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パンズ・ラビリンス(映画)

2007-11-25 22:40:46 | 映画
(C)2006 ESTUDIOS PICASSO,TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMOJ


今回の記事は『パンズ・ラビリンス』(2006年、監督:ギレルモ・デル・トロ)です。
残酷な現実世界と魔法の国の試練という非現実的な世界が交差する演出は巧みとしか言えない。
美しくも切ないダークファンタジーです。
テーマも深くとても秀逸な映画ですが、けっこうなグロさです。


■内容紹介
1944年のスペイン。内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。
内戦で父を亡くした少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にこの山奥へとやって来る。
この地でゲリラの鎮圧にあたるビダル将軍と母が再婚をし、ビダル将軍が息子は父親の元で生まれるべきだと、母を呼び寄せたからである。
ビダル将軍はオフェリアにとって義父に当たる。しかし、冷酷で残忍な義父にオフェリアは恐怖を感じていた。
不安な気持ちでいっぱいのオフェリアに、館の使用人として働いているメルセデスは優しく接してくれる。オフェリアは義父を憎む一方で、メルセデスにだけは気を許していく。

その夜、オフェリアの前に昆虫の姿をした不思議な妖精が現れる。妖精はオフェリアを森の奥の迷宮へと導いていく。そこでオフェリアはパン<牧神>と出会った。
パンは、オフェリアこそが地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えることができれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げる。
オフェリアはその言葉を信じて、与えられた3つの試練に立ち向かう決意を固めるのだった。
しかし、残酷な現実は彼女を絶望へと追いやっていく……。
――この世界では誰も救われない。

だから少女は幻想の国で、
永遠の幸せを探した。



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■感想
※カッコ内の空白はネタバレ反転です。今回は結末に対する考察なのでネタバレ度・大です。構わない人だけ反転してください。

この映画はかなり深いテーマを扱っているとても秀逸な映画です。
ジャンルはファンタジーという部類に入りますが、頭にはダークという言葉が付きます。
描かれているのはとても残酷な世界です。
ファンタジーですが、映画の内容から子供にはあまりオススメはできません。PG-12だしね。
また、ファンタジー世界の登場人物たちがけっこうグロイので、そういうのが苦手な人は注意が必要です。
それ以上に注意が必要なのが、現実世界のグロ描写。裂けた口を縫ったりとか、思わず目を背けたくなるシーンもあります。

悲運の主人公・オフェリアですが、この子、子供なんですが、とても大人びた印象を受けます。
彼女の悲しげな大人びた表情がとにかく印象的でした。
そしてとっても度胸がある子。
子供だったら泣き叫びそうな外見のパンを見ても平然としているし、大量の虫、グロテスクなカエルもなんのそのです。感心してしまいます。
しかし、気丈でたくましいのは非現実的なファンタジーサイドの世界でだけ。
現実世界での彼女は弱々しくも、心優しい少女で、子供らしい一面を見ることができます。
この「現実的世界」と「非現実的世界」の対比がすごく上手くてすっかり映画に引き込まれてしまいます。

グロテスクな造詣や世界観は気持ち悪いけれど、けっこう好きです。
オフェリアがとある物を取りに行く第二の試練。このシーン、恐ぇー!
下手したらウケ狙いな怪物の外見ですが、最後のシーンは心臓ドキドキしっ放しでした。
そして残酷すぎるぞ、ちょっと…。

ラストシーンはとらえ方によって2通りのとらえ方ができると思う。
1つは(3つの試練をやり遂げたオフェリアは、現実世界では死んでしまうが、その魂は魔法の国へと帰っていったという、いわゆるハッピーエンド)。
そしてもう1つが(彼女が最後に見た魔法の国は彼女が思い描いた空想であり、オフェリアの死で映画が終わるというバッドエンド)です。
ただこの映画で描いていた結末は後者であるように僕は思う。

オフェリアが対面する現実世界の舞台は1944年のスペイン。そこには内戦という背景があります。
人々は憎しみあい、争い、殺しあっている。救いのない残酷な現実がただ広がっている。
そんな中、パンから聞かされた魔法の国は争いも憎しみもない世界だという。
彼女がどんな思いで魔法の国へと行く為の試練に挑んでいたのか、そしてどうして魔法の国がそんな世界であったのかということを考えると胸が切なくなる。


映画データ
題名パンズ・ラビリンス
製作年/製作国2006年/メキシコ=スペイン=アメリカ
ジャンルダークファンタジー/ドラマ/ホラー/シリアス
監督ギレルモ・デル・トロ
出演者イバナ・バケロ
アリアドナ・ヒル
セルジ・ロペス
マリベル・ベルドゥ
ダグ・ジョーンズ
アレックス・アングロ
エウセビオ・ラサロ
パコ・ビダル
フェデリコ・ルッピ、他
メモ・特記PG-12
・2006年度アカデミー賞
撮影賞・美術賞・メイクアップ賞受賞
・2006年度米国批評家協会賞受賞
他、数々の映画賞を受賞しています
おすすめ度★★★★☆
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese/English)
+⇒パンズ・ラビリンス - goo 映画

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