語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
読書
大岡昇平+社会問題・社会保障

【医療】穏やかな看取りを支える“引き算”の医療 ~訪問看護~

2014年06月01日 | 医療・保健・福祉・介護
 秋山正子・訪問看護師は、東京都新宿区で20年以上訪問看護に関わり、「市ケ谷のマザー・テレサ」と呼ばれる。

 Q:国が在宅医療を強化する中、看護師の働き方も変わろうとしている。訪問看護師は増加しているか?
 A:ある看護師から相談があった。「急性期病院で2年働いたが、機械や薬剤に追われ、自分が本当にやりたい看護とのズレを感じた。ゆったりと患者と接したいが、どうすればよいか」
   国を挙げて訪問看護師を増やそうとしているが、かけ声だけではどうにもならない。訪問看護師不足は、個々の訪問看護ステーションの努力だけでは解消できない。行政の支援が不可欠だ。

 Q:具体的にはどんな支援が必要か?
 A:実現したものが一つある。昨年10月、東京都が全国に先駆けて、訪問看護師を育成するため「訪問看護師教育ステーション事業」を始めた。訪問看護に関心がある看護師たちに、指定教育ステーションでの研修や職場体験を通じて、不安を鑑賞してもらおう、というもの。
   こういう事業のチャンスを活かして、思い切って訪問看護のドアを叩いてほしいと切に願う。

 Q:訪問看護を目指す看護師は、どのような不安を抱えているか?
 A:(1)単独で患者に接する医療上の不安。
   (2)24時間対応という働き方。 
   (3)給与。
   未経験のまま、看取りに立ち会えば戸惑うこともある。だが、現場教育を重ねるし、患者と家族の大切な時間である看取りを通して看護師は多くを学ぶことができる。
   働き方は、比較的恵まれた新宿区の場合、おおざっぱに言って訪問看護師1人当たりの受け持ち患者数は12人で、ぎりぎりだ。訪問看護師が増えて10人ぐらいになれば、もっと余裕を持って看護に当たることができる。
   給与は、夜勤手当がない分、減りはするが、基本給の部分はそう変わらない。

 Q:訪問看護がより役割を発揮するにはどんな改善が必要か?
 A:看取りの現状については、一つも二つも進むべきだ。
   <例>死亡診断書は、医師しか担えない。医師の数が不足しているにも拘わらず。一方で、国は、病院ではなく在宅などで最後を迎えることを推奨している。世代人口的にも病院以外の場所で亡くなる人の増加は避けられない。
   ところが、今でさえ、医師がいないために死亡診断書が作成できず、警察沙汰になることが多々起こっている。そこを看護師が肩代わりできないものか。

 Q:訪問看護の魅力はいかに?
 A:病院の医療は大事だ。ただ、そこでは“足し算”の医療が行われる。ある医療措置をしたら、それによる副作用や合併症が出て、治療や薬が追加される、といった具合に。他方、在宅医療は“引き算”だ。可能な限りシンプルかつナチュラルに、でもケアは十分に、という。看取りも穏やかな過程をたどる。
   Cureよりcareなので、看護師の役割が大きい。その魅力を知ってほしい。看護師免許を眠らせている人が多くいる。フルタイムでなくても参加してほしい。

□秋山正子/聞き手:編集部「穏やかな看取りを支える訪問看護は“引き算”の医療」(「週刊ダイヤモンド」2014年5月17日号)
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 【参考】
【医療】医師はとにかく「教授」と呼ばれたい ~病院教授・臨床教授~
【医療】1日30分でも3万円稼げるバイト ~レセプト審査~

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