語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】癒しの旅 ~ギリシア・エーゲ海~

2016年08月16日 | ノンフィクション

 古い倉庫を始末し、新しく設置した際、古い倉庫から出てきた本の一。

 (1)ギリシャ旅行案内。第1章はエーゲ海の主な島13、第2章はアテネ(都市の愉しみ)、第3章はペロポネーソス半島(コリントスほか)、中部ギリシア(デルフィほか)及び北ギリシア(マケドニア王国の地ほか)・・・・の3章で構成される。

 (2)ギリシアの緯度は日本とあまり変わらない。アテネは海流の関係で比較的温暖だが、緯度は新潟とほぼ同じだ。本土のもっとも南、ペロポネーソス半島さえ、真冬には雪が降るし、北西部の高地は3月まで豪雪に埋もれている。だから観光シーズンは・・・・と切り出し、宿の予約と交渉術、現地での行動のしかたなど解説するが、このあたりは地球の歩き方っぽい。
 ただし、これは導入部であって、本文は島や町、遺跡や博物館を神話や歴史を織りまぜつつゆったりとした口調で語る。
 タイトルの「癒しの旅」とは、世知辛い現代を生き延びる戦いに傷ついた心の傷を癒す、というほどの意味か。たしかに、一点の遺物から幾千年前の英雄を引き出されると癒やされる気分にならないでもない。

 (3)著者はギリシアとの付き合いが長いだけあって、「ギリシアの博物館は、規模の大小にかかわらず、どこでも明るくて親しみやすい」と展望してみせる。市場で「目の肥えた品選びをする男性の姿が非常に多い」といった観察も、なるほど・ざ・納得である。
 ただ、豊富なきれいな写真は概して小さすぎて楽しめない。参考文献が付いてないのも、ガイドブックとしては親切でない。

□楠見千鶴子『癒しの旅 ギリシア・エーゲ海』(ちくま選書、1999)
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【中国】の危ない【食】一覧

2016年08月16日 | 医療・保健・福祉・介護
【中国】【食】リスクは爆食にとどまらず ~農産物版「AIIB」構想~
【中国】【食】またぞろあきれた事件 ~ピクピク肉にゾンビ肉~
【中国】【食】隠れ中国産チキン ~ファミレス・ファストフード・コンビニ・スーパー~
【中国】【食】日本マクドナルドの対策の不徹底 ~中国産チキン問題~
【中国】チキンの恐怖 ~ファストフード、ファミレス12社~
【食】中国の鶏肉問題--流通のグローバル化で食の安全はますます困難に
【中国】チキンの恐怖 ~日本マクドナルドの中国産鶏肉の危険性~
【中国】現地取材で痛感 やっぱり危ない中国産食品
【中国】実録・猛毒食品「僕らだって怖い!」 ~中国人は語る~
【食】添加物の危険性 ~煮付け油揚げ~
【食】危険な除草剤の増加 ~除草剤耐性GM作物~
【食】イオンの産地偽装 ~中国猛毒米~
【中国】汚染大国 ~PM2.5、農薬、重金属まみれの野菜~
【食】中国における食品汚染事件 ~悪質ケース50(抄)~
【食】「危ない中国産」を見破る法 ~ジュース・菓子~
【食】中国産ウナギ肝から国際基準の1.5倍のカドニウム
【食】外食、どのメニューに中国産が入っているか ~中国食品を見破れ(3)~
【食】安いものにはウラがある ~成型肉の添加物~
【食】中国産から身を守るためのQ&A ~中国食品を見破れ(2)~
【食】中国食品を見破れ ~スーパー・外食~
【食】中国猛毒食品(2) ~アサリ・エビ・ピーナッツ・漬物・ウナギ~
【食】中国猛毒食品 ~絶対に食べてはいけない遺伝子組み換え米~
【中国】改善されない環境問題 ~大気汚染・水質汚染・食品汚染~
【食】中国産鶏肉の危険(2) ~有機塩素・残留ホルモン~
【食】日本マクドナルドが輸入する中国産鶏肉の危険 ~抗生物質~
【食】中国産食材は大丈夫か? 日本の外食産業は?
【食】【TPP】原産地表示の抜け道 ~食のグローバル化~
【食】中国食品の有害物質混入、表示偽装 ~黒心食品~
【食】中国産薬漬け・病気鶏肉を輸入する日本マクドナルド・その後
【食】中国産薬漬け・病気鶏肉を輸入する日本マクドナルド

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【統計】でウソをつく法 ~政府版~

2016年08月16日 | 批評・思想
 (1)同盟通信(時事通信と共同通信の前身)が戦前戦中に発行していた「同盟世界週報」1945年3月3日号にこんな記述があった。
 「国家資金計画以外の(中略)諸計画の内容は、計数はもちろん一切がまったく公表を中止せらるるに至った」
 「戦争完勝」を目標として国と民間の資金配分を決めたのが国家資金計画。完全な統制経済なのだが、同盟のこの記事は、この前提となる経済状況を示す数字が一切発表されなくなった事実を嘆いていたのだ。
 「公表を中止せらるる」とは一体どういうことか。
 日中戦争開始や国家総動員法公布などいくつかの重要な出来事を追うように、統計は段階的に消えていった。鉄道貨物輸送トン数、貿易指数、金銀輸出入月報などの数字が発表されず、さまざまの生産指数は1940年9月以降一切更新されなかった。 

 (2)経済データはその時々の国力を示す。日本がどの程度戦争を継続できるのかは統計から読み解くことができた。
 「日独伊三国同盟を締結するなど戦争の本格化を意識したとき、戦力を想像させる情報を秘匿する必要がでてきたのだろう」【荒川憲一・元防衛大学教授】

 (3)統計の隠蔽作戦から80年近くの歳月が流れた。現在は国内総生産(GDP)、失業率、経常収支、全国企業短期経済観測調査(短観)など、経済統計は毎日のように各官庁や日本銀行から発表される。
 しかし、最近は特定の数字を恣意的に強調する「統計のつまみ食い作戦」が進行する。
 〈例〉「有効求人倍率は全国の都道府県で1を超えた」と安倍晋三・首相が自らの成果と強調する言説。
 ならば、なぜ28兆円という巨額な経済対策を打ち出す必要があるのか?
 伝統的な経済の常識では説明がつかない。為政者が自分の都合のよい数字だけを強調すると、経済現場の状況とはかけ離れた姿となり、矛盾が生じてくる。
 いま政権に必要なのは、雇用がよいのに、個人消費が伸びないのはなぜか、を説明することだ。

 (4)統計はもともと人口や経済力の正確な把握を主たる目的として発達してきた。国民の意識や生活の変化により統計調査の協力が得られにくくなっている最近、海外では税関係など行政が保有する情報を積極的に活用することで懸命に統計精度の向上を図っている。【森博美・法政大学日本統計研究所教授】
 日本でも政治は個々の数字をうんぬんする前に、統計データの質を高めるため国際的動向を踏まえてどのような仕組みが可能なのかを真剣に考えてほしい。【森教授】

 (5)戦時中の日本政府は、経済統計を国民の目から隠した。
 21世紀の今日、経済統計はきちんと発表されているが、為政者は自分に都合のいい数字だけを切り貼りして政治的に使っている。
 隠すの言語同断だが、自分の国の状況を正確に知らせていない、という意味では、つまみ食いもたちが悪い。

□軽部謙介(時事通信解説委員)「戦時と平時の経済統計 ~炉辺解説~」(「日本海新聞」2016年8月15日号)
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 【参考】
【統計】でウソをつく法

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【阿刀田高】『アラビアンナイトを楽しむために』

2016年08月16日 | 小説・戯曲

 古い倉庫を始末し、新しく設置した際、古い倉庫から出てきた本の一。

 (1)論文にはサマリーがある。議論の要点を提示して、関心が持てる内容なら本文に読み進める仕組みだ。
 この伝で、小説や物語にもサマリーがあってもよい。あまりにも長すぎるとか、古典中の古典で、読みごたえがあるにしてもとっつきにくいとか、そういう本には論文のサマリーに相当する要約本があってもよい。リーダーズダイジェストは新刊について要約を紹介しているが、あいにく日本版は1986年に休刊した。
 
 (2)『アラビアンナイト』も長すぎる本だ。しかも脇筋へ遠慮なくどんどん逸れていくから、主筋を追いにくい。追っても意味がない。主筋はあってなきがごとしで、独立した説話が次々に付け加わるだけなのだから。
 全編が面白ければよいのだが、饒舌なだけでじつに退屈な挿話もある。

 (3)煩瑣に耐えてバートン版(大場正史訳)、マルドリュス版(豊島与志雄ほか訳)、東洋文庫版(前嶋信次訳)の3種類を読破し、血わき肉おどる部分を12編の短編小説仕立てに料理したのが本書。
 原作を読まないと読んだうちに入らない、というリゴリスムは無視してさしつかえない。ダイジェストであろうと翻案であろうと、まったく読まないよりマシだ。
 阿刀田高は、古典について幾冊かものしているが、これはこれで貴重な仕事なのだ。現代の言葉で、忙しい現代人が古典中の古典に接する機会を提供しているのだから。

 (4)そもそも、わが国には、黒岩涙香以来、翻案小説の伝統がある。比較的最近では、発達心理学の泰斗にしてわが国における文章心理学の草分け、波多野完治がジュール・ヴェルヌの『二年間の休暇』を翻案して『十五少年漂流記』に仕立てあげている(新潮文庫)。
 本書も、作品紹介というよりも翻案だ。しかも、読みやすい阿刀田調の語り口にのせられて、読者は一編また一編と、ページをめくるのがもどかしい思いをするだろう。
 本書は、『アラビアンナイト』をまったく読んだことのない人には読書案内となるし、一部しか読んだことのない人には覚えのある物語に再会する愉しみがある。そして、原作からぐんと離れて、星新一的に現代的な解釈をほどこした短編には、思わず微笑するにちがいない。

