文と不呂愚、私とPogosyan

異形の蒐集
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心が死んでも

2009年04月01日 22時00分40秒 | Weblog
同業者が書いているブログをよく読むのですが、とてもよい文章を書く人がいます。

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このあいだ、エンジニアやってたときのお客に会ったんだ。その日は偶然あたしの誕生日でね。正直、エンジニア時代を思い出させる人に会うのは辛かったよ。でも、彼はお酒を飲みながらこう言ったんだ。

 「今でも時々思い出すんだよね。うちのシステム作るときの話だけどさ、あんなに一生懸命仕事をしたことは、あとにも先にもないよなぁって。あのころ僕とXさんとで毎日、夜中までがんばって作ったシステム、運用もやっと軌道に乗って、みんな使ってくれてるよ」

 泣きそうになったよ。あたしの心は死んじまっても、あたしのシステムは生きてる。どこかで誰かとともに生きてるんだって。


 あたしの人生の夏の日々。太陽の温かさに優しさを感じたり、じりじりと灼かれて痛い目に遭ったりしながら、全力疾走で駆け抜けた季節。もしかしたら、その間に誰かをなぎ倒したことがあったかもしれない。傷つけたことがあったかもしれない。それでもずっと走り続けた。そして気が付けば、全力疾走していたはずの足は突然もつれ、何度も転び、血を流し、そして立ち上がれなくなった。

 でも、もう一度、あの夏の日々の中に身を置きたくなるんだ。また血を流すことになっても、時間を巻き戻して、眩しい日差しの中へ走り出したくなるんだ。

 ねぇ、いつかはあんたもエンジニアを辞める日がくる。それは定年退職の日かもしれない。そうじゃないかもしれない。

 その日が来たときに、「あぁ、こんなクソみたいな仕事、二度としたかねぇ」って思わないように、仕事をして欲しいんだよ。

 「エターナル・サンシャイン」って映画があるだろう? 別れた恋人の記憶をすべて消してしまうお話さ。あたしもエンジニア時代の記憶はすべて消してしまいたかった。なかったことにしてしまいたかった。でもその中には、宝石のようなビー玉がいっぱいあったんだ。

 あたしはもうここには戻って来られない。だから、少しだけ言い残しておきたいんだ。

 エンジニアって仕事は、新しいものを取り入れて、いつも変わっていかなきゃならない。技術の新陳代謝も激しいから、昨日までメインストリームだった技術が、明日には陳腐化していることも珍しいことじゃない。心が休まる暇もないよね。その中でがんばっていくのは大変なことだよ。

 でも、お客さんが何を求めているのかを考え、どうやったら役に立てるか悩み、何もないところからシステムを生み出していく。そしてそれが誰かに使われ、世の中が少しだけ便利になる。小さくても、世の中を変えていくことができる仕事なんだ。

 エンジニアは生きがいにできる仕事だよ。


「デスマーチで嫁(い)き遅れました」ブログより
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/engineerx/2009/03/post-e547.html


人生、とも言い換えられるナァ。

いつかはここで得たものをまったく違う分野で使いたい。
その方が面白いんじゃないかなあと思う。

しかし、今自分が作っているものはよっぽどのことがない限り、客の会社が潰れない限りどこかで存在し続ける。この世に未練のあるものとしてそれは嬉しいことかもしれない。


こんなブログも。
ノリでマラソンに申し込んで苦労した人のブログ。

マラソンを仕事のプロジェクトと比較してるところが面白い。

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●【折り返し地点】

・マラソン

 まだ余裕。目標タイム達成のため、このあたりから調子にのって少しスピードを出し始める。

・プロジェクト

 オンスケジュール。仕様も固まり、あとは淡々と進めていくだけ。スケジュールに余裕があり油断し始める。

●【20キロ~25キロ】

・マラソン

 どっと疲れる。折り返しからのスピードアップがあだとなり、スローダウン。気力も萎え始める。

・プロジェクト

 問題が発生し、少し焦り始める。やばい雰囲気がただよう。余裕を持たず最初から引き締めていればと後悔。

●【25キロ~28キロ】

・マラソン

 もう無理。足が痛くてまったく動かない。苦悶の表情。

・プロジェクト

 メンバーがピリピリし始める。休日出勤し始める。メンバーから脱落者発生。

●【28キロ~29キロ】

・マラソン

 なぜ申し込んだのか後悔し始める。そして「二度と走るか!」という思いだけが強くなる。今すぐにでも棄権したくなる。苦しい表情すらできなくなり、終始無表情。

・プロジェクト

 最初からやりたくなかったと、他人への責任転嫁を考え始める。このプロジェクトにアサインした上司を恨み、「二度とやるか!」と思う。プロジェクトメンバーに精気がなくなる。

●【残り100m】

・マラソン

 異常に長い。歩く歩道を逆走しているかのようにゴールが遠い。意識が朦朧としてくる。

・プロジェクト

 徹夜と休出で曜日感覚なし。一生やり続けるような妄想を頭の中に思い描く。逃げ出したくなる。

●【ゴール】

・マラソン

 何より、もう足を動かさなくて良いんだということに喜ぶ。ゴールした瞬間の記憶はない。

・プロジェクト

 終了してもまったく実感がない。淡々と時間だけが流れていく。

●【その後】

・マラソン

 完走の景品を受け取り、足を引きずりながら歩く。ゴールから30分後。ふと頭をよぎるのは「来年も走ろうかな」という思いだった。「二度と走るか!」と思ってから30分。なぜかまた走ろうという気になってくる。

・プロジェクト

 久しぶりの休日ではじめて終わったと実感する。そしてまたやっても良いかなと考えてしまう。

「結婚は人生の墓場となり得るのか?」ブログより
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/horisusumu/2009/03/post-1079.html
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