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ボーイングのストの影響で大手部品会社が業績下方修正、ストは最低でも1ヶ月は続く???

2008-09-11 15:36:43 | Weblog
米航空部品大手、ボーイングのスト響き減産 2008年9月9日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080909AT2M0900D09092008.html
 米航空部品メーカーの間で、米ボーイングの労働組合によるストライキの影響が出始めた。大手部品メーカーのスピリット・エアロシステムズは8日、ボーイングの工場停止に伴い減産体制に入ると同時に、通期の業績見通しを修正すると発表した。今後、米国内外の企業に影響が広がる可能性がある。
 航空機の胴体部分などを手掛けるスピリット社は、2007年通期の売上高が約39億ドル(約4200億円)で、このうち約9割をボーイング向けが占める。6日にボーイングの最大労組、国際機械工労組(IAM)がストに突入し、減産を余儀なくされた。
 既に公表済みの08年の業績見通しも撤回。今後、ストがどれだけ続くかを見極めながら、影響分を下方修正するという。

ボーイングのストで「787」納入遅れ懸念 日航社長 2008年9月10日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080909AT1D0908A09092008.html
 日本航空の西松遥社長は9日に記者会見し、米ボーイングで起きたストライキについて「過去の例では(スト期間が)数カ月に及んだことがあり心配している」と述べ、同社が開発中の新中型旅客機「787ドリームライナー」の納入が遅れるなど機材調達に影響が出ることへの懸念を示した。
 日航はボーイングに対し「787」を予約権を含めて55機発注しており、2009年秋から納入が始まる予定。低燃費の新機種への切り替えでコスト削減を見込むが、ストが長期化した場合、計画見直しを迫られる可能性がある。
 また西松社長は、トラブルが多発しているボンバルディア機を集中して点検・管理する専門チームを9月上旬に立ち上げたことも明らかにした。組織横断で約20人の人材を投入し「最終的にはボンバル社へ(問題点や改善方法を)提言できるようにする」としている。

ボーイング、「787」の納入さらに延期 日本の航空会社にも影響 2008年9月11日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080911AT2M1100I11092008.html
 米ボーイングの新中型旅客機「787」の航空会社への納入がさらに遅れる見通しとなった。同社のジェームズ・ベル最高財務責任者(CFO)は10日、最大労組によるストライキが1カ月以上に及ぶとの見通しを示し「その分、787の納入がずれ込む」と述べた。同機はすでに3度、納入時期を延期しており、日本の航空会社にも影響が広がりそうだ。
 ベルCFOは投資家向けの講演会で「(ストが)1カ月で収まればまだいい方だ」と述べ、長期化するとの見通しを示唆。「1日長引けばその分、787の納入が遅れる」と語った。
 当初は今年5月を予定していた全日本空輸への1号機納入は、2009年7―9月に延期されている。同CFOは「10年以降にずれ込む可能性は」との質問に対し、「現段階では何とも言えない」と答え、可能性を否定しなかった。



 ボーイングの一部労組によるストライキ突入ですが、『取引先や納入先に多大な影響を出す』という一番恐れていた事態になってしまいました。
 まず、大手部品メーカーで、売り上げの9割をボーイング向けに頼るスピリット・エアロシステムズが、ボーイングの工場停止に伴い減産体制に入ると同時に、通期の業績見通しを修正すると発表。
 そして、日航の社長が懸念する発言を行った翌日には、当のボーイングのベルCFOも「(ストが)1カ月で収まればまだいい方だ」と述べ、ストが長期化することを認める発言を行うなど、全く収拾がつかない状況となっているようです。

 う~ん。品物が品物だけに、他の業種のように、同業他社に代わりに作ってもらうというわけにもいきませんが、あまりストライキが長期化すれば、エアバスなどのライバル企業に売り上げが流れるだけでしょうし、労組側もいろいろと不満がある(経営側は3年間で11%の賃上げや年金額の積み上げを打ち出したものの、労組のIAM側は13%以上の賃上げを要求したそうです)とは思いますが、第三者的な視点で見れば、もう少し空気を読んでもらいたいところ。
 別にストライキの権利を制限しろとまでは言いませんが、現代では、大手の会社がストライキを行えば、子会社や取引先、納品先に津波のようにその影響が及んでいくことにはもっと配慮して欲しかったと思いますし、あまり労組側がごねるようだと、失速しかねているアメリカ経済を更に悪化させる可能性すらあるのではないかと思います。


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