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シャドウゲーム / 大沢在昌

2007-04-29 14:21:27 | 読書

今回の記事は大沢在昌さんの『シャドウゲーム』です。
追う者と追われる者という全く異なる立場の2人の視点で物語が進行する長篇サスペンス。
予想以上に面白かったです。


■内容紹介
しばらくはあの女を見ていよう。
やがて"あれ"がどうなったか、わかる時が来る。
それからあの女の運命を、自分が決める。
まだ、しばらくは――。

シンガーソングライターの堀河優美は、自動車会社に勤める恋人の吉川国夫を交通事故で失くした。
優美は抜け殻のようになり悲しみに暮れていた。
国夫の残した遺留品の中に一枚の楽譜があった。曲には詩はついていないが、タイトルだけは手書きで記されていた。
「SHADOW GAME」と。
悲しみの中、優美はこの曲の不思議な魅力に惹かれていく。そして、
――この曲を歌いたい。
優美はそう思うようになっていた。
この曲が歌えれば、失われていた音楽活動への情熱をまた取り戻せるかもしれない。

優美は「シャドウゲーム」の作曲者を探す決意を胸に名古屋へと向かった。
国夫が死の二日前に訪れ、楽譜を手に入れたであろう地へ。

さぁ、案内するんだ。
俺はこれからぴったりとお前に寄りそい、お前がどこへ行き、誰と何をするのかを見届けてやる。
お前は知らないかもしれないが、俺はお前のことは何でも知っている。
俺はお前に……。
伊神は遠くから優美をじっと見つめていた。
伊神の色白で整った顔立ちからは、ただ冷たい視線が放たれていた。


■感想
初めて読んだ作家さんなんですが、実はけっこうなベテラン作家さんなようで著作も多い。
(ブックレビューやっているのに、こんなんでいいんだろうか……)
ま、それはさておき、感想です。

優美と伊神という性格も立場も全く違う2人の視点で物語が進行していくという構成は面白かったです。
伊神は優美を知っているけど、優美は伊神のことを知らない。
いわば追う者と(自覚の無い)追われる者という関係です。
優美パートでは、優美の行動が描かれます。
最初、何も知らない優美ですが、名古屋にて協力者を得て少しずつ「シャドウゲーム」の真相に迫っていきます。
悲しい状況にありながらも明るく勤めようとし、また、困難な事が起きても決して人に頼りっきりではない。そんな芯の強さを持った優美が魅力的でした。

伊神パートではそんな優美の行動を見ての伊神の思惑、行動が描かれます。
伊神は冷徹な殺し屋といったような人物で、その心は歪んでいます。
だけれども、彼の持つ心の痛みというものも読んでいく内に徐々に伝わってきます。
この悲しい男もまた、魅力的でした。

伊神パートと優美パートとでは、まるで違った印象を受けます。
それがこの『シャドウゲーム』の醍醐味なのかもしれない。
1冊で2度おいしいとはこのことですね。
しかも、お互い相乗効果で面白さを高め合っています。
正直に言ってしまうと、「シャドウゲーム」の謎なんかよりも、優美と伊神の微妙な関係やその変化の方が、面白かったですし、気になりました。

大沢在昌さん、まだ1冊しか読んだことないですが、好きな作家さんになりそうな予感がします。



『シャドウゲーム』 / 大沢在昌 / 徳間文庫
ジャンル:小説(ミステリ/サスペンス)
メモ:角川文庫版もあり
おすすめ度★★★★

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