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弁護士。中央大学法学部兼任講師。1968年生まれ。著作権等の知的財産権、IT関係はとりわけ強い。これまで、中古ゲーム差止訴訟、「mp3.co.jp」ドメイン名訴訟、対WinMXユーザー発信者情報開示請求訴訟などで勝利を収め、ファイルローグ事件では、高裁での逆転勝利をねらう。主な著書として『著作権法コンメンタール』(編著:東京布井出版)、『インターネットの法務と税務』(共著:新日本法規)などがある。
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小倉秀夫の「IT法のTop Front」
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 昨夜のエントリーに対し、早速いくつかコメントをいただきました。
 ただ、その大半が、感情的に反発して見せただけのものであったというのは残念な限りです。

 まあ、人権擁護法案反対運動の目的が、フラストレーションの発散にあるのならば「ご自由に」としか言いようがないのですが、人権擁護法案の廃案ないし修正を目指すのであれば、ネット上での「運動」にとどまるのではなく、それを現実社会での運動に昇華させていかなければいけないのです。

 もちろん、ウェブでの議論の役割は否定しません。ただ、あと数日で審議入りすると言われている法案に反対するのであれば、もはや、現実社会での効果的な運動を視野に入れた議論をすべき時期です。

 テレビや新聞が取り上げてくれないという意見もあったようですが、それもお門違いな話です。テレビや新聞へは、反対運動を行う側で積極的に「取り上げてくれ」と働きかけなければいけないし、資料も用意しなければいけないのです。

 メディアスクラム規制がある故にマスメディアはこの法案を廃案に持ち込みたいと基本的には考えているので、まともな働きかけを行えば取り上げてもらえる可能性はあると思いますよ。ただ、どこかのブログに載っていた国会議員への電話突撃の要旨に記載されていたような、マスコミに対する敵意や、特定の社会的集団に対する敵意が見え隠れする論理そのままでは、ごく一部のマスメディア以外は取り上げにくいと思います。

 しかも、現実社会は、ネットワーカーの都合などお構いなしで進んでいきます。

 「いつかきた道」さんは、「仕事もあれば家庭もある人間が政治活動や法廷闘争で仕事を休んだりできるわけありません。」とおっしゃいますが、誰かがそれをやらなければ、法案はあっさり通過していくだけのことです。国会議員がネットサーフィンをしてまとめブログにたどり着く幸運を待っていても仕方がないことです。実際、昨年の著作権法改正問題の時だって、高橋健太郎さんや謎工さんなどは、仕事を相当犠牲にしてさまざまな働きかけを現実社会で行ったのです(その成果は、法案の修正ではなく、詳細な付帯決議止まりでしたが、いまのところ運用面での効果は出ているようです。)。

 
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 人権擁護法案に関しては、昨日もたくさんのコメントをいただきました。

 ただ、人権擁護法案の成立を阻止したい、あるいは、濫用されないようにしたいというのであれば、2ちゃんねるやブログでぐだぐた騒いでいても何の意味もありません。コメントスクラム参加者お得意のだだっ子型消耗戦術は通じません。「俺を説得しきれないからって議論を打ち切りやがった。論破だ、論破だ」と叫んでみても、そんなことはお構いなしに法案は成立します。反対者は自ら積極的に国会議員たちを説得しなければならないのです。

 それには、法案の危険性を、条文に則して、具体的かつ論理的に説明できなければなりません。つまり、従前自分たちは「・・・・・」というような活動を行ってきたが、この法案が原案通りに可決してしまうと、第○○条第○項により、この活動が禁止されてしまうので困るということを論理的に説明できなければなりません。陳情を受けた議員は、所轄官庁の役人にその解釈が正しいのかを確認したり、議員の政策担当書や同僚議員などにも確認をとったりするわけですから、本来禁止されるべきでないものまで禁止されてしまうという具体的な危惧を論理的に説明できなければそもそも話になりません。

 人権擁護法案のうち差別的言動禁止規定について反対を表明している人々は、まずこれができていないといえそうです。
 それどころか、反対する動機が、「特定の民族ないし門地に属する人々を今後も安心して差別したい侮辱したい嫌がらせしたい」という意図が見え隠れする人が反対運動の中心に立つと、むしろ、そのような法案を成立させなければならないという決意を固くしてしまい、逆効果となるように思います。

 そして、内閣提出法案についていえば、禁止すべきものを禁止する点については多数派のコンセンサスが得られているので、禁止すべきものを禁止しつつ、禁止すべきでないものを禁止しなくとも済むような対案を用意するのがベストです。禁止すべきことについてコンセンサスが得られているものについて、これを禁止するのはけしからんと言ってみても、通常相手にされません。

 また、ブロガーも2ちゃんねらーも、未だ少数派にとどまっています。したがって、反対運動を盛り上げるためには、マスメディアに取り上げられることが必要です。そのためには、マスメディア、特にテレビの前に立って反対意見を述べるオピニオン・リーダーの存在が必要です。著名人系が担ぎ出されてくれればベストですが、少なくとも実名系ブロガーが表に出ることは不可欠です。
 また、地元選出の議員に面会を申し入れ、資料を手渡し、反対意見を聞いてもらうことも必要です。資料も渡さず、電話で言いたいことだけ言って、国会議員たちに、当該法案に反対に転じてもらおうだなんて、甘いとしか言いようがありません。

 そうすると、何人かのオピニオンリーダーには実名等をカミングアウトしてもらう必要がでてきます。まとめサイトに何百というトラックバックが集まっても、顔と名前を表にさらして反対の声を上げる人が出てこないのであれば、反対運動はそこまで、という感はやはり否めないといえるでしょう。

 あとは、マスコミ規制に関する部分等で自民党と民主党の協議が整わず廃案に終わるのをかすかに期待するしかなさそうですね。
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