□阿刀田高『アラビアンナイトを楽しむために』(新潮社、1983)
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【本】映画で読む20世紀 ~この百年の話~

2016年08月16日 | エッセイ

 古い倉庫を始末し、新しく設置した際、古い倉庫から出てきた本の一。

 (1)『わが谷は緑なりき』から『ジャーニー・オブ・ホープ』まで13編の映画をとりあげ、あらすじ、監督や出演者といった基礎的な資料を紹介した上で、エコノミストと詩人が縦横に論じあう。

 (2)たとえば、『スミス都へ行く』(米、1939年)。
 田中は、映画制作当時、米国はニューディールの効果が少々出てきた頃だったと背景を解説し、まだ草の根民主主義を中心とする健全さが残っていたと付言する。これに対して長田は、スミスを動かしているのは女性である(端的には秘書サンダース)と指摘し、米国のフロンティアを代表する西部から自立する女性が登場してきたという歴史的事実と重ねあわせる(女性の参政権はワイオミング州を嚆矢とする)。
 『スミス都へ行く』は政治の教科書と呼んでもよい、社会教育の効果があると田中が評せば、米国人がもっとも好きな映画としてあげる作品だと長田は受け、この映画は政治のメルヘンだと規定する。
 ただし、『スミス都へ行く』は単純に見えて決して単純ではない。ニューディールからするとむしろ映画では悪玉テイラー(民主党)に理があって、彼は失業問題も視野に入れている。他方、善玉スミス(共和党)は調子のよいことばかり言い立てるけれども、支離滅裂、ヴィジョンがない。もっとも、スミスはテイラーを全否定しているわけではなくて、やり方を変えたいというだけにすぎない、と二人は結論を下す。

 (3)本書は、映画が描く時代、あるいは映画が製作された時代をしかと押さえた上で作品を論じている。だから、議論がわかりやすい。
 おそらく編集の工夫によって、対談にしては密度の高い文章となっている。反面、実際にはあったにちがいない軽いかけあいが省かれているらしく、全体としてやや堅苦しくなっているのが惜しい。

□中直毅、長田弘『映画で読む20世紀 -この百年の話-』(朝日文庫、2001)
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【佐藤優】開発独裁とは違う明治維新 ~目的は複数、リーダーも複数~

2016年08月16日 | ●佐藤優
 (1)岩倉使節団【注1】は大胆な試みだった。まだ草創期の国家で2年近くも主要指導者がいなくなったのだから。そのおかげで、大久保利通、伊藤博文という近代化を主導するリーダーが得がたい知見、体験を持ち帰ったのだが、なぜそんな離れ業ができたのか。【山内】
 第二次世界大戦後、アジア諸国が経済的な発展をみせ、「アジアの奇跡」と世界を驚かせた。このとき、成長の鍵は強いリーダーシップにあるとする「開発独裁」論が盛んに唱えられ、明治維新こそその嚆矢であると論じられた。しかし、これは正確ではない。蒋介石と蒋経国(台湾)、鄧小平(中国)、リー・クアン・ユー(シンガポール)、マハティール(マレーシア)など、アジアの開発独裁の特徴は大きく六つ。
  ①国内外の危機を契機として成立した。
  ②強力な一人のリーダーが独裁的リーダーシップをとった。
  ③それをエリート集団が支えた。
  ④開発イデオロギーが存在した。
  ⑤必ずしも民主的手続きではなく、経済成功で独裁を正当化した。
  ⑥その体制が数十年続いた。
 これを明治維新と比べると①以外にはほとんどあてはまらない。一人のカリスマによる上意下達の独裁でもないし、革命指導者の支配が何十年も続くことはなかった。【山内】
 維新の三傑(西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允)は明治10年前後に相次いで世を去っている。【佐藤】
 そもそも「三傑」という言葉が示すように、明治政府のシステムは、はじめから薩長を中心とした合議体だった。それが旧幕府も含めた超藩的な岩倉使節団を可能にした理由でもある。【山内】
 もし明治政府が、例えば大久保利通の独裁体制だったら、彼が長期海外視察を行うことなど不可能だ。連合政権だったから、権力機構の半分が外遊し、後の半分が国内統治を進めるという離れ業が可能だった。【佐藤】
 留守政府の意味と存在も大きい。西郷をはじめ、長州では財政通の井上馨や陸軍建設者の山縣有朋、土佐の板垣退助、肥前の大隈重信、江藤新平、副島種臣、大木喬任といった代表的な人材が日本に残り、学制発布、初の全国戸籍調査、太陽暦への切り換え、徴兵令、地租改正といった実務的な改革を着々と行っていた。田畑永代売買禁止令を解いて、正式に土地を私有できるようにしたのもこの時期だ。【山内】
 ただ、留守政府の内実は、西郷が残った薩摩は統制がとれていたが、木戸、伊藤を欠く長州はやや弱体化していた。その間隙を縫って巻き返しを考えたのが肥前の江藤新平で、司法卿としての井上馨の汚職を暴いたり、山城屋事件【注2】が起きて山縣有朋を失脚させたりと反薩長の派手な動きを見せた。そこで、山縣や井上を救うことで政府のバランスを維持させたのが西郷だった。【山内】

