教育評論家 親野智可等の
「子どもにひと言 ママクイズ」13
Q
ケーキのつまみ食いを発見。
次男に聞くと、
「僕だけじゃないよ。お兄ちゃんも食べたよ」
と答えました。
こんなとき、子どもに何と言いますか?
下のA・B・Cの声かけの中で、あなたが選ぶとしたら……
A
「人のせいにしないで
ちゃんと謝りなさい!」
B
「お兄ちゃんにも後で聞きます。
人のせいにしないで、ちゃんと謝りなさい!」
C
「お兄ちゃんにも後で聞きます。
言いたいことがあったら言って」
【クイズの答え】
Aを選んだあなたは……
「決めつけタイプ」
食べた理由も聞かず、頭ごなしに謝りなさいと言うのは×。
子どもが「僕だけじゃないよ。お兄ちゃんも食べたよ」と言ったのは、
人のせいにしているのではなく、叱るなら公平に叱ってほしいという意味なのです。
Bを選んだあなたは……
「公平しつけタイプ」
「お兄ちゃんにも後で聞きます」と言い、公平に扱うことを伝えるのはいいのですが、
その後、子どもの言い分も聞かずに謝りなさいと言うのは△。
なぜ食べてしまったのか、理由を聞いて。
Cを選んだあなたは……
「受容&共感タイプ」
「お兄ちゃんにも後で聞きます」と公平に扱うことで安心感を持たせ、さらに子どもの言い分を聞いてあげるのは○。
言いたいことを吐き出して心がスッキリすると、素直に謝ることができるようになります。
イラスト/コダイラヒロミ
「人のせい」ではなく、子どもは「公平性」を求めているのです
●教育評論家 親野智可等からママへアドバイス
「いけないことをしたら、素直に謝れる子にしたい」と思うのが親心ですね。
ですので、今回のクイズのケースのように「僕だけじゃないよ。お兄ちゃんも食べたよ」という発言を聞けば、自分の非を認めずに人のせいにしているのではないか、とさらに怒りがこみ上げてくるものです。
だから、「人のせいにしないで謝りなさい!」と頭ごなしに叱ってしまいがちです。
しかし、その場面だけを見て謝りなさいと言われてしまうと、子どもは、吐き出せないものが残ります。
ここで、子どもの立場に立って考えてみましょう。
もしかして、お兄ちゃんに一緒に食べようと言われたから食べたのかもしれませんし、おなかが空いていたからケーキを食べたのかもしれませんね。
「ごめんなさい」とその場で謝っただけでは、「僕だけ叱られた……」と不満が残り、お母さんが自分の言い分を聞いてくれないとわかれば、かえって嘘をつくようになってしまう可能性もあります。
子どもは人のせいにしているのではなく、「公平に叱ってもらえないのではないか。自分だけが損をするではないか」という不安があるから、このような発言をするのです。
ですので、なぜそれをしたのか理由を聞かなければいけません。
ここでは「お兄ちゃんにも後で聞きます」と公平にすることで安心感を持たせ、さらに「言いたいことがあったら言って」と声をかけ、受容と共感で子どもの心を開かせましょう。
自分の言い分を言えれば、子どもの心がスッキリします。
もちろん、素直に「ごめんなさい」と言える子もいれば、すぐに言えない子もいます。
言えない子であっても、言い分を聞いた後に「これから気をつけて」と伝え、
「じゃあ最後に言うことはない?」と聞けば、「ごめんなさい」と素直に言えるでしょう。
●親野智可等 「子どもにひとこと ママクイズ」
第12回 公園で落ち葉を拾った子どもに何と声かけをする?
第11回 子どもが描いた絵を見たとき、何と言いますか?
第10回 歯みがき」をていねいにできるようにするには?
第9回 子どもが楽しく「ひらがな」を覚えられる方法は?
第8回 自分からあいさつできない子どもに、何と言う?
第7回 子どもに交通事故の危険を伝えるには、何と言う?
第6回 子どもが習い事を「やめたい」と言ったらどうする?
第5回 子どもにオモチャをおねだりされたとき、何と言う?
第4回 子どもが兄弟ゲンカを始めたとき、何と言う?
第3回 なかなか宿題に取りかからない子どもに何と言う?
第2回 忙しくて子どもの話を聞けないとき、何と言うべき?
第1回 乱暴な言葉づかいをするわが子に何と言ったら良い?
MENU
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます