
今回の記事は『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011年、監督:ルパート・ワイアット)です。
SF映画の金字塔「猿の惑星」を基に、そのシリーズの起源となるエピソードが描かれたSF大作アクション。
とある生体実験によって脳が飛躍的に発達した一頭のチンパンジーが、やがて自我に目覚めて人類に反旗を翻すさまを、最新のVFX技術による迫力の映像で描き出す。
■内容紹介 ※goo映画より
アルツハイマーの薬を研究しているウィルは、チンパンジーに新薬を投与する。
目覚ましい知能の伸びを見せたメスのチンパンジーがいたが、彼女は暴れだし、射殺されてしまう。
妊娠していた彼女が産み落とした赤ん坊チンパンジーを育てていたウィルは、シーザーと名付けた彼に高い知能があることに気付く。
ある日、アルツハイマーを患うウィルの父親が隣人ともめているのを見たシーザーは、彼を守ろうと暴れ、霊長類保護施設に入れられてしまう。
失意は決意へ――。
これは人類への警鐘



■感想
第1作であるSF映画の金字塔『猿の惑星』を観ていることが前提条件となる映画だと思う。
もちろん絶対必須だというわけではないが、第1作を観て“あの衝撃”を体験してから、そこへと繋がる物語であることを知った上で本作を観た方が絶対に面白い。
映画の猿のアクションはとてもスピーディーであり、かつパワフルで迫力がある。
猿たちには可愛いと言うよりは怖い、そんな印象を抱きます。
映像は明るく、猿のVFXはリアルで迫力があるため大変見応えがあります。
しかしこの映画は何と言ってもシーザーです。
とにかくいろいろな表情を見せるシーザーが物語を引っ張っていく。
本作の主役はジェームズ・フランコ演じるウィルだけど、本当の主人公はシーザーだと言えるでしょう。
並外れた知能を持ち自我に目覚め感情が芽生えたシーザーは、ウィルとの間に家族のような絆を感じるようになっていきます。
当のウィルは父を思ってのことなのだけど、未承認の薬物を父親に投与したりとちょっと危険な印象も感じる人物。
けどウィルがとても優しい人物なのだということははっきり分かる。
だからシーザー、ウィル、ウィルの父親とウィルの恋人とがそろって暮らす日々は幸せそうで微笑ましかった。
けれどそんな日々は長くは続かなかった。
シーザーがウィルの父親を助けようと隣人に危害を加えてしまったことで、彼は類人猿保護施設へと入れられてしまう。
“家族”と引き離されてしまうのだ。
そこでの日々があまりにも酷い。
施設の人間は猿たちを見下し馬鹿にし虐待を加えていく。
そんな彼らよりもシーザーの方が実は知能が高いのだから皮肉なものだ。
ちなみにここでの嫌な人間の筆頭がハリポタシリーズのドラコ様、もといトム・フェルトンです。何故にこんな役を…。
施設で虐待されたシーザーは人間の優しさと残虐性という二つの側面を身をもって知った知性のある猿となっていく。
だから彼は人間を殺すことに躊躇いがあり、仲間たちが人間にとどめをさそうとするのを止めるシーンがいくつか描かれる。
シーザーに感情と表情を持たせたことはこの映画最大の切ないポイントだ。
苦悩の表情や屈辱の表情、予告編でもかなりの衝撃を与えてくる憂いを秘めた瞳などに思わずハッとさせられる。
そして何故だろうか、悲しいような寂しいような気持ちになってしまうのだ。
後半は知性を持った猿と人間との戦いが描かれています。
想像よりも遥かに知能が高い猿たちに翻弄され続ける人間。
彼らを獣だと見下して対峙している人間にはもともと勝ち目はないのだ。
ラストシーンもとても印象的でした。
シーザーとウィルとの間には消えない絆がある。しかし二人が同じ道を歩むことはもう無いのだ。
シーザーの意志を認め、尊重してあげるウィルはやはりとても優しい人間なのだ。
シーザーが最初に出会えた人間がウィルだったことは、シーザーの優しい自我を形成する上で大きな役割を果たしたのだと認識させられる。
