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悪人(映画)

2010-11-14 17:31:00 | 映画
今回の記事は『悪人』(2010年、監督:李相日)。
芥川賞作家・吉田修一のベストセラー小説を映画化したヒューマン・ミステリー・ドラマ。
主演は妻夫木聡と深津絵里。
人が持つ愛情と寂しさを描いたドラマは秀逸で、最後には胸を刺されたような痛みが残りました。

■内容紹介 ※goo映画より
長崎在住の清水祐一は、博多で働く石橋佳乃と待ち合わせをしていた。
しかし、待ち合わせ場所で佳乃は他の男の車に乗って行ってしまった。
佳乃を追いかけた祐一は、福岡県の三瀬峠で彼女を殺してしまう。
その後、長崎でいつも通りの日常を送っていた祐一は、以前出会い系サイトでメールをやりとりしていた馬込光代という女性と会うことに。
ホテルでお互いを求めあった後で、祐一は光代に佳乃を殺したことを告白するのだが…。

なぜ、殺したのか。
なぜ、愛したのか。

ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。誰が本当の“悪人”なのか?


悪人

悪人


■感想
最近の邦画は良い作品が本当に増えたと思う。
殊にベストセラー小説の映画化が成功している。
パレード』も『ゴールデンスランバー』も『告白』も面白かった。
今年観た国内ベストセラー小説の映画化で満足しなかった映画は今のところ1本もない。

『悪人』はベストセラー作家、吉田修一の小説の映画化です。
吉田修一さん原作の映画では今年観た『パレード』の衝撃が今でも忘れられない。
だから『悪人』にもかなりの期待を抱いていました。
過度な期待を持って映画を観ると大抵は「イマイチ…」って結果になることが多いのですが、『悪人』は期待を裏切らない出来を誇っていたと思います。
映画の脚本も出演陣の演技もどれも良かった。
『パレード』ほどの衝撃度は無かったけれど、胸を刺すような痛みを感じる物語は僕の好みにも合っていた。

「今の世の中、大切な者がおらん人間が多すぎる。自分には大切なものがいないと強がっている」

これは被害者・佳乃の父(柄本明)の台詞なのですが、この言葉、胸に響いたな。
自分がどうなろうが、何をしようが、悲しむ人なんていない。
そんな思いで満たされることだって時々ある。
けれどそんな思いは誤解なのだ。
そこから派生する悲しみの大きさを知っておくべきだろう。
自分のとった行動でどれだけあなたを思う人を傷つけるのかを。

この映画でも祐一の犯した罪により、彼を想う人たちを深く傷つけている。
その描写は淡々としながらもリアルで強く心に訴えかけてきます。
そして胸を刺されたような痛みが残る。

出演陣の演技も自然体でとてもリアルだった。
妻夫木聡、深津絵里の感情の吐露や、樹木希林、柄本明ら家族の悲しみが激しく胸に突き刺さり、思わず涙ぐんでしまう。

中でも妻夫木聡の演技は特筆だった。
彼が演じた孤独な青年・祐一の姿が激しく心を揺さぶってくる。
主人公の祐一ははっきり言ってダメな男です。
しかし彼の性根は優しく、ただ感情表現が不器用な男なだけとも言える。
だから彼のことをきっと嫌いにはなれない。

映画のタイトルが示す“悪人”とは祐一のことを指しているのだろう。
彼だけが唯一、法で罰せられる決定的な罪を犯すのだから。
けれど映画には祐一以外にも“悪人”たちが出てきて、かつ彼らは罰せられず苦しみもしない。
彼らの方がよっぽどえげつなく根性悪な人たちなのに。
その反面、祐一はとことん苦しむ。
そんな祐一に次第に同情心が湧いてしまう。
だから映画最後の光代(深津絵里)のトドメの台詞はあまりにも憐れに感じてしまう。
けれど人のこういう冷めた感情って確実にあるんだよな。
だから彼女を責めることはできない。

映画の演出も巧い。
柄本明が雨の中の事件現場で娘と会うシーンの演出は巧かった。
このシーン、予告編ではまだ観たくなかったな。
予告編は良いシーンを細切れで出し過ぎです…。

映画『悪人』。
派手さは無いけれど、秀逸な映画であることは間違いありません。
興味が沸いた方はぜひご覧になってみて下さい。
「映画はちょっと」って方でも原作小説を読んでみるのは悪くないかも。

映画データ 
題名 悪人 
製作年/製作国 2010年/日本 
ジャンル ミステリー/ドラマ 
監督 李相日 
出演者 妻夫木聡
深津絵里
岡田将生
満島ひかり
塩見三省
池内万作
光石研
余貴美子
井川比佐志
松尾スズキ
山田キヌヲ
韓英恵
中村絢香
宮崎美子
永山絢斗
樹木希林
柄本明、他 
メモ・特記 PG12指定
原作:吉田修一 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒悪人 - goo 映画

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李相日監督 「悪人」 (映画と読書とタバコは止めないぞ!と思ってましたが…死にそうになったので禁煙か?)
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