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さみしさの周波数 / 乙一

2006-11-28 01:35:10 | 読書
今回の記事は乙一さんの『さみしさの周波数』です。
4つ収録の短編はやはり切なくてたまらない(1作品はそれほどでもないが、とても好き)。
日常で感じる寂しさや不安、大切な人を想う気持ちが綴られ、どれも名作ばかり。
読むと優しい気持ちになれそうな気がします。


内容紹介
「未来予報 あした、晴れればいい。」
小学生の頃、未来を予報する友達が僕にはいた。
(絶対確実なわけではないのでそいつはそれを予報と言っていた。そもそもそいつの予報について僕はかなり疑わしく思っていたのだけれど……)
ある日、そいつが僕の未来を予報した。バカバカしい! と思いながらも僕はその予報を意識するようになっていた。
やがて僕は中学、高校へと進むが、やりたいことが見つからず、ただ何となく過ごす日々が続く。まわりのヤツは進学したり、結婚したり。だけど僕は何もしていない。
――僕だけが取り残されていく……。
そんな不安に押しつぶされそうな日も、あの日の予報はいつだって僕の頭の中にあった。

上記作品のほか、「手を握る泥棒の物語」「フィルムの中の少女」「失はれた物語」を収録。乙一さんの傑作短編集。


感想
今作に収録されている4作品はどれも毛色が微妙に違う。切ない系・ホラー系・少し可笑しい系、など多彩です。
だけど、全ての作品に寂しさ、そして大切な人を想う優しさといったものがこめられているように思いました。
それでは4作品、それぞれの感想を書いてきます。
カッコ内はネタバレ反転です。

■「未来予報~」
究極に切ない(両想いの)恋物語。
誰かを想うことに優しくなれそうな作品です。
自分だけが取り残されているんじゃないか、という不安。
そんな気持ちに襲われ、情けなくてたまらなくなってしまう時ってあるなぁ。
だけどこれを読むとそんな気持ちもちょっとは和らぐかもしれません。
後半の"彼女"と"清水"という2種類の呼び方をしているのは見事です。このおかげでより一層切なさが高まっています

■「手を握る泥棒の物語」
あとがきにて、乙一さん自身が気に入っているといっている作品。少し可笑しい作品です。
この泥棒さん、けっこうにマヌケです。壁一枚を挟んだやり取りは何だか少し微笑ましい。
だけど最後にちょっとした仕掛けもあり、読んでて楽しめる。読み終わりも好きです。

■「フィルムの中の少女」
ミステリ・サスペンスタッチのホラー。"彼女"が何だかとても可哀そうに感じてしまうんですが……。

■「失はれた物語」
この話も切ない。話の最後は予測ついちゃいましたが、乙一さんの書き方がとても上手いので最後まで読ませ、何だか余韻がとても残る話。これも人を想う優しさを描いた作品です。大切に想うからこそ勇気ある行動ができるのでしょうね。


読み終わると、ホントに優しい気持ちになれそうな話ばかりです。
何だか溜め息が出そうなほど繊細で、切なくて、読み終わった時の気持ちがたまらない。


『さみしさの周波数』
/ 乙一 / 角川スニーカー文庫
ジャンル:小説(さみしさ/切なさ/優しさ/恋愛)
メモ:ライトノベル、イラスト・羽住都
おすすめ度:★★★★
は最大で5つです)


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