ、独禁法違反だと騒ぐのはマスコミに任せておいて、地方自治体はリニア中央新幹線事業にどんな根拠で協力しているか、その財源、予算決算はどのように処理されているか、「丁寧に説明」すべきです。
全国新幹線鉄道整備法に決められているからでは説明にならない。公務員が民間事業に実務的に協働すべしと全幹法が決めているなら、そのように規程されている法律が他にあるかどうかも確認したいものです。

不当な取引制限の罪には、「公共の利益に反して」という要件が含まれている。すでに述べてきたように、高度な技術を要する国家的プロジェクトとしての工事を実現するため、スーパーゼネコン4社の技術を結集し、最先端の技術開発を行うために不可欠な「調整」だった場合、それが「公共の利益に反して」行われたと言えるだろうか。

・・・とお書きになった郷原信郎さんは、続いて以下のようにもお書きになっておられます・・・

しかし、だからと言って、リニア工事に関するJR東海とスーパーゼネコン4社の対応に問題がなかったということではない。JR東海は株式を上場している民間企業であるが、リニア工事は、公共性が極めて高く、今後の日本社会にも重大な影響を与える国家的プロジェクトなのであるから、工事施工の計画、認可に至るプロセス、その間の技術開発面での企業の協力状況等について十分な情報公開を行うべきである。

郷原信郎さんの立ち位置は、『JR東海にも、スーパーゼネコン4社にも、コンプライアンスの観点から、「事実解明には全面協力し、法的主張は徹底して行う」という姿勢が求められる。』から理解できます。
同じことは沿線地域行政にも言えます。「法令を遵守している」と言うだけでは説明にはならないのです。行政のコンプライアンスが問われるのです。
社会の要請に応えるコンプライアンスの観点からは、その事業が地域の人々に利益をもたらす一方で被害を受ける人々もいるとき、その被害には如何に対応するかに地域行政の実相が現われていることに気付かねばならないでしょう。
横浜市のように行政サイトでコンプライアンス記事を見かけることも多い時代です。リニア中央新幹線による地域活性化プロセスは既に始まっているのです。



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