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悪の教典(映画)

2013-01-31 01:00:00 | 映画
今回の記事は『悪の教典』(2012年、監督:三池崇史)です。
貴志祐介のベストセラー小説を伊藤英明主演で実写映画化した戦慄のバイオレンス・エンタテインメント。
共演は二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、山田孝之、浅香航大、水野絵梨奈ほか。若手実力派俳優が多数出演。
後半のバイオレンスシーンは2012年度邦画では最強最悪の残虐度を誇る問題作!

■内容紹介 ※goo映画より
晨光〈しんこう〉学院高校2年4組担任の英語教師・蓮実聖司〈はすみ・せいじ〉は、爽やかな風貌と明るい雰囲気で生徒や同僚教師から深い信頼を得ている。集団カンニングの防止やモンスターペアレントの対応などにも積極的に取り組んでいた。
物理教師の釣井はそんな蓮実の動向を怪しみ、彼の過去を調べ始めていた。
同じ頃、生徒の早水圭介〈はやみ・けいすけ〉も蓮実に疑いを抱く。
実は蓮実が過去に勤務していた学校では、集団自殺事件が発生していたのだ。事件に蓮実が関係しているのか…?

まるで出席をとるみたいに、
先生はみんなをし続けたんだ。


悪の教典

悪の教典

悪の教典


■感想
2012年度ブログdeビュー大賞特別枠受賞作品。

原作付きの映画を原作を読んだことある状態で鑑賞しました。原作がある映画の場合、だいたいは未読の状態で観ることが多かったのでこれはけっこう珍しい。

純粋に思ったことは、やはり分厚い上下巻の小説を2時間の映画にまとめるのは至難の業なんだなーということ。
映画は概ね原作通りの展開を辿りますが、エピソードカット、登場人物カット(本来別の人物の役割が主要登場人物の役割に吸収されていたりする)がけっこうあった。

これを受け、恩恵を受けたのが、柴原と釣井教諭の二人で、原作だとこの二人は最低の教師なのですが、映画ではそこまで嫌悪感を受ける役柄ではなくなっている。
柴原は演じているのが山田孝之さんなのでまあ、どんな役を演じてもそこまで最低な印象は受けなさそうですが。
釣井教諭に関してはラスボス感が薄れてしまったのが少し物足りないかな。

反面、かなり可哀想だったのが、真田先生、園田教諭あたりでしょう。
原作だと園田教諭はかなり蓮実を追い詰めるほどの大役を担っているのに、映画版だと登場しすらしない。哀れだ。

そしてこれは当たり前だけど、原作における過激な性描写はまるまるカット。まあ原作の蓮実と美彌の絡みをそのまま映像化は不可能ですよね。そんなことをしたら完全にR18映画になってしまう。

R15+という強めのレイティングがついているだけあり、後半の殺戮描写は相当に過激に徹底的に描かれている。ここまで思い切って一夜の皆殺し描写を描いた邦画ってないのでは?
(なんてことを書くと、『バトルロワイアル』があるじゃんという意見が出てきそうですが、あれは一夜の出来事じゃないから。
『悪の教典』が情に訴えることもなく観客を釘付けするエンタメ映画として成功しているのは、前半と後半のギャップと、見せ場の残虐シーンを終盤に集約させていればこそだと思う)

蓮実を演じた伊藤英明さんが大変に良かった。
本当に良い人そうに見えた人が徹底的な殺戮を行うというギャップにクラクラしてしまう。浮かべる無邪気な笑顔がぞっとしてしまう。
伊藤さんには善人な役のイメージしかないから、この作品で演じる蓮実の役は本当に衝撃的。そして意外なほどにはまり役。

早水圭介を演じた染谷将太も良い感じ。どこか捻くれた頭の切れる生意気生徒を上手く演じています。
二階堂ふみはじゃっかん変な娘の方が似合うかもしれない。真面目でしっかり者の優等生を演じていますが割と普通だったかも知れない。
ちなみに染谷将太と二階堂ふみの『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭で新人賞を受賞した栄えある二人が何気なく共演している点にも注目。

原作でも印象的に感じたモリタートなど音楽要素は、映画化にあたりシーンの音楽として聴けるようになったので、シーン毎の盛り上がり方はある意味で原作越え。活字で読むのと実際に音楽で聞けるのとではやっぱり違う。
しかも映画だとモリタートとジャック・ザ・ナイフの2曲をシーン毎にアレンジして聴かせており、音楽の使い方も上手い。

蓮実を表す言葉として、原作を読んでいた時点では哲学的ゾンビが取りざたされていたけど(著者の貴志祐介さんは哲学的ゾンビ説は否定してたっけ)、最近だとこの手の危険な人はサイコパスと呼ばれるのがはやりなんだなぁーとか思った。

最後に少し気になったのが、この映画のラストがTo be continuedとして終わるところ。
え? 続き作られるの? 原作は完結してるのに?