二人のラストシーンはとても感動的でした。
おそらくシーザーたちの世代が人間を滅ぼしたわけではないのだ。
猿の知性は飛躍的に向上させるが人間には耐性のないウィルスが世界中へと散乱した結果の果てに数を減らし滅びの道を辿った人間に対し、逆に知性の高い猿たちは徐々に反映していき、第1作へと繋がっていったのだと思う。
この映画が本筋として描いているのは自我に目覚めたシーザーの苦悩と失意、怒りの感情、そしてウィルとの絆です。
そのメインストーリーの間にウィルと父親とのドラマも控えめな描き方ながら挿入されています。そのシーンが僕はけっこう好きです。
シーザーが失意を募らせていく原因となる身勝手で残虐な人間が多い一方で、こうした人間愛がさりげなく描かれているのは良かった。もし愚かな人間ばかりが強調され、だから人間は滅びゆくのだというラストだったらうんざりしてしまう。
結果的に悲しい結末となってしまっていますが、父親がウィルに対して「もういい」と静かに語りかけるシーンは寂しくも感動的なシーンでした。
このシーンが終わるといよいよシーザーたち猿と人間たちとの戦いが激化していき一気にシーンとしてのテンションが上がる。
映画としての脚本のバランスや展開のさせ方は大変に上手いと思う。エンタメ映画として作りに文句はいっさい感じません。
人間への警鐘を描いたストーリーが根幹となっているので身に沁みいる映画になっています。
↓予告編字幕なしオフィシャルHD版
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+公式HP(Japanese)
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SF映画の金字塔「猿の惑星」を基に、そのシリーズの起源となるエピソードが描かれたSF大作アクション。
とある生体実験によって脳が飛躍的に発達した一頭のチンパンジーが、やがて自我に目覚めて人類に反旗を翻すさまを、最新のVFX技術による迫力の映像で描き出す。
■内容紹介 ※goo映画より
アルツハイマーの薬を研究しているウィルは、チンパンジーに新薬を投与する。
目覚ましい知能の伸びを見せたメスのチンパンジーがいたが、彼女は暴れだし、射殺されてしまう。
妊娠していた彼女が産み落とした赤ん坊チンパンジーを育てていたウィルは、シーザーと名付けた彼に高い知能があることに気付く。
ある日、アルツハイマーを患うウィルの父親が隣人ともめているのを見たシーザーは、彼を守ろうと暴れ、霊長類保護施設に入れられてしまう。
失意は決意へ――。
これは人類への警鐘



■感想
第1作であるSF映画の金字塔『猿の惑星』を観ていることが前提条件となる映画だと思う。
もちろん絶対必須だというわけではないが、第1作を観て“あの衝撃”を体験してから、そこへと繋がる物語であることを知った上で本作を観た方が絶対に面白い。
映画の猿のアクションはとてもスピーディーであり、かつパワフルで迫力がある。
猿たちには可愛いと言うよりは怖い、そんな印象を抱きます。
映像は明るく、猿のVFXはリアルで迫力があるため大変見応えがあります。
しかしこの映画は何と言ってもシーザーです。
とにかくいろいろな表情を見せるシーザーが物語を引っ張っていく。
本作の主役はジェームズ・フランコ演じるウィルだけど、本当の主人公はシーザーだと言えるでしょう。
並外れた知能を持ち自我に目覚め感情が芽生えたシーザーは、ウィルとの間に家族のような絆を感じるようになっていきます。
当のウィルは父を思ってのことなのだけど、未承認の薬物を父親に投与したりとちょっと危険な印象も感じる人物。
けどウィルがとても優しい人物なのだということははっきり分かる。
だからシーザー、ウィル、ウィルの父親とウィルの恋人とがそろって暮らす日々は幸せそうで微笑ましかった。
けれどそんな日々は長くは続かなかった。
シーザーがウィルの父親を助けようと隣人に危害を加えてしまったことで、彼は類人猿保護施設へと入れられてしまう。
