♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して72年、
PBA『世の光』を文字で 

■再出発

2004年11月23日 | Weblog
 世の光の時間です。お元気でお過ごしでしょうか。関根弘興(ひろおき)です。今日もさわやかに一日を過ごしていきたいですね。

 あなたの尊敬する人はいったい誰でしょうか。例えばあなたが誰かを尊敬しているとしましょう。でもその尊敬している人が非難されたり、否定されたりすると、あなたはおもしろくなくなってきますよね。腹立たしくなると思いますし、また、不安にもなることでしょう。なぜかというと、尊敬する人によって自分の人生が支えられているとか、助けられているって感じているからなんです。ですからその尊敬している人が非難されたり否定されると、その支えが揺らいで自分が倒れてしまう意識を持ってしまうんですねえ。そこでこう不安になる訳です。

 またこんなこともあります。たとえばずっと尊敬してきた人がとんでもない態度や行動をとった時はどうでしょう。やはり今までの支えが揺らいでしまって裏切られた気持ちになったり、怒りと憎しみのエネルギーに変わってしまう、そんな事もあります。

 実は非常に密接な関係を保っていればいるほど、自分の意に反した事を見たり聞いたりすると、つまずいたり、失望の度合いが大きくなる訳です。まあでもこうしたことは、だれもが生活の中で味わったことがあるでしょう。

 聖書に登場する大変有名な人物に、アブラハムという人がいます。大変尊敬された人物の一人です。でもこの尊敬を裏切るような事がありました。彼がエジプトに行って、自分の奥さんを妹と偽り、自分の身の安全だけを考えて行動していったんです。ま、嘘の方便という事もできたかもしれません。しかし少なくても一緒に行動した甥のロトという人にとっては、今までの伯父さんへの尊敬を失わさせるのに十分だったかもしれません。しかしもちろんそのロトも、目先の事しか考えない行動をとる人物だったんですけどね。

 そんなアブラハムの再出発は容易ではなかったはずです。時間をかけて立ち直った自分を見せるしかありません。不信の根を持たれると、それはなかなか取り戻す事は容易ではありません。

 アブラハムはどうしたでしょう。聖書は、「アブラハムはヘブロンのマムレに住んだ。」と記しているんですねえ。実はこれはとても象徴的な意味があります。ヘブロンとは、「親密な交わり」という意味がある言葉。そしてマムレとは「強い」という意味があるんですね。神様との親しい交わりがある場所はマムレ、強いのだという訳です。

 アブラハムにとっての人生の再出発は、いろんな事がありました。しかし、神様を信頼し、心から崇め、祈り、委ねていく、このことにほんとの強さがあるという事を彼は人生の再出発で知っていくんですねえ。そしてこれは、あなたの人生にもあてはまることなんです。

   ( PBA制作 ラジオ「世の光」 2004.11.23の放送より )

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