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弁護士。中央大学法学部兼任講師。1968年生まれ。著作権等の知的財産権、IT関係はとりわけ強い。これまで、中古ゲーム差止訴訟、「mp3.co.jp」ドメイン名訴訟、対WinMXユーザー発信者情報開示請求訴訟などで勝利を収め、ファイルローグ事件では、高裁での逆転勝利をねらう。主な著書として『著作権法コンメンタール』(編著:東京布井出版)、『インターネットの法務と税務』(共著:新日本法規)などがある。
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小倉秀夫の「IT法のTop Front」
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 前々回のエントリーを木村剛さんに取り上げて頂きました。

 木村さんは、「『発信者の匿名を制約する』ということにまで行ってしまいますと、ネットにおけるコミュニケーションの良さとメリットを失うことになってしまうかもしれません。」と仰っていますが、むしろ逆ではないでしょうか?

 現在の日本のblog環境は、匿名幻想による全能感故に他者を執拗に誹謗・中傷することに躊躇を感じないbloggerやcommentatorによって、却ってblogの機能を生かした意見交換ができにくくなってしまっています。それは、木村さんをはじめとする著名人系のblogの多くがコメント欄を閉鎖してしまっているところにも現れています。

 実際、現状では、匿名の卑怯者たちからネット上で執拗に誹謗中傷されることへの耐性がないであろう知人(まあ、普通はそうですね。)にblog開設を勧めることを躊躇せざるを得ないですし、blogを開設したいという友人に対してはコメント欄は閉じておいた方がよいと忠告せざるを得ないのが実情です。仮名でblogを開設するという手もあるのかも知れませんが、ある程度社会的に認知されている人が仮名でblogを開設してもいつかばれる可能性がありますし、その際には却ってより激しい攻撃を受ける危険があるので、仮名によるblog開設もお勧めできません。もちろん、個人を特定されかねない情報をエントリー等に書き込むことがないように慎重に配慮しながらblogすればばれずに済むかも知れませんが、そんなこそこそしながらblogをしても普通は楽しくないのではないかと思います。

 結局のところ、blogにおいて他人を攻撃する発言の匿名性を守ることにより得られるものは、匿名の陰に隠れて他人を無責任に誹謗中傷する方々を安心させるということと、そのような方々から執拗に誹謗中傷されることへの耐性がない人々のblogへの参入を阻害すること(あるいは、匿名の陰に隠れて執拗に誹謗中傷を繰り返す人々に一定の思想傾向を有している者が多い場合、彼らを刺激しかねない話題を自主規制してしまうこと)くらいであり、それはネットによるコミュニケーションの発達には却ってマイナスになるのではないかと思います。

 木村さんとは、ひょっとして現状認識に差があるのかもしれないですが、水質汚濁がひどくて清冽なる鮎が生きられない状況にあるときに、水が清らかすぎて魚も住めなくなることを心配して、水質改善を行わないこととするのは、どこか間違っているのではないかという気がします。
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