健保組合、財政悪化進む 25年までに4分の1解散も

健保組合、財政悪化進む 25年までに4分の1解散も 2017年7月15日 日経有料記事
 2025年までに大企業の健康保険組合の4分の1は財政悪化で解散の危機に追い込まれる――。健康保険組合連合会(健保連)がまとめたこんな内部試算が明らかになった。高齢者向け医療費を補填するための「支援金」が急増するのが主因だ。保険料率が加速度的に上昇していく恐れが高く、高齢者の負担適正化やムダ排除など医療費抑制の議論が避けて通れない。
 東北地方のある企業は高齢者医療向け支援金の割り当て増で保険料率が中小企業が主に加入する協会けんぽを上回る10%超まで上昇。「健保組合を維持する意味が無い」。これ以上の支援金負担増には耐えられないと判断し、組合を解散して協会けんぽに加入した。
 大企業の健保組合は約1400あり加入者は約2900万人。保険料は企業と従業員が原則、折半している。現役加入者への医療費だけでなく、65歳以上の高齢者医療費にも多額の保険料を「仕送り」する仕組みが財政をむしばんでいる。健保連によると17年度は全組合の7割で収支が赤字の見通しで、赤字額は合計3000億円超に達する見込みだ。
 健保連が内々にまとめた試算では、25年度に協会けんぽの保険料率以上となる組合は380と全体の4分の1に上る。同料率は協会けんぽが赤字にならないように設定する「収支均衡保険料率」と呼ぶもので、このラインを越えた健保組合は協会けんぽに移ったほうが料率が下がるため、解散の引き金になりやすい。
 試算では、25年度には現役世代向けの支出(給付費)が4兆4200億円と15年度と比べて17%増える一方、支援金の伸びはさらに大きく39%に達する。実額では支援金は4兆5400億円まで膨らみ、この段階で組合員向けの医療費を「仕送り」分が逆転する。
 加入者の負担は増加の一途だ。保険料率は15年度の平均9%から25年度に同11.8%に急上昇する見通し。健保組合では実際の年収ではなく、国が定めた「標準報酬」という収入額に料率をかけて保険料をはじき出す。年収600万円のモデルケースの場合、保険料の自己負担分だけでもこの間におよそ8万1千円増えることになる。
 医療費の約6割は65歳以上の高齢者が使う。推計では医療費が25年度にかけ年3.7%ずつ増えると仮定。ここ数年の傾向からすると高めの数字だが、伸び率を3.2%とした中位推計でも25年度には支援金が医療費を逆転する。
 支援金の計算方法は「総報酬割」という仕組みに今年度から全面的に切り替わった。加入者の人数に応じて計算していたが、新方式では算定の基準が「収入」に変わり、収入の高い加入者が多い大企業へのしわ寄せが強まった。
 すでに出光興産の健保組合が今春に13年ぶりに保険料を引き上げるなど、料率を低めに据え置いてきた組合も軒並み料率を引き上げている。
 協会けんぽには15年度で約1兆3千億円の国庫補助が投入されている。仮に380組合が解散して協会けんぽに合流してくると国の財政負担も1800億円増える計算だ。


 政府管掌健康保険から協会けんぽに移行したのが2008年で、その後都道府県の医療財政状況に応じて、都道府県単位で保険料率を変動させられることになり、
平成29年3月分(4月納付分)からの一般保険料率は9.69~10.47%。
 高い所では佐賀の10.47%を筆頭に香川が10.24%、長崎が10.22%と続き、大阪より南は鳥取と宮崎を除いて10%以上。
 一方、割安な所は新潟が9.69%、長野が9.76% と、率にしてどの県に住むかで実は保険料率は既に0.78%もの格差があり、一概に10%を超えたからといって直ちに健保組合を解散する動機にはつながらないとは思いますが、健保組合離れの動きが続いていて25年までに4分の1の組合が解散に追い込まれる可能性があると聞かされると時代の流れとはいえやはりショックを受けますね。

 かっては健保組合は一種の福利厚生と捉えられていて、単一組合では保険料も折半ではなく事業主が多く負担(90年代には事業主側が3分の2近く負担して個人負担2%台の健保組合もあったように記憶しています)していて、例えば月の負担が1~2万円を超えた分を本人に返す高額療養費を上回る制度さえ設けていた組合も少なくなかったのですが、高齢者医療費の負担は国保だけでなく、協会けんぽや健保組合にもボディブローのようにじわじわときいてきていて負担も重くしていることも改めて示しつけたように思います。






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