 【注1】「【佐藤優】岩倉使節団が使った費用、100億円 ~明治初期~
 【注2】長州出身商人が無担保で陸軍省から巨額の資金を借り、投機に失敗した事件。

 (2)なぜ明治維新においては圧倒的な指導者が出てこなかったのか。【佐藤】
 幕末から明治維新にかけて重要な政治思想として公議輿論という考え方が出てきた。徳川幕府だけに任せていても駄目だから、みんなで話し合って決めよう、というのがそもそものスタートだった。参与会議がその例だ。文久3年の8・18クーデターで長州藩など尊王攘夷派が朝廷から追放され、公武合体派の土佐藩主山内容堂が熱心に推進し、有力諸侯が朝議参与として、隔日に京都で国政を議した合議体会議だった。徳川慶喜はこの会議の主導権を握りたかったのだが、特に薩摩の島津久光の反発があってうまくいかず、約2ヵ月で解体した。そこで徳川を棚上げにして、山内と島津のほかに福井の松平春嶽、宇和島の伊達宗城を含めた四候会議ができあがった。ここで大事なのは、この時点ですでに誰か一人の独裁者が治めるという考えは消え、集団的リーダーシップが前提になっていることだ。参与会議も四候会議も、形式だけみれば19世紀後半のムハンマド・アリー朝の「諮問会議」にも通じるが、エジプトではあくまでも君主が超越的に権威を行使し、幕末日本と比べると独裁度が高い。【山内】
 チェチェンの長老会議は、いまでも多数決ではなく、満場一致方式の、長老によるコンセンサスで決定する。外敵が迫ったときだけ、征夷大将軍的なリーダーを置く。その場合、腹の中は反対でも、自分が少数意見だと分かったら黙ったまま、多数派に同意を表明して満場一致に持っていく。しかし、この方式だとどこに権力の中心があるのか分からない。【佐藤】
 四候会議も穏やかな集団的リーダーシップをめざしたが、外圧の厳しさが高まる中で、公武合体や幕権尊重といった曖昧なやり方では処理しきれなくなる、。さらに変革運動の担い手が下級武士に移っていく中で、はからずも倒幕、廃藩置県のような過激な変革に導かれていったというのが実像だろう。では、島津や毛利など雄藩の諸侯たちが実権を失い、西郷、大久保、木戸らに主導権が移ったときに、彼らが強権的なリーダーとなったかというと、そうでもない。むしろ西郷ら政権を主導するリーダーと、その配下に位置するはずの実務エリート、肥前の大隈や江藤、長州の井上馨ら、少し世代を下って伊藤博文や山縣有朋らとの差がはっきりせず、藩間や藩内のグループ間での合従連衡が行われていく。【山内】

 (3)組織論として興味深い話で、
  ①第一段階・・・・雄藩の諸侯たち、合議志向の強い殿様がリーダーとして現れる。
  ②第二段階・・・・本来なら諸侯たちを補佐するエリートだったはずの西郷、大久保ら下級武士がリーダーとなる。ところが、新しくリーダーとなった下級武士たちは、きちんとしたキャリアシステムを経ていないから、リーダーとエリートの境も曖昧だし、エリートを育成する仕組みも整っていない。【佐藤】
 だから岩倉使節団においても、実務は幕府系のエリートに頼らざるを得なかったのだが、面白いことに、岩倉使節団に同行した多くの留学生から「次世代」のエリートが育っていった。金子堅太郎や牧野伸晃、米国で鉱山学を学び、三池炭坑の経営に成功して三井財閥の総帥となる團琢磨、「東洋のルソー」と呼ばれる民権思想家となる中江兆民、腹心として山縣有朋を支えた平田東助、女性教育をリードした津田梅子。さらには米国に密入国していた新島襄が、木戸に見出され、通訳として随行することになる。【佐藤】
 新島はいわばもう一つの明治維新を生きた人物だった。幕末、日本が列強に滅ぼされるかもしれないという状況の中で、米国の内部に入り込んで、その内在的論理を学ぶしかない、と命懸けで米国に渡った。その結果、新島が出した結論とは、欧米と遜色ない人文系に強い大学をつくらなければならない、ということだった。それもミッションスクールは欧米の植民地化になってしまう。あくまでキリスト教の精神を持った日本人を育てるのだ、と日本語での教育にこだわった。【佐藤】
 エリート集団の育成に最も熱心だった明治のリーダーは、伊藤博文。彼は帝国憲法と帝国議会をつくり、政党まで立ち上げた。しかし、それらと同じくらい力を注いだのは、帝国大学など大学制度の確立だ。国家のシステム、ステートクラフト(国政術)とは何かを勉強した伊藤は、憲法や議会を維持運営できる人材が最も重要だと気づいた。【山内】
 そこで行われたのはいわばエリートの促成栽培だ。日本中からとにかく記憶力のいい若い人材を集めてきて、法律を覚えさせる。そして、行政や司法の現場に次々と送り込んだ。ちなみに、明治14年の政変で失脚した大隈が、翌年設立したのが東京専門学校、後の早稲田大学。福澤諭吉の慶應義塾、新島の同志社とともに、政府以外のエリート養成機関ができたことは、日本の「民間」を育てる上でとても大きかった。たとえば中国にも私立大学はあるが、エリート養成は圧倒的に官立が担っている。「誰がエリートを育てるか?」は国家にとって重大な問題だ。【佐藤】

