知っていて御得!常陸の国気象・地震見聞録

茨城県の気象・地震に関する記事を紹介!
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15日、関東地方南部で猛烈な雨!地表気流収束+中層上昇流+上空寒気=猛烈な雨

2016-07-17 01:52:49 | 日記
①7月15日12時の天気図 気象庁HPより引用



7月15日は、昼前から昼過ぎにかけて、関東南部中心に雷雲が発達して、千葉県北西部や神奈川県東部横浜市周辺では、ところによっては1時間に80㍉~100㍉もの猛烈な雨を観測し、
浸水被害など発生してしまいました。


今回の大雨の際に、地表から中層(上空3000㍍付近)では、際立った現象が発生しているんです。

それは、

②7月15日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速データ 気象庁HPより引用



引用図②より、関東地方周辺では、上空1000㍍付近では、水戸で北東風、静岡で西より風となっており、関東地方南部で気流の収束がある様子がわかります。

さらに、

③7月15日9時の日本付近水蒸気画像図 気象庁HPより引用


水蒸気画像図上には、関東地方は、寒冷低気圧に伴う白色画像にかかり、この状態、上空3000㍍付近では上昇流域の場となっています。


④関東地方周辺アメダス風向風速分布図とレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
ⅰ:風向風速は7月15日10時 レーダーアメダス解析雨量図は7月15日11時 ※11時頃 千葉県市原市周辺で1時間100㍉の降水を観測



ⅱ:風向風速は7月15日12時 レーダーアメダス解析雨量図は7月15日13時 13時頃、横浜で1時間81㍉の降水を観測



ⅰ、ⅱとも、猛烈な降水を観測した地域周辺で 観測時刻直前に、東海上からの北東風と、関東平野内陸部の北寄り風とが収束しており、
当該収束箇所で降水域が非常に発達している様子がわかります。


まさに、地表気流収束+中層上昇流+上空寒気=猛烈な雨 の関係が成り立ちますよね!


茨城県内では、今回の様な事例の際に 千葉県内で西〜南西風が入っている場合 関東東海上からの北東風と、関東平野内陸部の気流とが収束しやすく、強い雨に見舞われやすいですから、
得に注意が必要です!!




夏季、北から張り出す高気圧に注意!高気圧前側で南下する前線は強雷を伴うもの! 4日の事例より

2016-07-06 02:05:53 | 日記
①7月4日12時の天気図 気象庁HPより引用


②7月4日18時の天気図 気象庁HPより引用


関東以西中心に厳しい暑さ続いていましたが、4日、北海道の北にある高気圧が次第に本州付近に張り出してきて、高気圧の張り出し前側にある梅雨前線は、本州中部で次第に南下しました。
こうなりますと、南下する前線の南側は太平洋高気圧の圏内で暖湿流が流れ込み、北から高気圧が張り出すということは、寒気が流れ込んで着るということですから、当該前線は、例外なく活動が活発で、通過時には強雷や強雨などの 激しい気象現象を伴うものです。

③全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
ⅰ:7月4日12時


ⅱ:7月4日18時


引用図③ⅰ,ⅱより、梅雨前線の伴う降水域は、概ね2本の帯状に本州上の広範囲に分布しています。
前線に伴う降水域は、寒気と暖気の勢力下を比較して、勢力の強い側に、通常2本から3本程度の帯状の鋼水域を連なるものです。
そして、これら帯状の降水域内で、特に強まった降水域が散在しますが、これは、地表から下層での気流の収束箇所(海陸風などの収束といった地形的特性に起因するもの)で、とりわけ、降水域の強度が強められ、さらに、この、地形的特性による下層から地表の気流の収束に起因する、強まった降水域は、それ自体が連なる帯状降水域の移動方向とともに2〜3時間程度は移動する特性がありますから、当該、強まった降水域の移動には十分気を付ける必要があります。


茨城県内では、前記した帯状降水域が、南西〜北東方向に連なり、帯状降水域の南側で南〜南西風が強く、北側で北東〜北寄り風が卓越する場の場合、帯状降水域が、南西〜北東方向に連なる場合、県内の下層から地表付近に気流の収束が発生して、高水域が強まり、強雨を引き起こしますから、この点、留意してください!