Hunter the ExerciseRider in LA

アメリカLAで競走馬に乗る仕事をしています。
調教だけなので騎手ではありません。

禁止薬物

2006年07月01日 | News
メジャーリーグなどのスポーツ選手たちだけでなく、
競馬の世界にも禁止薬物が存在します。

しかも国や地域によってそれは違います。
アメリカでも州によって違うので、例えば
隣の州で走らせるときにはこの薬を与えてはならない、
といったことなどよくあります。
しかもアメリカの場合はこれがなかなか曖昧で
見えないところで隠れてなにかやってるのかもしれません。
当然、投与されたほうが有利になりますから。

ここではよく、暴れて手がつけられないような危険な馬は
飲ませるタイプの鎮静剤、通称Ace、などが与えられます。
1時間くらいしたらだんだん馬が眠くなり落ち着いてきます。
そしてその馬に乗りトラックで運動させたりします。
しかしこれはレースの4日前から使用不可になります。
検査でポジティブになるからです。
で、レースが近い危ない馬はどうするかというと
ウォッカやワインなどを飲ませるわけです。
そして酔わせたところを乗るわけです。

DubaiWorldCupで2着に入ったBrassHat、
なんとレース後の検査で禁止薬物のAnti-InflammatorySteroidが
ポジティブになり、失格処分に!!
不服として裁判を起こしましたが通らず
賞金の1.2Millionも返却され、そして罰金5,400ドル。
今までの競馬史の中で一番大きい失格処分だ。
・・・これは痛すぎるね。(/≧◇≦\)
BrassHat
彼らの言い分は
28日前にそれを与えた。ガイドラインには23日前なら大丈夫とあった。
しかしまだ馬の体内にそれが残っていたので
ポジティブになったということだ。
ま、本当かどうか知らないけどね。


しかしこんなに薬が氾濫してたら
日本馬が海外で活躍できないのも無理はないかも。
とくにアメリカのダートなんかは非常に難しいでしょう。

アメリカではほとんどすべての馬がレースのまえに
Lasix(レイシックス)という薬が与えられる。
これは肺出血を抑える働きがあると言われている。
ヨーロッパから来た馬がアメリカで走るときもこれは使われる。
しかし去年シーザリオはLasixなしで圧勝。
すばらしい!
もしLasixを使ったら、その反動や次のレースへの影響もあるだろうし。
ま、強い馬は薬なんて必要ないのかもね。

アメリカの馬が日本で走ったときに結果が出ないのは
こういう薬の事情があるのかもしれない。

今週の土日にHollywoodParkで走る日本馬2頭もLasixなしだろうか。

あ、ダンスインザムードのレースではうちの厩舎からも1頭出ます。
HollywoodStory
体調は良さそうですが、このところのレース成績が良くないです。
どっちを応援したら良いものか・・・
NTRA