 (4)アジアの開発独裁と明治維新には、大きな違いがもうひとつある。リー・クワン・ユーにしても鄧小平にしても、アジアにおいてはとにかく経済成長だけが目標とされ、経済発展によってすべてが正当化された。【山内】
 鄧小平の有名な白猫黒猫理論。「白い猫でも黒い猫でも鼠をとってくる猫がいい猫だ」。【佐藤】
 しかし、明治維新の目的は最初からひとつではない。
   ①「富国強兵」
   ②「公議輿論」
の二つが最初から目標として掲げられていた。①はそのまま開発独裁のスローガンだが、その一方で広く議論を興していく②は、帝国議会設立の要求につながり、大きくいえば人々の政治参加、いわゆる民主化を志向するものでもある。これが、木戸孝允ら長州派によって早い段階から唱えられている。【山内】
 帝国議会を開こうという流れと、帝国憲法をつくろうという流れは、本来、別々に存在した、ということ。これは明治政府のもうひとつの大目標である不平等条約改正を考えてみるとわかりやすい。日本と条約を結びたい諸外国にとって、議会があろうがなかろうが関係ない。しかし、憲法制定は決定的に条約改正と関係する。それは法治国家である証拠だから。つまり欧米諸国からすると、アジアの開発独裁下で民主化なんて進んでいない国でも、きちんと国際的なルールを守って、法律にしたがって商売してくれればいいわけだ。【佐藤】
 条約改正を行うために、当時の日本に課せられたのは三つの改革だった。すなわち、行政改革、税制改革、法制改革。これが果たせてはじめて国際社会のメンバーとして認められ、治外法権が撤廃されて関税自主権が戻ってくるわけだ。【山内】
 しかも関税自主権の獲得は、自国経済に直結している。税率を自分で定められなければ、自国産業の保護もできない。そう考えると、憲法制定はまさに①と結びついた話だった。かつて故吉野文六・元外務省アメリカ局長が面白いことを言っていた。「そもそも議員会館なんて、当時はなかった。あれは戦後になってできたんだ」と。官僚が議員会館に説明に行くこともなかった。戦前の国会、国会議員の存在感のなさをよく表している。【佐藤】
 かつては宮中序列にしても、親任官、勅任官の序列が高い。親任官は、文官なら大臣以上、大審院長(いまの最高裁長官)、特命全権大使、東京都長官、朝鮮総督、台湾総督など。帝国大学総長は低くて、せいぜい親任官待遇として扱われることもあった。陸海軍の武官なら大将以上。中将、少将は勅任官。もし中将が参謀総長や軍令部総長、師団長、司令長官などにつけば、役職に就いている間は親任官として遇されるが、国会議員はそれよりも低かった。皇室儀制令による宮中席次は面白い。貴族院と衆議院の議長でさえ、第1階第12で、大将や大臣の下にくる。国会議員はもっとひどく、第4階第39で、男爵や本省次官・局長の下に来る。今の国会議員なら、宮中で目をむいて怒り出すだろう(笑)。【山内】
 簡単にいうと、下に「閣下」がつくのが親任官。 【佐藤】
 実は戦前には特命全権大使というのが10人いるかいないか。あとは基本的には公使。中国でさせ途中までは中華民国公使だった。戦後は大使の数がインフレになるが、最近まで外国で自分を「閣下」と呼ばせていた大使や総領事もいた(笑)。【山内】
 今は変わったが、佐藤優が外務省に在籍した当時、便宜供与表によれば国会議員は中央官庁の局長と同格だった。県知事に至っては、官庁でいうと課長級。これは戦前、知事は任命制で、内務省の課長のポジションだった名残だ。最近改められて国会議員が上になったが。 【佐藤】
 いずれにしても、明治維新では富国強兵、議会と政党の設立、憲法制定などの複数の目標を同時に追求しつつ、政策の重点や情勢の変化に応じて、その時々のリーダーが入れ替わり、柔軟に対応できた。それがあの時期を生き抜けた大きな要因だった。【山内】

