世の光の時間です。いかがお過ごしですか? 原田憲夫です。
私たちの人生には、降ってわいたような局面がやってくる事があります。
先日、私の所に奇妙な男女が訪ねてきました。聞けば3年前に離婚したということでした。無理もありません。夫が一度ならず二度までも薬物に手を出し、刑務所に入ったとのことです。元妻は、夫が目の前で捕まり、裏切られた怒りからしばらく呆然自失の状態で、そして憎み、別れたというものでした。
それなのにどうして今頃二人で訪ねてきたのでしょうか。まあそれが男女の不思議ということなんでしょうが、元夫は仮出所して、今は社会に復帰しつつあり、それを元妻が助けている。別れたけれども子どものためにも、もう一度やり直したい。そう考えて、それで相談に来たという訳です。
人が誰かを憎む場合、いきなりそうなったというのではなく、それまでに幾度も我慢がならないという場面が繰り返されているものです。それが積もり積もって、ある時に爆発する。そして裏切られた思いが強ければ強いほど憎しみは大きくなるものです。けれども憎しみには終りがありません。憎しみは憎しみを増幅させ、決して人を幸せにはしません。
旧約聖書、箴言(しんげん)10章12節には、こうあります。
「憎しみは争いをひき起こし、愛はすべてのそむきの罪をおおう。」
ただ私たちの人間の愛は、何かの拍子に、また憎しみに変わるものです。聖書が言っている「すべてのそむきの罪をおおう」愛というのは、イエス・キリストの愛です。十字架の愛です。キリストは人の憎しみ、妬(ねた)み、それらをみんな十字架の上に引き受け、罵(のの)しられても罵り返さず、全部飲み込んでしまわれたのです。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分で分からないのです。」(ルカの福音書23章34節)と祈られました。
もしもあなたが今日、誰かに憎しみを抱いているのなら、キリストのもとに行き、すべての誤ちを覆う大きな愛を心に受けようではありませんか。
( PBA制作「世の光」2008.4.26放送でのお話しより )
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