原作でのお気に入りの言葉、蓮実が呟くポイント・オブ・ノーリターン(引き返し不能点)が映画中では出て来なかったのが少し残念。
あのほんの少しの迷いがあるからこそ、蓮実にわずかにも救いを見い出せるのに。

どう考えても2時間の映画に詰め込むのは無理があるのだけど、原作で唯一蓮実が痛みを感じた殺人や、怜花と雄一郎の機転、美彌の結末とか、完全にカットされていたり、かなりあっさり描かれてたりするので、映画を観てモヤっとした方は原作読んでみるのも良いかも。ただし原作も映画も後味はよろしくないのでご注意を。

■登場人物ちょいメモ
蓮実聖司(伊藤英明)
…晨光学院高校英語教師。2年4組の担任。
生徒たちからはハスミンの愛称で呼ばれ親しまれており、同僚の教師たちからの信頼も厚く、何一つ欠点がないような先生。
……だと思われているが、その本性は…。
全裸ケンスイとか、質素だとは思っていたけどあそこまでボロいのかい!という住まい。原作では分かり得なかったことが色々と分かるのは楽しい。

片桐怜花(二階堂ふみ)
…2年4組の生徒。非情に鋭い直感を持っており、知らず知らずのうちに他者の悪意、危険度を感じ取ることができる…という能力も、映画でははっきりとは描かれていない。
1年の時クラスが一緒だった圭介と雄一郎とは仲が良く、頭が切れるが故に危険な行動に走りがちな圭介のことを心配している。

早水圭介(染谷将太)
…2年1組の生徒。怜花と雄一郎とは仲が良い。
頭が良く何事に対しても斜に構え、教師に対しては反抗的な態度を取るちょっと捻くれた生徒。誰からも信頼の厚い蓮実に対して、ある疑念を抱いてゆく。

夏越雄一郎(浅香航大)
…2年4組の生徒。怜花と雄一郎とは仲が良く、よく一緒にいる。
温和で素直な性格の生徒で、問題を起こすこともなくあまり目立つタイプではない。しかし意外にも冷静な判断力を持ち、適応能力に優れるという一面を持つ。

前島雅彦(林遣都)
…2年4組の生徒。美術部所属。内気な性格で物静か。美術的な才能に優れている。
美術部顧問の久米教諭とはただならぬ関係を持っている。

安原美彌(水野絵梨奈)
…2年4組の生徒。気が強く意外としっかりした所もある女子。大人に対しては不信感が強いが蓮実には心酔している。
原作では蓮実が選んだ美貌の女子の一人。
実は映画では彼女の最終部分に大きすぎるカットがある。気になる方は原作を読んでみることを薦める。

蓼沼将大(KENTA)
…2年4組の生徒。2年を取り仕切っている不良だが、意外と繊細な一面も持つ。
映画ではかなり角が丸くなっており、ラストもあれじゃ可哀想だろというほどあんまりなものに変えられている悲運の生徒。

渡会健吾(尾関陸)
…2年4組の生徒。東大に行くことを目指している秀才。頭は良いが自分本位な一面が目立つ。
本性を表した蓮実を前に唯一その知力で対抗しうる頼もしい存在としてみんなに期待されるが、蓮実のギャグにより哀れなことに。

柴原(山田孝之)
…晨光学院高校体育教師。原作では生徒に手を出し、あげく切り捨て、蓮実を前に怯え切ってしまうヘタレっぷりを見せる最低の教師も、映画ではなぜか少しかっこ良い。これぞ、山田孝之効果だ。

久米(平岳大)
…晨光学院高校美術教師。神経質な性格で同性愛的な性癖を持つ。前島に対する想いは本気である。
映画では原作で持ってたイメージとはだいぶ違うと感じたひとり。眼鏡をかけた白髪長髪の紳士っぽい人だと思っていたよ。

釣井(吹越満)
…晨光学院物理教師。実は原作とは教科が違う。その為、原作におけるある教師の役柄を担い、その登場を葬る。
蓮実とは違う雰囲気を持った危険な教師なのだが、映画を観てそれを感じ取った人っているのだろうか? というぐらいダークな部分がカットされている。

■予告編

画質は良いが少しおかしな所で切れています。何で予告の音楽にモリタート使わないんだろうね。

映画データ 
題名 悪の教典 
製作年/製作国 2012年/日本 
ジャンル サスペンス/ホラー/学園 
監督 三池崇史 
出演者 伊藤英明
二階堂ふみ
染谷将太
林遣都
浅香航大
水野絵梨奈
KENTA
山田孝之
平岳大
吹越満
横山涼
尾関陸
小島藤子
林さくら
神崎れな
夏居瑠奈
秋月成美
藤井武美
菅野莉央
宇治清高、他 
メモ・特記 R15+指定
原作:貴志祐介 
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒悪の教典 - goo 映画

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