□山内昌之×佐藤優「西郷と大久保はなぜ決裂したのか ~大日本史第2回~」(「文芸春秋SPECIAL」2016年夏号)
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 【参考】
【佐藤優】岩倉使節団が使った費用、100億円 ~明治初期~
【佐藤優】反省より不快示すロシア ~五輪ドーピング問題~
【佐藤優】 改憲を語るリスクと語らないリスク ~改憲問題~
【佐藤優】+池上彰 エリートには貧困が見えない ~貧困対策は教育~
【佐藤優】スコットランドの動静と沖縄の日本離れの加速
【佐藤優】沖縄の全基地閉鎖要求・・・・を待ち望む中央官僚の策謀
【佐藤優】ナチスドイツ・ロシア・中国・北朝鮮 ~世界の独裁者~
【佐藤優】急進展する日露関係 ~安倍首相が取り組むべき宿題~
【佐藤優】日露首脳会談をめぐる外務省内の暗闘 ~北方領土返還の可能性~
【佐藤優】殺しあいを生む「格差」と「貧困」 ~「殺しあう」世界の読み方~
【佐藤優】一時中止は沖縄側の勝利だが ~辺野古新基地建設~
【佐藤優】情報のプロならどうするか ~「私用メール」問題~
【佐藤優】テロリズムに対する統一戦線構築 ~カトリックとロシア正教~
【佐藤優】北方領土「出口論」を安倍首相は訪露で訴えよ
【佐藤優】ラブロフ露外相の真意 ~日本政府が怒った「強硬発言」~
【佐藤優】プーチンが彼を「殺した」のか? ~英報告書の波紋~
【佐藤優】北朝鮮による核実験と辺野古基地問題
【佐藤優】サウジとイランと「国交断絶」の引き金になった男 ~ニムル師~