“家族”と引き離されてしまうのだ。
そこでの日々があまりにも酷い。
施設の人間は猿たちを見下し馬鹿にし虐待を加えていく。
そんな彼らよりもシーザーの方が実は知能が高いのだから皮肉なものだ。
ちなみにここでの嫌な人間の筆頭がハリポタシリーズのドラコ様、もといトム・フェルトンです。何故にこんな役を…。
施設で虐待されたシーザーは人間の優しさと残虐性という二つの側面を身をもって知った知性のある猿となっていく。
だから彼は人間を殺すことに躊躇いがあり、仲間たちが人間にとどめをさそうとするのを止めるシーンがいくつか描かれる。
シーザーに感情と表情を持たせたことはこの映画最大の切ないポイントだ。
苦悩の表情や屈辱の表情、予告編でもかなりの衝撃を与えてくる憂いを秘めた瞳などに思わずハッとさせられる。
そして何故だろうか、悲しいような寂しいような気持ちになってしまうのだ。
後半は知性を持った猿と人間との戦いが描かれています。
想像よりも遥かに知能が高い猿たちに翻弄され続ける人間。
彼らを獣だと見下して対峙している人間にはもともと勝ち目はないのだ。
ラストシーンもとても印象的でした。
シーザーとウィルとの間には消えない絆がある。しかし二人が同じ道を歩むことはもう無いのだ。
シーザーの意志を認め、尊重してあげるウィルはやはりとても優しい人間なのだ。
シーザーが最初に出会えた人間がウィルだったことは、シーザーの優しい自我を形成する上で大きな役割を果たしたのだと認識させられる。
二人のラストシーンはとても感動的でした。
おそらくシーザーたちの世代が人間を滅ぼしたわけではないのだ。
猿の知性は飛躍的に向上させるが人間には耐性のないウィルスが世界中へと散乱した結果の果てに数を減らし滅びの道を辿った人間に対し、逆に知性の高い猿たちは徐々に反映していき、第1作へと繋がっていったのだと思う。
この映画が本筋として描いているのは自我に目覚めたシーザーの苦悩と失意、怒りの感情、そしてウィルとの絆です。
そのメインストーリーの間にウィルと父親とのドラマも控えめな描き方ながら挿入されています。そのシーンが僕はけっこう好きです。
シーザーが失意を募らせていく原因となる身勝手で残虐な人間が多い一方で、こうした人間愛がさりげなく描かれているのは良かった。もし愚かな人間ばかりが強調され、だから人間は滅びゆくのだというラストだったらうんざりしてしまう。
結果的に悲しい結末となってしまっていますが、父親がウィルに対して「もういい」と静かに語りかけるシーンは寂しくも感動的なシーンでした。
このシーンが終わるといよいよシーザーたち猿と人間たちとの戦いが激化していき一気にシーンとしてのテンションが上がる。
映画としての脚本のバランスや展開のさせ方は大変に上手いと思う。エンタメ映画として作りに文句はいっさい感じません。
人間への警鐘を描いたストーリーが根幹となっているので身に沁みいる映画になっています。
↓予告編字幕なしオフィシャルHD版
映画データ | |
|---|---|
| 題名 | 猿の惑星:創世記(ジェネシス) |
| 製作年/製作国 | 2011年/アメリカ |
| ジャンル | SF/アクション/サスペンス |
| 監督 | ルパート・ワイアット |
| 出演者 | ジェームズ・フランコ フリーダ・ピント ジョン・リスゴー ブライアン・コックス トム・フェルトン アンディ・サーキス デヴィッド・オイェロウォ タイラー・ラビーン ジェイミー・ハリス デヴィッド・ヒューレット タイ・オルソン マディソン・ベル マケンナ・ジョイ カリン・コノヴァル テリー・ノタリー リチャード・ライディングス、他 |
| メモ・特記 | 旧「猿の惑星」へと続く映画 放送映画批評家協会賞:視覚効果賞受賞 |
| おすすめ度 | ★★★★ |
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放送映画批評家協会賞:視覚効果賞受賞 










