「Skype? そんなものには興味はないね。いま最大の危機はソフトバンク。対孫正義攻略が、第一だ」
NTT幹部は、私の取材に声を荒げて言った。
Skypeというのは、P2Pを使ったIP電話ソフトである。Winnyと同じようなP2Pファイル交換ソフト、Kazaaの開発者たちが作り上げた。ウエブから無償のソフトをダウンロードし、パソコンにインストールするだけで、世界中のSkypeユーザーと無料で音声通話が楽しめる。今年になって従来の固定電話や携帯電話にも通話できるサービスが登場し、日本国内では固定電話にかける場合がどこでも1分0.027ユーロ(約3.6円)。これだけでも安いが、もっと驚くべきは国際電話で、アメリカやカナダ、フランス、イタリアなど主要国に対しては1分0.017ユーロ(約2.26円)。中国は0.022ユーロ(約2.93円)。国内通話よりも安いのである。ちなみに国内と同じ1分0.027ユーロを出せば、何とギリシャとも通話ができる。ギリシャはBBフォンが1分39円、KDDIだと1分1210円にも達しているから、いかに安いかがわかる。
さらに素晴らしいのは音声で、スウェーデンの技術ベンチャーであるGlobal IP Sound社から提供された音声技術は圧倒的だ。普通の固定電話並みか、それ以上のクリアな音で通話ができる。しかも帯域を選ばない。ブロードバンドである必要すらないという。
SkypeはPDA向けのバージョンがすでにリリースされていて、プログラムサイズはかなりの小型化が進んでいるようだ。近い将来、携帯電話に搭載することもありうるだろう。そうなると、たいへんな地殻変動が起きる可能性がある。たとえばパケット定額制のケータイに、Skypeを搭載したらどうなるだろう? パケット通信でSkypeすれば、国際・国内ともに、今までの高止まりしていた携帯電話通話料とは比較にならないほどの値段で電話できるようになる。
すでに世界中で2000万人以上がダウンロードしていて、旋風を巻き起こしている。もし日本のどこかの通信企業と組んで本格参入してきたら、たいへんなことになるのではないか――。
そう考えて、あちこちの通信会社関係者に取材した。そうしたら、冒頭のNTT幹部のようなコメントが出てきたのである。「Skypeはしょせんはパソコンソフトだろう? そんなものがNTTの権益を侵すほどのパワーを持つはずがない。まあいずれはそういうこともあるかもしれないけれど、とりあえずは眼下の敵ではないな」と彼は言い放つのだった。
ソフトバンクはドライカッパーを利用して格安基本料金の固定電話サービスをぶち上げ、KDDIも巻き込みながらNTTに勝負を挑んでいる。Yahoo!BBが緒戦で圧勝したADSL戦争に次ぎ、通信大戦争の第二陣というところだろうか。格安固定電話戦争が今後どうなるのかはわからないが、その後にはNTTドコモとソフトバンクの間の3G携帯電話戦争も控えている。雌雄を決するのは、まだまだ先だろう。
総務省とNTTグループを中心とする“通信マフィア”とでも呼べる業界の中にあって、ソフトバンクという存在は「ずかずかと土足で入ってきた闖入者」でしかない。これまでの通信業界は第二電電、新電電、あるいはADSLベンチャーの東京めたりっく、イー・アクセスなどすべて含めて、どこの企業も何らかの「NTTつながり」を持っていた。いわばNTTという大きなお釈迦様のたなごころの中で、みんながチマチマと戦ってきた――というのが、Yahoo!BB以前の通信業界の構図だったのだ。そこにはほのかな仲間意識もあって、戦ってはいても、そんなにルールは逸脱しないだろうという安心感みたいなものもあったらしい。
でもその安心感というのは、しょせんは「親方日の丸」に抱かれている安心感でしかない。一般消費者を大切にしようという意識には乏しく、そこにYahoo!BBが圧倒的支持を得るにいたる土壌があったといえるだろう。
そしてソフトバンクとNTTが通信業界で作り出しているような構図は、今やあちこちに出現してくるようになった。
オールドエスタブリッシュメント対新参の闖入者、とでも言えばいいだろうか。わかりやすい例でいえば、ライブドアとプロ野球球団の対決構図はまさにそのものだったし、あるいはWinnyと著作権ホルダーの戦いだって、その戦いの一翼をなしているのかもしれない。
コンテンツ配信をめぐる、テレビ局とインターネット業界の暗闘もそうだ。何とか現状の枠組みを守り、自由なネット配信を妨げようと必死になっているテレビ局に対し、インターネットはその枠組みを破壊しようと動く。先日取材したテレビ局の幹部は、こんなふうに詠嘆していた。
「テレビの業界は、古くから積み上げてきて安定している構造を維持したいと思って頑張っている。なのにインターネット業界の人たちは、それをなし崩しに、なし崩しにつぶしにかかってくるんですよね」
そういう時代なのである。
かなり面白い!
さっそくRSSリーダーに登録しました。
これからも楽しくて「センセーショナル」な記事を期待しています!
>堀江さんネタもたまにはよろしく!
Skypeネタ、うれしいです。
(Mac版も出たし。)
いろんな電話メディアと
選択肢、消費者の知恵、技術の向上が
出てくることを望んでおります。
それにしても国内0.027ユーロ(約3.6円)はBBフォンより安い!
