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鍵泥棒のメソッド(映画)

2012-10-21 19:50:00 | 映画
今回の記事は『鍵泥棒のメソッド』(2012年、監督:内田けんじ)です。
堺雅人、香川照之、広末涼子を主演の痛快コメディ・サスペンス。ひょんなことから人生が入れ替わってしまった対照的な2人の男と婚活中の女性が巻き起こす奇想天外な物語の行方を巧みな構成と軽妙なタッチで描く。
痛快で巧みな物語が絶賛され、各国映画祭から引く手あまたの話題の邦画です。

■内容紹介 ※goo映画より
貧乏役者の桜井は自殺を考えたが失敗し、銭湯に行き、羽振りのよさそうな男が転倒し頭を強打し気絶するのを目撃。そのどさくさに紛れて、鍵を自分のものと取り換え、彼になりすます事にする。がしかし、その男は伝説の殺し屋、コンドウだった。
桜井は彼をコンドウだと思い込んでいるチンピラに殺しの大金の絡んだ危ない仕事を受けるハメに…。
一方、婚活中の香苗は記憶喪失で途方に暮れているコンドウに出会い好意を抱くが…。

入れ替わった人生、大金の行方、そして結婚――
その先にはなんと、史上最高に爽快でトキメくラストが待っている!?


鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド


■感想
内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』、各国映画祭で高い評価を受けてますね。
上海国際映画祭で邦画では初となる脚本賞を受賞し、トロント映画祭でも会場を沸かせる高評価、最近だとハワイ国際映画祭のコンペティション部門で作品賞(最高賞)受賞という快挙を成し遂げました。
この後も各国映画祭への出展が数多く決定しており、まさに引く手あまたの状態。さらなる快挙が生まれるかもしれないので注目は大です。

内田けんじ監督の映画というと『アフタースクール』を観たことあるのですが、とにかく脚本の練り方と個性的な人物が生み出す意外性のある展開が面白かった印象があります。
『鍵泥棒のメソッド』もそんな監督ならではの技巧が発揮されたミステリ喜劇の傑作でした。
そのストーリーは間違いなく面白い。

また今作は主役3人の個性的なキャラクターが最高に面白かった。
堺雅人さん演じる売れない役者・桜井に、香川照之さん演じる記憶喪失の謎の殺し屋コンドウ。
二人共個性的な演技で見る人を魅了する技巧派俳優です。どこか粘着質で底が知れない人物を演じさせたらこの二人の右に出る人は日本には多分いないと思う。
二人が底の見えない人物を演じても、その演技から受ける印象は正反対なので、『鍵泥棒のメソッド』でもお互いに引き立っています。
また今作では、キレ者の印象のある堺さんがどこか冴えない青年を、悪役の印象のある香川さんが几帳面で人の良い殺し屋を演じていることで、何だかいつもとは違うギャップを感じ惹きつけられます。
そこに広末涼子さん演じる生真面目な女性編集者(これまたちょっと変なキャラ)が加わってることでより面白さが増しています。これは面白い。しかも3人ともとても愛すべき人物で好感を感じる。

この個性豊かな3人が人格豹変することなく意外性のある終盤の展開へと上手く繋がれていく。
よく衝撃のラストを謳った作品には「お前に何があった?」と言いたくなるほど人格が変わる人物がいたりするけど、内田けんじ作品にはそれがない。
今作だと記憶が戻る前後でコンドウの立ち位置が若干変わりはしますが、基本的には人物のキャラ設定が最初から最後まで一貫されています。
だからか、気持ちのよい騙され方だったという印象を内田けんじ作品からは受けるのだと思います。
(今作は騙されたとは言わないのかもしれないですが……)。

前半に描かれるちょっとしたシーンに至るまで後半にしっかり伏線として活きている。
(例えば桜井が昔の写真を車から泣きながら放り捨てるシーンとか)
余計なシーンなんて一切加えない計算され尽くした脚本なんだなぁとつくづく感心してしまう。

