
今回の記事は『真夜中のカーボーイ』(1969年、監督:ジョン・シュレシンジャー)です。
ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン主演によるアメリカン・ニューシネマの傑作。
大都会ニューヨークを舞台に奇妙な腐れ縁となった二人の男が富と名誉を得るためにもがく姿を描いたヒューマンドラマ。
アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞を受賞した名作です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
テキサスの片田舎からカウボーイの姿で大都会ニューヨークにやってきたジョー(J・ヴォイト)は、自身の美貌を利用して男娼をやり、それを足がかりに成功することを目論んでいた。
だが最初の客に騙され、一文無しとなってしまう。
そんなジョーはある日、足が不自由で病気がちなペテン師のラッツオ(D・ホフマン)と出会う。
次第にラッツオと友情を深めていくジョーは、ふたりで泥沼から這いあがろうとするが……。
大都会NY。この街では誰もが孤独を抱えている。



■感想
最初は変な映画だと思った。
テキサスの片田舎からカウボーイスタイルに身を固めニューヨークへ出てきたジョーはジゴロとして成功しようと目論んでいる男。言ってしまえはダメダメな男の典型です。
その上、人がいいんだか何だかで引っ掛けようとした女に逆にお金を巻き上げられるという始末。
加えて映画の所々でフラッシュバックされる彼の過去の映像(女性との濡れ場におばあちゃんが絡むという不思議なもの)には女性関係でトラウマを抱えているのではと思わせる怪しげな印象を受ける。
何ともおかしな主人公設定でしょう?
ちなみに映画タイトルを聞いて、「カーボーイ? ん?」と思った方。
これ、当時宣伝部長だった水野晴郎さんが都会的な雰囲気を演出したかったことから「Car=自動車=都会の象徴」と呼んだものがそのまま邦題となり残っているんだそうです。
また、この映画は当初は成人指定映画だったらしいのですが、アカデミー賞受賞後に成人指定は解除されたとか。
日本だと今でもPG12指定がつけられていますが、内容的にはもっと上の指定がされていてもおかしくない。
内容は決して過激ではないけれど題材がやはり子供には見せないほうが良いという堅苦しい意見を言っておく。
とはいっても、ストーリーはさすがの作品でアカデミー賞作品賞受賞も納得の優良作。
ニューヨークの片隅でどん底に近い状況の中、見果てぬ夢を追いながら必死に生き抜こうとする男二人の奇妙な友情物語には胸を打たれてしまいます。
ジョーとリコ。
二人は明日の希望を夢見る前向きな人間かというとたぶんそんなことはない。
荒んだ生活の中で身も心も多分に荒んでしまっている。
そんな日々の暮らしの中ではむしろ諦めに近い感情の方が多かったのではと思う。
それでも全てを捨てきることはできない。呆れめることはできない。
そんなどん底で足掻く人間の切ない思いが胸を激しく打ち付けてくる。
最初はリコに騙されたジョーは、リコのことを疎ましく思っていた。
しかし共同生活を続けていくうちに二人に奇妙な友情が生まれていく。
互いで互いをなぐさめあうなんてことは決して無いのだけれど、苦労を共にすることでお互いに心許せるものを感じ入るようになっていったのだろう。
冬のニューヨークで次第に体を壊しボロボロになってゆくリコが自虐的なセリフを言った時に「俺とこいつ(リコ)は一心同体だ」と言い切ったり、リコの夢を叶えるため必死にお金を掻き集めたり、自分の惨めな姿に落ち込むリコを冗談交じりの軽口で励ましたりと、ところどころでジョーの優しさが垣間見れ切なさと共にあたたかい気持ちにもなる。
映画ラストの舞台はフロリダ。外の明るい景色とは対照的に悲しく暗い結末が訪れる。
この見事なコントラストがあまりに切なくたまらない気持ちになってしまう。
脚本には派手さはなく明るくもないが、かなりしんみりと感動できる見事なヒューマンドラマとして仕立てられています。
ジョーとリコを演じているジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンの演技がホントに上手いです。
まさに映画の登場人物そのものという印象しかないぐらいのはまり役で自然です。
特にダスティン・ホフマン。前作『卒業』の育ちの良いうだつの上がらない青年とはまったくの別人を演じきっている。
その演技の幅の広さにはただただ驚かされるばかりです。
まさに名優と言えるのかもしれない。
切ないメインテーマや主題歌「Everybody's Talkin'」も映画の雰囲気にとても良くあった名曲でもの悲しい感動を盛り上げてくれています。
↓予告編(字幕なし)
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒真夜中のカーボーイ - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン主演によるアメリカン・ニューシネマの傑作。
大都会ニューヨークを舞台に奇妙な腐れ縁となった二人の男が富と名誉を得るためにもがく姿を描いたヒューマンドラマ。
アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞を受賞した名作です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
テキサスの片田舎からカウボーイの姿で大都会ニューヨークにやってきたジョー(J・ヴォイト)は、自身の美貌を利用して男娼をやり、それを足がかりに成功することを目論んでいた。
だが最初の客に騙され、一文無しとなってしまう。
そんなジョーはある日、足が不自由で病気がちなペテン師のラッツオ(D・ホフマン)と出会う。
次第にラッツオと友情を深めていくジョーは、ふたりで泥沼から這いあがろうとするが……。
大都会NY。この街では誰もが孤独を抱えている。



■感想
最初は変な映画だと思った。
テキサスの片田舎からカウボーイスタイルに身を固めニューヨークへ出てきたジョーはジゴロとして成功しようと目論んでいる男。言ってしまえはダメダメな男の典型です。
その上、人がいいんだか何だかで引っ掛けようとした女に逆にお金を巻き上げられるという始末。
加えて映画の所々でフラッシュバックされる彼の過去の映像(女性との濡れ場におばあちゃんが絡むという不思議なもの)には女性関係でトラウマを抱えているのではと思わせる怪しげな印象を受ける。
何ともおかしな主人公設定でしょう?
