三無主義

 ~ディスパレートな日々~

映画「The Purge: Election Year」(邦題「パージ:大統領令」)

2017年05月06日 | 映画・舞台・コンサート

 映画「The Purge: Election Year」(邦題「パージ:大統領令」)を観た。
http://purge-movie.com/

 トランプ大統領の出現前に製作された映画シリーズだが、不寛容な方向に向かいつつある人類を予言するかのような作品である。
 どの国の政権も様々な政策を実施するが、大方の政策は民衆に注目されることはない。マスコミが騒ぎ立てた政策だけが、時には世論を二分するほどの論争になることがある。そういう政策そのものについては、良し悪しを考える人もいれば、まったく考えない人もいる。 しかし、その政策が実施されたら自分は得をするのか損をするのかについては、考えない人はいないだろう。
 日本でもすでに成立した秘密保護法やこれから成立する共謀罪などの法案について、自分にとって得か損かを判断基準にする人が多いに違いない。そのとき、いわゆる正常性バイアスが働いて、自分は大丈夫、言論の自由を制限されたり逮捕されたりすることはないと思う人が多ければ、どれだけ知識人や戦前を知る高齢者が警鐘を鳴らしたところで、これらの法案は簡単に成立してしまうだろう。
 そして既にそうなりつつある。 大戦時の日本やヒトラーを持ち出すまでもなく、民衆は論理的な思考よりも自分の感情と目先の利益を常に優先する。

 この映画はありそうもない法案が現実となったときに人々がどのように振る舞うか、その狂気と正気を描いた作品である。 狂気の法律が招くのは狂気の世の中だ。そしてその陰には、必ず陰謀がある。 トランプ大統領の出現よりも随分前に第一作目が作られたのは、関係者の慧眼と先見性を示している。
 作品の大部分を占める、狂気と化した夜の町は尋常な怖さではない。途中で何度か飛び上がりそうになったほどだ。しかし、そのスリルこそがこの映画の真骨頂だと思う。人間は基本的にスリルを味わいたい生き物だ。
 心臓の弱い人を除いて、かなりおすすめの映画である。

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