ら く が き ち ょ う

井戸端雀 いちみ が心にうかぶ よしなしごとを 描き散らす since 2005

くいちがう記憶 

2012年02月05日 | つれづれ
 福岡県久留米でも、おそろしく寒い日が続くので、温泉に出かけよう! ということになって、熊本県山鹿の平山温泉にむかう。
 道中、つれあいがネット検索した地図中に、県立装飾古墳館の文字を見いだす。
 福岡県南部から熊本県にかけては日本有数の装飾古墳群がある。
 つれあいもわたしも青春時代に愛読した諸星大二郎作品にも登場する、謎とロマンに満ちあふれた古墳群。
 近くに住みながら、実物を目にする機会がなかなかなかったが、専門博物館があるとはさすが熊本! と思っていると、つれあいが「装飾古墳館には前に一緒に行ったことがあるやないか」などと言い出す。
 いやいやいや、わたしは熊本県山鹿方面に出かけるのは今回が初めて。
 つれあいには熊本方面に出張の折に、立ち寄った記憶があるのでは? 
 しかし、つれあいは強固に「一緒に行った!」と主張する。

 こういうことは前にも一度あった。
 思い違いというか、偽の記憶というか。
 二人の記憶がくいちがうことが。

 つれあいによると、この装飾古墳館がオープンして間もない頃に見に来たらしい。
 「敷地内には本物の古墳がある。建物を見たら来たことを思い出す」というものだから、温泉で温まった帰りに寄ることにした。
 平山温泉から県立装飾古墳館への道すがらには、山鹿市博物館やオブサン古墳、チブサン古墳もあり、ついつい引き寄せられてしまう。
 山鹿市博物館はこぢんまりながらも収蔵品は充実。市内にある学校の校庭から出土した青銅の鉾先とか、細かい文様のある須恵器などなど。諸星大二郎作『暗黒神話』の主人公になったような気持ちでじっと見入る。

 さて、問題の装飾古墳館。
 つれあいが「前にも来たことがある」というわりには、駐車場への道のりがわからずすんなり到着できないし。建物を見ても、わたしの記憶は呼び覚まされることはないし。
 確実に、初めて来た場所。
 きわめつけは、この古墳館のオープン時期。
 平成4年4月にオープン。と、いうことは、今年成人式(を一日間違えて出席できなかった)の息子が生後10ヵ月の頃。ここに来るのにわたしは、軽自動車の助手席で乳幼児を膝に抱き(当時、チャイルドシートの装着は義務づけられてなかった)道路地図を見ながらナビもしていたことになる。
 もし、二人だけで来たのなら、幼稚園児と乳幼児だった子どもたちは誰かに預けていたことになる。
 夫婦で遊びに行くのに子ども二人を預けるなんて、DAICON6の時だけやったし。
 そもそも、預けられるような知り合が近所にいなかったし。 

 「子ども連れで来たかどうかは憶えてないが、展示物に既視感がある。(子どもと)来ていたら写真ぐらい撮ってるな。今度、関東平野の端っこに行ったらアルバムを確認してこよう」
 と、なおもつれあいは自分の記憶の正しさを証明しようとしている。
 まさか、このつれあいは、もう一人の、平行世界の……。
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キーワード
諸星大二郎 チャイルドシート
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2 コメント

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わかる〜 (ラッコ庵)
2012-02-05 15:37:45
一度ならずそういうことがあるので、自分の記憶が全然信じられません。一例を挙げると、そう遠くない過去に箱根の関所を見学して資料館などにも入ったのですが、一緒に行ったはずの夫が行ってないというのです。じゃあ、私はいったい誰と行ったんでしょう?
それはもう (いちみ)
2012-02-06 00:01:04
くいちがう記憶もなかなか見つからない探し物も、平行世界と関係しているんですよ。
わたしたちの気づかぬうちに、世界を隔てる壁の隙間から入れ替わりが起こってるんやないんですか?
わたし、かなり真面目に考えてます。

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