いっちゃんのよもやまばなし

ユートピア活動勉強会で使用した政治・経済・歴史などの書籍やネット情報、感想などを中心に紹介します。

正しく知る地球温暖化 地球温暖化を真剣に考える      赤祖父俊一著

2017年06月28日 15時21分28秒 | 書籍の感想とその他
2017年6月1日にトランプ大統領がパリ協定離脱の大統領令に署名しました。
米国の主要メディアも日本のメディアも大騒ぎしていますが、温暖化はあくまで仮説であることは間違いありません。素朴に考えても人間がそれほど地球の環境に大きな影響を与えているのか疑問が残ります。懐疑論は長く封印されてきましたが、2008年に出版されたこの書籍の著者である赤祖父俊一氏は2000年から2007年まで、アラスカ大学国際北極圏研究センター所長を努め、科学者らしく論理的且つ客観的に間違った認識に陥らないよう警告しています。



ジョージア州でトランプ大統領が石炭産業の復活を訴えたことが有権者を動かしたことは間違いないと思います。余談となりますが問題は二酸化炭素ではなく硫黄酸化物の除去にあると思います。その点日本は優れた脱硫技術を有しているので、技術協力すれば良いと思います。中国は殆ど制約を受けない形で石炭を燃やし続けることができるので、日本にとってはこちらの方が問題であると思います。

カリフォルニア州のクリントン支持派がトランプ氏に流れたのは、同州の農家が環境庁による取水制限により壊滅的な影響を受けたことが背景にあります。長官に任命されたスコット・プルイット氏は反規制派なので、米国メディアは叩いていますがこの流れは変わると思われます。

以下本論に移ります。

赤祖父教授は米国上院議会でも証言しましたが、余りにも政治化してしまった地球温暖化についてアカデミックな立場から、冷静に反証を掲げて仮説としての「地球温暖化問題」の危うさを主張しています。海外から見て、官民一体で騒いでいるのは日本だけと写っています。一部の欧米メディアは緑のハラキリと揶揄しています。

スパコンのシミュレーションに頼る気候物理学者はかつて18世紀に起きたと推定される小氷河期を無視しています。実はシミュレーションモデルで採用された過去のデータから読み取れるにも拘らず、どのような条件を与えても再現できません。二酸化炭素が急激に増えたとされる1940-1975「地球は寒冷化する」と危機が叫ばれましたが、その事象すら再現できないのです。

長期的に小氷河期からの復帰現象だとすれば、意外に寒冷化に反転する可能性すらあります。一部の学者は太陽の活動周期の影響(寒冷化)を主張しているにも関わらず、シミュレーションには織り込まれていません。著者は現在起きている温暖化の6分の5は自然変動で、CO2削減の効果は6分の1にしか過ぎない可能性が高い(仮説)と控えめに主張しています

英国は国民への原子力発電への賛意を引き出すためにIPCCを立ち上げました。そもそも政治的な意図が背景にあり、サイエンスの様相を呈していないのです。(空気がお金になるとして日本だけがカーボン・オフセットを迫られるとしたら著しく国益を損ないかねません。安全保障として石油エネルギー依存度を下げ、エネルギー資源の多様化の観点で効用はあるかもしれませんが、先ずは科学的な議論により筋を通すべきだと思います。

現在進行中の温暖化の大部分(6分の5)は地球の自然変動であり、現在進行しているのは1400-1800年の小氷河期からの回復期と看做すことが可能と著者は主張しています。実は地球に少なくとも4回襲った大氷河期の原因も含めて分からない気候変動が多数存在しています。1940-1975大気中の炭酸ガスが急増したにも拘らず、大気の温度は下がっています。当時、大氷河期が来ると予測しているグループも存在していました。そして、今は立場を変えて、現在の温暖化の重大さを宣伝している学者すらいます。

繰り返しになりますが、炭酸ガスの温室効果0.6℃/100年は仮説でしかありません。よく宣伝に使われる氷河の交代は1800年代から始まっています。北極海の海氷も同様です。海面の上昇も過去100年で1年平均1.7mm、これも1850年、から始まる現象です。しかも、炭酸ガスが増え始めた1940年代から上昇率は下がり始めているのです。1.4mm/年。米国ではゴアの箱舟(膝下までの水面)の風刺が報道されています。

温暖化は1000年前(今と同じ)1万年前(今より暖かい)にもありました。中性の温暖化の時期にはアウカンジナビアやアイスランドの人々はグリーンランドに移住することができました。永久凍土の上に建てた家が倒壊するのは暖房をしたからです。センセーショナルな-非科学的な-報道に騙される典型的な事例です。

IPCCには2つのグループがあり、一つが気候学者(自然科学)、もう一つが気象学者(大気物理学者)です。気象学者はIPCCの結論に対して疑問を持つものも少なくありません。いずれの分野も細分化され、中々全体が見えないので総合研究が注目されますが、実行は困難な状況にあると著者は憂いています。著者が公平な立場に立てるのは、多くの学者と接する機会が多いからです。

確かに、過去100年間地球全体で温暖化が起きていることを否定する学者はいません。気候変動が起きているのは事実ですが、過去50年間グリーンランドは寒冷化しています。温暖化は地域によって一様に進むものではないのです。温暖化が顕著に進んでいるのは北極海です。

