うそつき村があったとさ。

村できたえられながら、発見と遊びの日々。

祥瑞茶碗

2010年11月10日 | カオルさんのお部屋
   

   

    内はがしと印


仕事場での見るだけ料理教室のあと、町へ出た。

サチコさんの店に寄るとサチコさんは旅行中、カオルさんがひとりだった。先日、備前で仕入れたやきものがならんでいた。ひとしきり、やきもの談義。

さいごに加賀国(石川県)の陶画工、初代・須田青華(すだせいか、1862~1927)の祥瑞の茶碗を見せてもらった。

内はがし祥瑞茶碗(うちはがししょんずいちゃわん)。

内はがしとは、見込みの底の部分に釉(うわぐすり)をかけないで焼き上げる技法をいう。また、カオルさんによれば、内はがしの茶碗は見込みの中に印を押すのが約束事になっているそうである(写真3枚目)。

祥瑞(しょんずい)とは縁起のよい絵柄を描いた染付磁器のことだと単純に思ってきた。加藤唐九郎編、原色陶器大辞典(淡交社、1988)に詳しく書かれている。

「茶器のうちに祥瑞あるいは祥瑞手と称される一群の染付磁気がある。これを祥瑞と称するのはその一部の器の底裏に『五良大甫 呉祥瑞造』という縦書二行の染付銘が入ったものがある点にある。(中略)祥瑞のつくられたのは中国最大の窯景徳鎮で、時期は明末の崇禎年間(1628-44)、その原料の質のよさと丁寧な作風、そして日本的な意匠は日本からの特定の注文によったものであり、その注文主は小堀遠州か彼に近い筋の者ということである。(後略)」

年になんどか唐九郎の辞典を読む。記憶力が乏(とぼ)しいので、ここに書き写しておく。

カオルさんは、みやびなやきものが好きだそうである。京にみやびなるものあり。

おなじくこの辞典に、須田青華は京都で製陶の研究をしたとある。

しかし、青華のこの祥瑞がみやびかといえば、みやびではないような気がする。

カオルさんもこの祥瑞をみやびと言ったのではない。



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