LET IT BE ...

山崎まさよしの音楽をBGMに歩む『LET IT BE ライフ』の足跡。

アンダルシアに憧れて ( FROM COVER ALL HO ! )

2007-12-02 22:55:38 | 山崎まさよし

このテイクは、山崎ファンじゃない人が偶然聞いても、みんながびっくりする名作です。『アンダルシアに憧れて』。
※ライブネタバレありますので、ご注意を!

この曲は、PE’Zさんとのコラボレーションで、まさよしさんも 『PE’Zさんとのコラボですが、バンドがめちゃくちゃしっかりしてるので、それに乗っかるだけでした』と語られてたぐらいに、製作に関する部分は、ごちゃごちゃ書くより、『PE’ZX山崎まさよし』と一言で表せば十分でしょう。トランペットがドラマティックな感じを助長してすっごい迫力!それにまたまさよしさんの声が怖いぐらいにはまってるんですよね。♪第3倉庫に八時半~のとことか、ただ『八時半』って歌ってるだけやのに、それがもうめちゃくちゃ格好いいですし、サビの♪誰か彼女に伝えてくれよ~ から、そこで待ってろよ~ 部分なんて、まさよしさんの歌クセの“半音♯”が目立つんですが、またそれが上手い具合に功を奏して、緊迫感というか臨場感みたいなのをあおってるですよ!そして、PE’Zの間奏のサックス&ウッドベース→トランペット→ピアノにドラム絡みと流れもめちゃくちゃ格好よくて、聞き終わったら、毎回、『はぁ』って感嘆の溜息が出るほどです。(まさよしさんのギターは、クアンカアレグレのようです)

原曲は、言うまでもなく、マッチと真島昌利が歌われてます。結構ヒットしたので、この曲はみなさんご存知かと思いますが、じっくり原曲を聞かれたことってありますか?このまさよしさんのテイクに押されて、このレベルの迫力とスピード感があったと思ってたんですが、全然違うってご存知ですか。まずマッチバージョンは、前半はいわゆる“語り調”なんですよ。中盤からテンポが上がるんですが、どう聞いても、♪ハイティーンブギ...って歌ってるようにしか聞えない...(ごめんなさい!悪口じゃないですよ。マッチは私が子供時のアイドルなんで、そのイメージが強いという意味です)。真島さんバージョンは、序盤からアップテンポで、ストリングスがスパイスとなって、格好いいアレンジですが、声質が細いんで、まさよしさんVer.とは全く雰囲気が異なります。

実は私はこの曲が好きではなかったんです。私は 『GOD FATHER』が
大好きで、アル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネにメロメロだった頃もありましたが、この曲には何の親近感も感じられず、ヒットしていた時、何がいいんだかよくわからずにいました。ですが、今回のこのテイクを最初に聞いた時は、演奏とまさよしさんのボーカルの大迫力っぷりに圧倒され、この曲の歌詞など全く入ってきませんでしたが、2回、5回、10回と数を聞くうちに、まるで映画を見ているように映像がばっちり浮かんできて、心に響いてくるようになりました。響くだけじゃなくて、ボルサリーノの無念な気持ちが乗り移ってきて、泣きそうになる時があるぐらい。それぐらいに、繰り返しになりますが、このPE’Zの大迫力の演奏と山崎まさよしのボーカルが、あまりにもドラマティックなんですよ!!

でもね。まさよしさんがおっしゃるように、“PE’Zに乗っかった”から、これがすっごいいいカバーになったかと言うと、それだけではないのが、山崎まさよしの奥の深いところなのであります。(と思っています。) 論より証拠に、今回のツアーでこの曲をやられてますが、3ピースであの迫力!!あの格好良さですよ!!この作品をアルバムで聞くにつれ、トランペットもピアノもないのに、3人でこの迫力をどう聞かせてくれるんだろうと、まずは1番にそれを思いました。しかし、見くびってはいけないんですよ、この恐るべき3ピースを。今回のライブで、この曲の前は、『SWEET MEMORIES』。それも、まさよしさんご自身のコーラスに合わせて、アカペラで歌うという意外な演出!それにうわ~って思ってたら、容赦なく、この曲に変わっていくんです。それも、PE’Zのアレンジとは異なり、ゲンタサンのドラムは“スカ”っぽくて、それにまさよしさんのテレキャスの音と、そしてキタローさんの流れるようなベースが重なり、そりゃもう、3人でやってるなんて思えない迫力。間奏のホーンの部分は、ブルースハープでしたが、それがまた、はまってるんですよ!!そして、ゲンタサンは手を緩める事なく、最後までずっと暴走状態!!もう本当に格好いいなんてもんじゃなくて、手拍子なんて全くできず、多分、口を開けたまま、圧倒されて聞いてたと思います。本当にこれは、今回のライブの目玉の1曲ですよね!!思い出すだけで鳥肌が立ちます...。

で、最後に。これは私が思うことですが、『クライマックス』というオムニバスアルバム、ご存知ですか?確か、”9:45頃に流れてくるバラード”みたいなキャッチコピーがついて、CMが流れてたように思うんですが、ヒットしているJ-POPの多くは、“クライマックス”に似合うような曲なんじゃないかなぁと思うんです。ドラマや映画のクライマックスシーンの情景や感情を歌詞にしたようなロマンティックな曲...。でも、でも山崎まさよしという人の書く曲は、これに該当する曲ってすごく少ないと思うんですよね。どっちかというと、映画の序盤のような何気ない日常を描写したり、その中で感じたナチュラルな気持ちを静かに表現したり...そんな歌詞が多いですよね。なので、一般的なパターンとは違って、結論やエンディングとリンクしないような曲が多いと前から思っています。これがまた山崎まさよしの醍醐味なんですが、この曲は、序盤からラストまで、ものすごいドラマ仕立てになっていますよね。そういう意味で、まさよしさんがこういう風に、起承転結の全てが歌詞に含まれているような曲を歌い上げるって、オリジナルではほとんどないと思うんで、すっごく貴重なんじゃないかとヒシヒシ思っています。

あーだこーだと色々理由付けしてますが、純粋に単純に、とにかく、すっごく格好いい!!それに尽きるのですが...。

12/8 ADDED...
公式ブログによりますと、このすごいテイク、勢いに任せて3時間で完成したそうです!すごいですよね。たった3時間でこの完成度。恐れ入りました。
で…。上記に“ボルサリーノ”を人だと思って私がコメントをさせてもらっておりますが、ボルサリーノは、帽子の事でした!詳しくはこちらを