異常気象と温暖化は異なります、100年間で0.6℃は体感できません。もっとも、異常気象というものは実際には平均からの偏差であり、偏差は期間の長さによります。仮説が正しければ、カトリーナの発生頻度はもっと高くなるはずです。研究者が異常(偏差の事例)とコメントしても、報道はその言葉を無視して温暖化のせいにしています。研究者の無責任な発言にも問題があるかもしれません。

全てのエネルギーは太陽がその発生源であり、二酸化炭素は赤外線を吸収しやすい構造となっています。赤外線を吸収した後、振動して赤外線を放出します。しかし、赤外線を最も反射するのは水蒸気で温暖化ガスの95%。地球の熱放射と赤外線の反射がバランスされた状態が15℃で、もし温暖化ガスが無ければ-15℃となります。何故、二酸化炭素が水蒸気上昇に繋がるのかは専門家でも、その物理過程は議論が交わ

炭酸ガスを大量に放出する火力発電では同時にエアロゾル(個体と液体の中間)も放出されます、エアロゾルは逆の効果(寒冷化)を持っています。雲の反射と水蒸気による赤外線の地表への反射のどちらが大きいか?温暖化で雲が増えるどうなるか?すら論争の対象となっています。

地球で炭酸ガスが最も地下に貯えられているのは北極圏(泥炭)で、大気中の炭酸ガスの年変化が最も大きいのも北極圏です。北極圏の大森林が炭酸ガスの吸収源か発生源(自然火災)かも分かっていません。南極の氷を使った研究では気温が炭酸ガスの増加に800-1300年先行しているとの結果が得られています。まだまだ未解決の課題は多く、因果関係は証明されていません。

スーパー・コンピュータによるシミュレーションは人間がロジックを組み込むもので発明も発見もしません。そもそも、小氷河期ですら再現できないのです。一部の気候物理学者が“だから小氷河期は存在しない”とまで言うのは暴論に近いものがあります。実際には自然現象に合う(再現できる)ように、シミュレション・プログラムのパラメータ(例えば雲の成因など)をチューニングするIPCCに参加している大気物理学者は過去の気候変動に全く興味の無い者が多いそうです。

ゲーテは「何も分かっていないと正確な予言ができるが、問題が分かってくると疑問を持つようになり、予言できなくなる」との至言を遺しています。懐疑者と否定されてしまうから自然学者は黙ってしまい、科学専門誌は意図的に懐疑派の論文掲載を避けてきました。小氷河期の存在を証明する研究は数多くあります。北極海の氷河のコア解析、河川の凍結時期、農産物の収穫量など..。1600-1700年は現在よりも寒かったことは有名で、テームズ川ではスケートができました。ワシントンが独立戦争を率いている時期にデラウェア川は氷結していました。



逆に、諏訪湖の御神渡の日は1700年以降直線的に遅くなっています。桜の満開時期も早くなっています。(天明の飢饉は1783-1788年)1000年頃は暖かく、その後下がり続けて1700年頃から上昇に転じたことが、木の年輪、グリーンランドの氷床、北大西洋の堆積物などからIPCCも紀元前500年-1000年は現在より暖かったことが分かっています。IPCCの“現在の温暖化がかつてない異常”と言うのは言いすぎあることは間違いありません。

流れを変えたのはIPCCの「政策立案者のための要約」でホッケースティックが示されてから。悪意は無いかもしれませんが、政治的に利用されたと見るのが妥当だと思います。その後、ゴア氏は一部データの誤用があったことを認めていますが、不都合な真実が与えた影響は余りにも大きいものでした。スタンフォード大学の科学者は火山の噴火の方が遥かに大きいと指摘しています。



アラスカのグレッシャーの氷河は1000年頃から前進し1700年まで続きました、そして1800年頃から後退を始めています。(ノルウェーの氷河も同様)キリマンジェロの氷河の後退は一年中マイナス6℃なので溶けないはずなのに、後退していたのはサハラ砂漠の南下と乾燥が主な原因です。かつて、メタンガスの増加も懸念されていましたたが、何故か2000年頃から増加は止まってしまいました。(原因は不明)

IPCCの「科学者にできることは終わった、あとは政治家のすること」との宣言は誤りで、政治家や官僚には小氷河期の研究はできません。最近の20年間のNASAの資料ではシベリア、アラスカ、カナダ(北極圏の陸地の大部分)の温暖化は消えてしまっています。逆に北極海氷の減少はシミュレーションよりも急速に進んでいます。推定原因としては北大西洋振動と呼ばれている自然現象で、ベーリング海から大西洋の暖かい水が流れ込んでいることが確認されています。1900年代の温暖化に二酸化炭素以外の自然変動が含まれているのは間違いありません。

誤った報道 2007年の北極海氷減少は風による移動でした。マラリヤなどの熱帯病の北上に関しても、過去の大流行がシベリアでありました。意外なことですが、1950年以降台風の発生は減少傾向にあります。初代のIPCC議長は、2020年頃ニューヨークとロンドンは水没し、ツンドラは牧草地になると予言していましたが、今では笑いモノです。

パリ条約加盟各国は上手に建前と本音を使い分けています。中国は1週間に1つの火力発電所を建設し、石油の消費量は倍増しています。著者は、「日本を見ていてつくづく感じることは、国際情報については、まだ極東の島国である」と諫言しています。

環境問題と二酸化炭素C問題を同一視すると、環境問題自身が全体責任の中に隠れてしまいます。自然を全て分かっているとするのは、スパコンを信頼し過ぎる錯覚と驕りだと思います。
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