2500万ダウンロードもされている時点でヒットといえるのかも知れませんが、そのうち爆発的に普及するのではと期待しています。
ここ上海でおもしろいVoIPの電話をみつけました。この電話は普通の電話と同じように爺さん婆さんでも使えるのはいうまでもありませんが、おもしろいことに電話機に上海の市内電話番号がバンドルされているんです。
これはどういうことかというと、この電話機を買って日本に持ち帰っても、上海市内においてある電話機と同じように使えるんです。
つまり、上海にいる私が、あなたが上海から持ち帰って例えば東京に設置したその電話に電話をかけると市内通話となります。
また、私もこの電話機を買って、これで東京にあるあなたの電話にかけると通話料金は無料です。
コンピュータを毛嫌いしてるお年寄りでも電話なら怖がらないでしょう。Skypeはすばらしいの一言ですが、乗り越えなければならない壁はまだまだ高いといえるでしょう。
ごく最近使い始めたばかりですが、VNCを使ったときと同じぐらいに衝撃を受けました。
私の知り合いにはすべて使ってもらうように普及活動を始めているところです。
ただwowow_turkさんの言われるとおり、一般への普及にはまだ壁があるとは思います。
携帯可能な携帯電話型Skype端末の誕生が待ち遠しいです。
『あれは、所詮高度な研究用機材であって、実用の事務機械であるPCMとは競合しない』
といいました。
が、結局IBMは自らがコンピューターメーカーになることによって、危うくその命脈を保ったのでした。
『オールドエスタブリッシュメント』陣営の各社が『闖入者』の技術を受け入れるも拒むも、それは彼らの自由ですが、しかし、受け入れるときに受け入れなければ、無理矢理にでも受け入れさせられると言うことを、歴史は教えています。
遅れてやって来たものは、時代によって罰せられるのです。
NTT幹部は、私の取材に声を荒げて言った。
木を見て森を見ず。
そんな感じですね。
Skype 初めて知りました。
日本でどうなっていくかは私にはわかりませんが、いろんなことに対して危機意識は必要だと思います。
大企業病の末期ガンですな。
今までNTTは市場を独占してきたんで目の敵にしてるようですがどうもYahooのほうがこの戦争勝つでしょう。なぜなら昔でいうならば地侍ですから。権威・権力に溺れてるNTTは今後ものすごい逆風にあい組織そのものがガタガタになるような気がします。三菱自動車いや三菱財閥がああも簡単にズタズタに世間にさらされるとは誰もおもわなかったでしょう。これからの大企業は特に権威・権力にしがみついていると三菱財閥のように内部から崩壊していきます。でもこれでいいのです。一回組織内部にすぐっているウミを出してきれいになればいいのです。それが今NTTの試練です。Yahooがもっと過激に動けば競争になりNTTも本格的に重い腰をあげるでしょう。
大企業がスキャンダルになると国民は大喜びし責任者の無責任さにあきれています。いつもおもうことだが部長級以上の幹部は全員責任を取り辞めるのが筋でしょう。見ていると必ず責任転嫁しています。NTTもこれから色々なスキャンダルが発生するはずです。きちんと責任が取れる体制になっていればいいのですが。
新しいものが出てきても、敵がい心を燃やすのではなく、取り込むなり協調するなりして自分の利益につなげられそうなものですけどね。
“金持ち争わず”と言いますし。
っていうか、敵視するどころか眼中にもないんですね。大丈夫かなぁ…。
まあ、幹部社員がそこまで気にはしないでしょう。
日本で組む相手が間違いでなければいいですね。
ただ、今までの、通信料で得てきた潤沢な資金を元にしたNTTの技術革新や回線のハード面での進化はもう立ち行かなくなるのだろうな。
インフラとソフトを包括して進めてきた現在の日本の通信産業の転換がユーザーにとって進化となることを期待したい。
バカのコメントは、パソコン通信が始まった時代にも同じこと、他社に攣られて基本料金を下げて対抗するなんて、経営者でも何でもない。もっともNTTには、経営者と呼ばれる人はいない。Vodafoneへ行った人を見れば解る。
その、もっともな理由がダブルスタンダードな人事に起因する。
どういうことかというと、NTTという起業は未だに人事制度で公務員的な1種採用とか2種採用、3種採用のように、A採用、B採用、C採用なんていう制度を堅持している。
後者時代はA採用試験、B採用試験、C採用試験の様に受ける試験を受験者が選び、それにより採用者が後にどのような処遇を受けるのか選び選ばれることができた。しかし、民営化されてからというものその試験は一元化され実質なくなったかのように見えたが、実は裏ではまだのこっている。暗黙の了解で、裏で人事がAやらBやらCを振り分けている。当然採用時にそれが決まる為、後に優秀な人材として仕事ができてもはじめに貼られたレッテルで人事を決められる為、出世できない。そうすると本当に優秀な人材は外に流出してしまう。
そんな土壌で保護されてきた泥臭さを知らない、今のNTT経営陣では、自社の潜在能力の把握、外敵からの防衛方法など知る由もなく。ただ、衰退するのみである。
ここに、孫正義のみに危機感を持つだけでskypeのようなものへの危機感は担当者レベルでしか持たない会社つまり、大企業病をわずらった会社が対抗措置を持ちえるわけもなくただ衰退するのみであろう。
と言うより出来ません
アリが像に挑んでも結局アリなのですから
それよりも今回のビジネスモデルはNTTにとってもメリットがあり又ユーザーにとってもスカイプよりもっとメリットが有ります
何といっても使えば使う程お金が入って来るのですから(笑
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。