【佐藤優】矛盾したことを平気で言う「植民地担当相」 ~島尻安伊子~
【佐藤優】陰険で根暗な前任、人柄が悪くて能力のある新任 ~駐露大使~
【佐藤優】世界史の基礎を身につける法、決断力の磨き方
【佐藤優】国内で育ったテロリストは潰せない ~米国の排外主義的気運~
【佐藤優】沖縄が敗訴したら起きること ~辺野古代執行訴訟~
【佐藤優】知を身につける ~行為から思考へ~
【佐藤優】プーチンの「外交ゲーム」に呑まれて
【佐藤優】世界イスラム革命の無差別攻撃 ~日本でテロ(3)~
【佐藤優】日本でもテロが起きる可能性 ~日本でテロ(2)~
【佐藤優】『日本でテロが起きる日』まえがきと目次 ~日本でテロ(1)~
【佐藤優】小泉劇場と「戦後保守」・北方領土、反知性主義を脱構築
【佐藤優】【中東】「スリーパー」はテロの指令を待っている
【佐藤優】東京オリンピックに係るインテリジェンス ~知の武装・抄~
【佐藤優】分析力の鍛錬、事例、実践例 ~知の教室・抄(3)~
【佐藤優】武器としての教養、闘い方、対話の技術 ~知の教室・抄(2)~
【佐藤優】知的技術、情報を拾う・使う、知をビジネスに ~知の教室・抄(1)~
【佐藤優】多忙なビジネスマンに明かす心得 ~情報収集術(2)~
【佐藤優】多忙なビジネスマンに明かす心得 ~情報収集術(1)~
【佐藤優】日本のインテリジェンス機能、必要な貯金額、副業の是非 ~知の教室~
【佐藤優】世の中でどう生き抜くかを考えるのが教養 ~知の教室~
【佐藤優】『知の教室 ~教養は最強の武器である~』目次
【佐藤優】『佐藤優の実践ゼミ』目次
『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』
 ★『佐藤優の実践ゼミ 「地アタマ」を鍛える!』目次はこちら
【佐藤優】サハリン・樺太史、酸素魚雷と潜水艦・伊400型、飼い猫の数
【佐藤優】第2次世界大戦、日ソ戦の悲惨 ~知を磨く読書~
【佐藤優】すべては国益のため--冷徹な「計算」 ~プーチン~
【佐藤優】安倍政権、沖縄へ警視庁機動隊投入 ~ソ連の手口と酷似~
【佐藤優】世の中でどう生き抜くかを考えるのが教養 ~知の教室~
【佐藤優】冷静な分析と憂国の情、ドストエフスキーの闇、最良のネコ入門書
【佐藤優】「クルド人」がトルコに怒る理由 ~日本でも衝突~
【佐藤優】異なるパラダイムが同時進行 ~激変する国際秩序~
【佐藤優】被虐待児の自立、ほんとうの法華経、外務官僚の反知性主義
【佐藤優】日本人が苦手な類比的思考 ~昭和史(10)~
【佐藤優】地政学の目で中国を読む ~昭和史(9)~
【佐藤優】これから重要なのは地政学と未来学 ~昭和史(8)~
【佐藤優】近代戦は個人の能力よりチーム力 ~昭和史(7)~
【佐藤優】戦略なき組織は敗北も自覚できない ~昭和史(6)~
【佐藤優】人材の枠を狭めると組織は滅ぶ ~昭和史(5)~
【佐藤優】企画、実行、評価を分けろ ~昭和史(4)~
【佐藤優】いざという時ほど基礎的学習が役に立つ ~昭和史(3)~
【佐藤優】現場にツケを回す上司のキーワードは「工夫しろ」 ~昭和史(2)~
【佐藤優】実戦なき組織は官僚化する ~昭和史(1)~
【佐藤優】バチカン教理省神父の告白 ~同性愛~
【佐藤優】進むEUの政治統合、七三一部隊、政治家のお遍路
【佐藤優】【米国】がこれから進むべき道 ~公約撤回~
【佐藤優】同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか」「【佐藤優】プーチンのメッセージ
【佐藤優】ロシア人の受け止め方 ~ノーベル文学賞~
【佐藤優】×池上彰「新・教育論」
【佐藤優】沖縄・日本から分離か、安倍「改憲」を撃つ、親日派のいた英国となぜ開戦
【佐藤優】シリアで始まったグレート・ゲーム ~「疑わしきは殺す」~
【佐藤優】沖縄の自己決定権確立に大貢献 ~翁長国連演説~
【佐藤優】現実の問題を解決する能力 ~知を磨く読書~
【佐藤優】琉球独立宣言、よみがえる民族主義に備えよ、ウクライナ日記
【佐藤優】『知の教室 ~教養は最強の武器である~』目次
【佐藤優】ネット右翼の終わり、解釈改憲のからくり、ナチスの戦争
【佐藤優】「学力」の経済学、統計と予言、数学と戦略思考
【佐藤優】聖地で起きた「大事故」 ~イランが怒る理由~
【佐藤優】テロ対策、特高の現実 ~知を磨く読書~
【佐藤優】フランスにイスラム教の政権が生まれたら恐怖 ~『服従』~
【佐藤優】ロシアを怒らせた安倍政権の「外交スタンス」
【佐藤優】コネ社会ロシアに関する備忘録 ~知を磨く読書~
【佐藤優】ロシア、日本との約束を反故 ~対日関係悪化~
【佐藤優】ロシアと提携して中国を索制するカードを失った
【佐藤優】中国政府の「神話」に敗れた日本
【佐藤優】日本外交の無力さが露呈 ~ロシア首相の北方領土訪問~
【佐藤優】「アンテナ」が壊れた官邸と外務省 ~北方領土問題~
【佐藤優】基地への見解違いすぎる ~沖縄と政府の集中協議~
【佐藤優】慌てる政府の稚拙な手法には動じない ~翁長雄志~
【佐藤優】安倍外交に立ちはだかる壁 ~ロシア~
【佐藤優】正しいのはオバマか、ネタニヤフか ~イランの核問題~
【佐藤優】日中を衝突させたい米国の思惑 ~安倍“暴走”内閣(10)~
【佐藤優】国際法を無視する安倍政権 ~安倍“暴走”内閣(9)~
【佐藤優】日本に安保法制改正をやらせる米国 ~安倍“暴走”内閣(8)~
【佐藤優】民主主義と相性のよくない安倍政権 ~安倍“暴走”内閣(7)~
【佐藤優】官僚の首根っこを押さえる内閣人事局 ~安倍“暴走”内閣(6)~
【佐藤優】円安を喜び、ルーブル安を危惧する日本人の愚劣 ~安倍“暴走”内閣(5)~
【佐藤優】中小企業100万社を潰す竹中平蔵 ~安倍“暴走”内閣(4)~
【佐藤優】自民党を操る米国の策謀 ~安倍“暴走”内閣(3)~