世界から高評価の巧みなコメディ・サスペンス。興味のある方はぜひご覧になって観ていて下さい。

なおエンドロール後(と言うかエンドロール中)にもう1エピソード入っていますのでぜひ最後まで観て下さい。
あの警報音?はちょっと漫画チックかなーとも思います。

かなり個人的な感想になりますが、作中に意外と胸に痛かったセリフがあった。
コンドウが数ページしか読まれていない演劇の本を見て桜井に言った言葉
「本を買っただけで満足する一番ダメなタイプの人間だろ」
というセリフ。(セリフはうろ覚え)
自分にもこういうところがあるのでこのセリフは刺さったな。
ちょっと大変だと思うと途中で投げたり、始めることすら躊躇する甘ったれた性根はホント直したい。

■登場人物ちょいメモ
桜井武史(堺雅人)
…売れない役者。根性もない。記憶を無くしたコンドウと入れ替わり人生が一変する。
かなり実直な性格であり、お金を手に入れたらまず借りてた人たちに返しに行ったり、物語終盤においては思い切った行動を見せて絶句と爆笑 感動を誘う。個人的には彼の自殺の理由にとても切ない感動を覚えてしまった。

コンドウ/山崎(香川照之)
…謎の殺し屋。几帳面で計算高く慎重にして大胆なやり手。仕事を終えた帰りに寄った銭湯で転倒し記憶を失い、入院している間に桜井の一計で立場を入れ替えられてしまう。
記憶を失っている間の良い人っぷりにはかっこ悪いけど惚れる。記憶を取り戻した後の意外性もナンバーワンでしょう。

水嶋香苗(広末涼子)
…結婚相手が決まっていないのに結婚を宣言する女性編集長。かなり真面目な女性でどんなことでも淡々とこなす。が、婚カツはどこかズレた性格が災いして手こずる。
コンドウとは似たもの同士で良いカップルだと思います。

工藤(荒川良々)
…コンドウに殺しを依頼していた男。修羅場を数多く経験した男らしく危険な印象と凄みがある。桜井をコンドウと勘違いして更なる殺しを依頼する。
「ライアーゲーム」シリーズの西田(アホ)の印象があるため、そのギャップにちょっとクスクス感が…。

井上綾子(森口瑤子)
…工藤がコンドウに殺しを依頼した社長の愛人。社長から大金を受け取っているらしく、工藤からコンドウと勘違いされた桜井が、金の在り処を聞き出し殺害するよう依頼される。どうする、桜井?
実は作中で一番裏表のあった人物かもしれない。

水嶋徳治(小野武彦)
…香苗の父親。重病を患い入院中。真面目だが不器用なところが多すぎる娘・香苗のことを心配している良いお父さん。

理香(内田慈)
…桜井の学生時代の恋人。桜井はかつて一緒に住んでいたことがある。
金を手に入れた桜井がお金を返しに行った時に、結婚が決まり引っ越すことを告げられる。

あと、個人的に注目だったのが、役名は無いようですが、柊瑠美さんが香苗の部下の編集部員として出演していたこと。あの『千と千尋の神隠し』の千尋の声を演じてた子です。
ちなみに彼女、『踊る大捜査線 THE FINAL』とTV版スペシャルの「THE LAST TV」にも出演していたみたいですね。そっちは全然気付かなかった。

■予告編


映画データ 
題名 鍵泥棒のメソッド 
製作年/製作国 2012年/日本 
ジャンル コメディ/ミステリー/サスペンス 
監督 内田けんじ 
出演者 堺雅人
香川照之
広末涼子
荒川良々
森口瑤子
小山田サユリ
木野花
小野武彦
内田慈
大谷亮介
李千鶴
柊瑠美、他 
メモ・特記 脚本:内田けんじ

上海国際映画祭:脚本賞受賞
ハワイ国際映画祭:コンペティション部門作品賞受賞 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒鍵泥棒のメソッド - goo 映画

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