日本刀の周辺

日本刀に関連した事物についての随想

本物の「武士の魂」とは

2017年04月19日 | 日本刀

 近年では無鑑査クラスの刀鍛冶に新作刀を注文するのは欧米人の方が多いと聞く。日本人ではなく欧米人が日本刀の歴史を継承しつつある訳だ。
 無鑑査クラスの新作刀だと3~400万円以上。自分の年収に相当するという日本人も多いのかもしれない。だからと言って数打ち刀や居合刀や軍刀を買っては絶対にダメだ。人間としての魂の問題だからだ。
 一流刀匠の新作刀はいつの時代でも現代の金額にして3~400万円以上だった。例えば明治6年のウィーン万博に出品された日本刀は、石堂是一・金30両、固山宗次・金27両、栗原信秀・金38両で、現代の金額にして3~400万円である(『栗原信秀の研究』日刀保新潟支部P.13)。しかしその値段では刀鍛冶の収入は殆どない。
 日本刀の価値を解する者が、日本刀を作れる者に新作刀を依頼する。その費用が一般大衆の年収程度。
 文化の創造と継承の費用としては驚くほど安い。
 作者と注文者が同じ価値観を共有していなければ成立しない需給関係だ。
 その暗黙の価値観こそが、いわゆる「武士の魂」なのである。



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