(C)2008 Warner Bros. Entertainment Inc.
今回の記事は『ワールド・オブ・ライズ』(2008年、監督:リドリー・スコット)です。
緊迫したシーンが連続で最後まで目が離せないアクション・サスペンス。
騙しあいに次ぐ騙しあいはハラハラドキドキ。アクションも激しい。
そして何より、ディカプリオの演技が凄すぎる!
■内容紹介 ※goo映画より
ロジャー・フェリスはCIAで最高の腕を誇るスパイ。
世界中の戦場で常に死と隣り合わせの彼の任務を決めるのは、遠く離れた安全な場所で、時には子供の世話をしながら命令を下すベテラン局員エド・ホフマン。
彼らの目的は、地球規模の破壊を含む爆破テロ組織のリーダーを捕まえること。
正体不明のその男を罠にかけるには、味方すらも欺く完璧な嘘をつかなければならない。
世界を救うのは、いったい誰のどんな嘘なのか…?
[嘘]で世界を救え。
■感想
さーて、この記事が2008年映画レビューの締めの記事です。
2008年、最後に映画館で観た映画がこの映画で良かったなと思えるぐらい良質のサスペンス・ムービーでした。
映画の舞台は中東。
その中東の地で、実際にスパイ活動を行っているのがディカプリオ演じるCIAエージェントのフェリス。
一方、離れた地からフェリスに指示をするのがベテラン局員のエド(ラッセル・クロウ)。
現場の空気を肌で感じているフェリスは、エドからの指示を受けるだけではなく、自ら作戦を考え、行動を起こそうとします。
が、現場を知らないエドは机上の論理だけの作戦を強行し、フェリスの作戦を台無しにしてしまう。
エドは作戦をたて指示するだけであり、体を張るのも傷つくのもフェリスです。
優秀ではあるが現場を全く理解しようとしないエドに、フェリスはさぞかし不満を募らせていたことでしょう。
それでも目的の為に身を削り奮闘するフェリスには熱いものを感じます。
エドを演じるラッセルの演技は流石に巧い。
腹立だしい上司役を本当に見事に演じています。
しかし今回はディカプリオの演技の方がより鮮烈に熱く胸に残った。
エドとは対照的な役を身を張って演じています。
役柄的には『ディパーテッド』の組織に潜入する警官役と似ていますが、今回の役の方が格段に存在感が上がっています。
ディカプリオもこういったハードな役を見事にこなす素敵な役者になったなーとつくづく思います。
この映画で面白いなと感じたのは、対照的なものを見事に見せている点です。
一つは対照的な主演二人。
この二人、立場も性格もまったく対照的です。
映画後半でエドは
「中東なんてクソくらえだ」
と吐き捨てるのに対し、フェリスは
「そういう考え方自体が問題なんだ」
と言っている。
この辺りからも二人の考え方の違いや確執がよく分かり、深いなぁと思った。
そしてもう一点が、CIAとヨルダンの組織におけるスパイ活動の差異です。
CIAは街角の隅々にいたるまで鮮明に見ることのできるスパイ衛星などの最新の技術を駆使しているのに対し、ヨルダン側は原始的ともいえる手法を取っています。
この対比が、終盤のある作戦において大変巧く扱われています。
結果が決定的に違っているのです。
この辺り、ネタバレになるので詳しくは言いませんが、「巧い」としみじみ思ってしまう見事な対比だったと思います。
この映画はPG-12ということだけあって、残虐シーンがけっこうあるし、目も覆いたくなるほどのディカプリオに対する激しい拷問シーンがあります。
内容も難し目かもしれない。
けれどこの迫真のサスペンス映画はぜひ観てもらいたい。
オススメの映画です。
映画データ | |
---|---|
題名 | ワールド・オブ・ライズ |
製作年/製作国 | 2008年/アメリカ |
ジャンル | サスペンス/アクション |
監督 | リドリー・スコット |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ ラッセル・クロウ マーク・ストロング ゴルシフテ・ファラハニ オスカー・アイザック サイモン・マクバーニー アロン・アブトゥブール アリ・スリマン ヴィンス・コロシモ メーディ・ネブー マイケル・ガストン カイス・ネシフ、他 |
メモ・特記 | PG-12指定 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒ワールド・オブ・ライズ - goo 映画
■TrackBack Center(他の人の感想を見たい人はココで)
+⇒「ワールド・オブ・ライズ」レビュー :映画レビュー トラックバックセンター
←ランキング参加中。よろしかったらクリックお願いします。