ちなみに映画タイトルを聞いて、「カーボーイ? ん?」と思った方。
これ、当時宣伝部長だった水野晴郎さんが都会的な雰囲気を演出したかったことから「Car=自動車=都会の象徴」と呼んだものがそのまま邦題となり残っているんだそうです。
また、この映画は当初は成人指定映画だったらしいのですが、アカデミー賞受賞後に成人指定は解除されたとか。
日本だと今でもPG12指定がつけられていますが、内容的にはもっと上の指定がされていてもおかしくない。
内容は決して過激ではないけれど題材がやはり子供には見せないほうが良いという堅苦しい意見を言っておく。
とはいっても、ストーリーはさすがの作品でアカデミー賞作品賞受賞も納得の優良作。
ニューヨークの片隅でどん底に近い状況の中、見果てぬ夢を追いながら必死に生き抜こうとする男二人の奇妙な友情物語には胸を打たれてしまいます。
ジョーとリコ。
二人は明日の希望を夢見る前向きな人間かというとたぶんそんなことはない。
荒んだ生活の中で身も心も多分に荒んでしまっている。
そんな日々の暮らしの中ではむしろ諦めに近い感情の方が多かったのではと思う。
それでも全てを捨てきることはできない。呆れめることはできない。
そんなどん底で足掻く人間の切ない思いが胸を激しく打ち付けてくる。
最初はリコに騙されたジョーは、リコのことを疎ましく思っていた。
しかし共同生活を続けていくうちに二人に奇妙な友情が生まれていく。
互いで互いをなぐさめあうなんてことは決して無いのだけれど、苦労を共にすることでお互いに心許せるものを感じ入るようになっていったのだろう。
冬のニューヨークで次第に体を壊しボロボロになってゆくリコが自虐的なセリフを言った時に「俺とこいつ(リコ)は一心同体だ」と言い切ったり、リコの夢を叶えるため必死にお金を掻き集めたり、自分の惨めな姿に落ち込むリコを冗談交じりの軽口で励ましたりと、ところどころでジョーの優しさが垣間見れ切なさと共にあたたかい気持ちにもなる。
映画ラストの舞台はフロリダ。外の明るい景色とは対照的に悲しく暗い結末が訪れる。
この見事なコントラストがあまりに切なくたまらない気持ちになってしまう。
脚本には派手さはなく明るくもないが、かなりしんみりと感動できる見事なヒューマンドラマとして仕立てられています。
ジョーとリコを演じているジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンの演技がホントに上手いです。
まさに映画の登場人物そのものという印象しかないぐらいのはまり役で自然です。
特にダスティン・ホフマン。前作『卒業』の育ちの良いうだつの上がらない青年とはまったくの別人を演じきっている。
その演技の幅の広さにはただただ驚かされるばかりです。
まさに名優と言えるのかもしれない。
切ないメインテーマや主題歌「Everybody's Talkin'」も映画の雰囲気にとても良くあった名曲でもの悲しい感動を盛り上げてくれています。
↓予告編(字幕なし)
映画データ | |
|---|---|
| 題名 | 真夜中のカーボーイ |
| 製作年/製作国 | 1969年/アメリカ |
| ジャンル | ドラマ/青春 |
| 監督 | ジョン・シュレシンジャー |
| 出演者 | ジョン・ヴォイト ダスティン・ホフマン シルヴィア・マイルズ ジョン・マッギーヴァー ブレンダ・ヴァッカロ ギル・ランキン バーナード・ヒューズ ルース・ホワイト ジェニファー・ソルト ゲイリー・オーウェンズ ジョーガン・ジョンソン アンソニー・ホランド ボブ・バラバン ポール・ベンジャミン、他 |
| メモ・特記 | PG12指定第2回午前十時の映画祭上映作品 原作:ジェームズ・レオ・ハーリヒー アカデミー賞:作品賞・監督賞・脚色賞受賞 ベルリン国際映画祭:国際カトリック映画事務局賞受賞 ゴールデン・グローブ:有望若手男優賞(J・ヴォイト)受賞 |
| おすすめ度 | ★★★★ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒真夜中のカーボーイ - goo 映画
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映画データ
PG12指定
原作:ジェームズ・レオ・ハーリヒー
アカデミー賞:作品賞・監督賞・脚色賞受賞