【佐藤優】自民党の全体主義的スローガン ~安倍“暴走”内閣(2)~
【佐藤優】安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本 ~安倍“暴走”内閣(1)~
【佐藤優】ある外務官僚の「嘘」 ~藤崎一郎・元駐米大使~
【佐藤優】自民党の沖縄差別 ~安倍政権の言論弾圧~
【書評】佐藤優『超したたか勉強術』
【佐藤優】脳の記憶容量を大きく変える技術 ~超したたか勉強術(2)~
【佐藤優】表現力と読解力を向上させる技術 ~超したたか勉強術~
【佐藤優】恐ろしい本 ~元少年Aの手記『絶歌』~
【佐藤優】集団的自衛権にオーストラリアが出てくる理由 ~日本経済の軍事化~
【佐藤優】ロシアが警戒する日本とウクライナの「接近」 ~あれかこれか~
【佐藤優】【沖縄】知事訪米を機に変わった米国の「安保マフィア」
【佐藤優】ハワイ州知事の「消極的対応」は本当か? ~沖縄~
【佐藤優】米国をとるかロシアをとるか ~日本の「曖昧戦術」~
【佐藤優】エジプトで「死刑の嵐」が吹き荒れている
【佐藤優】エリートには貧困が見えない ~貧困対策は教育~
【佐藤優】バチカンの果たす「役割」 ~米国・キューバ関係~
【佐藤優】日米安保(2) ~改訂のない適用範囲拡大は無理筋~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】外相の認識を問う ~プーチンからの「シグナル」~
【佐藤優】ヒラリーとオバマの「大きな違い」
【佐藤優】「自殺願望」で片付けるには重すぎる ~ドイツ機墜落~
【佐藤優】【沖縄】キャラウェイ高等弁務官と菅官房長官 ~「自治は神話」~
【佐藤優】戦勝70周年で甦ったソ連の「独裁者」 ~帝国主義の復活~
【佐藤優】明らかになったロシアの新たな「核戦略」 ~ミハイル・ワニン~
【佐藤優】北方領土返還の布石となるか ~鳩山元首相のクリミア訪問~
【佐藤優】米軍による日本への深刻な主権侵害 ~山城議長への私人逮捕~
【佐藤優】米大使襲撃の背景 ~韓国の空気~
【佐藤優】暗殺された「反プーチン」政治家の過去 ~ボリス・ネムツォフ~
【佐藤優】ウクライナ問題に新たな枠組み ~独・仏・露と怒れる米国~
【佐藤優】守られなかった「停戦合意」 ~ウクライナ~
【佐藤優】【ピケティ】『21世紀の資本』が避けている論点
【ピケティ】本では手薄な問題(旧植民地ほか) ~佐藤優によるインタビュー~
【佐藤優】優先順序は「イスラム国」かウクライナか ~ドイツの判断~
【佐藤優】ヨルダン政府に仕掛けた情報戦 ~「イスラム国」~
【佐藤優】ウクライナによる「歴史の見直し」をロシアが警戒 ~戦後70年~
【佐藤優】国際情勢の見方や分析 ~モサドとロシア対外諜報庁(SVR)~
【佐藤優】「イスラム国」が世界革命に本気で着手した
【佐藤優】「イスラム国」の正体 ~国家の新しいあり方~
【佐藤優】スンニー派とシーア派 ~「イスラム国」で中東が大混乱(4)~
【佐藤優】サウジアラビア ~「イスラム国」で中東が大混乱(3)~
【佐藤優】米国とイランの接近  ~「イスラム国」で中東が大混乱(2)~
【佐藤優】シリア問題 ~「イスラム国」で中東が大混乱(1)~
【佐藤優】イスラム過激派による自爆テロをどう理解するか ~『邪宗門』~
【佐藤優】の実践ゼミ(抄)
【佐藤優】の略歴
【佐藤優】表面的情報に惑わされるな ~英諜報機関トップによる警告~
【佐藤優】世界各地のテロリストが「大規模テロ」に走る理由
【佐藤優】ロシアが中立国へ送った「シグナル」 ~ペーテル・フルトクビスト~
【佐藤優】戦争の時代としての21世紀
【佐藤優】「拷問」を行わない諜報機関はない ~CIA尋問官のリンチ~
【佐藤優】米国の「人種差別」は終わっていない ~白人至上主義~
【佐藤優】【原発】推進を図るロシア ~セルゲイ・キリエンコ~
【佐藤優】【沖縄】辺野古への新基地建設は絶対に不可能だ
【佐藤優】沖縄の人の間で急速に広がる「変化」の本質 ~民族問題~
【佐藤優】「イスラム国」という組織の本質 ~アブバクル・バグダディ~
【佐藤優】ウクライナ東部 選挙で選ばれた「謎の男」 ~アレクサンドル・ザハルチェンコ~
【佐藤優】ロシアの隣国フィンランドの「処世術」 ~冷戦時代も今も~
【佐藤優】さりげなくテレビに出た「対日工作担当」 ~アナートリー・コーシキン~
【佐藤優】外交オンチの福田元首相 ~中国政府が示した「条件」~
【佐藤優】この機会に「国名表記」を変えるべき理由 ~ギオルギ・マルグベラシビリ~
【佐藤優】安倍政権の孤立主義的外交 ~米国は中東の泥沼へ再び~
【佐藤優】安倍政権の消極的外交 ~プーチンの勝利~
【佐藤優】ロシアはウクライナで「勝った」のか ~セルゲイ・ラブロフ~
【佐藤優】貪欲な資本主義へ抵抗の芽 ~揺らぐ国民国家~
【佐藤優】スコットランド「独立運動」は終わらず
「森訪露」で浮かび上がった路線対立
【佐藤優】イスラエルとパレスチナ、戦いの「発端」 ~サレフ・アル=アールーリ~
【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
【佐藤優】ロシアの「報復」 ~日本が対象から外された理由~
【佐藤優】ウクライナ政権の「ネオナチ」と「任侠団体」 ~ビタリー・クリチコ~
【佐藤優】東西冷戦を終わらせた現実主義者の死 ~シェワルナゼ~
【佐藤優】日本は「戦争ができる」国になったのか ~閣議決定の限界~
【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
【佐藤優】日本が「軍事貢献」を要求される日 ~イラクの過激派~
【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 
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