月の半分

創作絵と本と月の話 <竹流サイド

花を見送る春

2010-04-07 | 雑記帖
 北森 鴻先生の訃報を図書館の新刊の帯で知り、
とにかくも冥福をお祈りします。
まだお若いのに、惜しいとしか言いようが無い。

気が付かないうちに、
一人また一人と見送って、
この足元のあまりに不安定な事に気が付きます。

それにしても、残念です。
もう蓮丈那智や、
宇佐見陶子の新たな活躍を見ることが出来ない。
もう工藤さんの消息を知ることが出来ない。
あまりにもったいない。

あけおめ

2010-01-15 | 雑記帖

 知らないうちに年が明けた感があります。
うっかり年越し。

さすがに新年の挨拶も書きにくい日付になってしまった。
でも今年もどうか宜しくお願いします。

今年はせめてもう少し、顔出ししていきたいと思います、、、。
どうか広い心でお付き合いください。
(すでに甘えすぎかも知れないー。苦)

そういえば昨年のベストBOOKSも出していません。
そのうち発表したいと思います。
 

トーマの心臓

2009-10-26 | 読書歴
 ■トーマの心臓/森 博嗣
いわずと知れた名作のノベライズ化です。

舞台が日本で、登場人物が多少年長のようでいながら、
オスカーがどちらかといえば訪問者中のキャラなので、
最初、多少の違和感はありますが、
よくできた本に間違いはないです。

すごく難しいところだったと思いますが、
原作のいわゆる宗教に根付いた部分をうまくかわしながらも、
本質的な空気は捉えていると思います。

が、トーマの心臓というタイトルになるべくしてなった、
トーマの心情というものは描かれていないかも、、、。
やはりこの辺は風土とかあるし、難しい!

 ■植物図鑑/有川 浩
草食系男子という人種がいるらしいけど、
この本はまさに草食(野草食)の話ともいえましょう。

書店の棚で、図鑑のコーナーに並ぶかもと言う話があがっていましたが、
山菜・野草料理のレシピ本に即使えます。
割と一般的な野草がたくさん出てきます。

読んだ頃にはちょうど”ヘクソカズラ”が盛りの頃でした。
あの花やネジ花やハゼ蘭などは、純粋に花がきれいですよね。
身近な花の本としても良い参考になります。

内容が甘甘なのはもちろんです。(笑)

 ■化物語、偽物語/西尾維新
怪異に見舞われた少女たちと、
半吸血鬼?少年の物語。
作者の趣味で書かれた一連の本ということでした。
これが初西尾維新本なので基準がわかりませんが、
登場人物同士の掛け合いが面白くは読めました。

お勧めしない本

2009-08-09 | 読書歴
 あまりに強烈過ぎて気軽に勧められない。
なぜなら奥泉光さんの本だから。
鬼門なのになぜ近づいてしまうのだろう。
今回もやっぱり怖かったです。
しかもかなりグロが入っている。

■奥泉光著/「神器」軍艦『橿原』殺人事件・上下

軍艦橿原の五番倉庫で起こった殺人事件とは?
そんなミステリー仕立てで始まるのですが、
船はどんどん深い狂気のうちに沈んでいきます。
行く先も、謎の乗客も、五番倉庫の積荷も、
仕舞にはどうでもよくなります。
だって本当に強烈で一刻も早く、読み終えてしまいたくなるから。

しかしもちろんそればかりでもなく、
あるミステリーがちらと語られたり、
もちろんあの水槽も出てきます。

あの戦争の間日本を包んでいた闇、
日本人のルーツに関する優越に満ちた伝説、
今も燻っているあの問題と、
テーマはあくまでも深く暗く救いが無い。

ただ非常に常識人(俗物ともいう)らしい、
主人公の石田鋭二上等兵の背中にしっかりとつかまって歩けば、
この橿原という非常に暗い闇を乗り越えて、
何かしら光明をつかむことができるかもしれません。
やはり相当の覚悟が要りますが。

それから途中になぜか出てくる、
平成人の鼠が絶対場違いなのに、
すごく身近に感じられて、
そこだけホッと一息つけます。
彼が変わりに突っ込んでくれるのが、ものすごく有難い。

私が読んだのは春でしたが、
ぜひこの夏、特に八月がこの本には相応しいかも知れません。

注意事項として、
鼠がだめな人は読まないほうが良いです。
それから読む間は飲み物は控えましょう。

最後に、
私はこの本を読み終えた後、
謎の高熱と腹痛で一日仕事を休みました。(苦笑)

鷺と雪

2009-07-26 | 読書歴
 直木賞に北村薫さんの「鷺と雪」
六度候補に上がった上での受賞ということで、
もっと早く取っていてもおかしくないと思いますが、
とにかくファンの端くれとしてはうれしい限りです。

お嬢さんとベッキーさんのシリーズも、
街の灯、破璃の天(漢字が出ない)に続いて三作目です。
これがシリーズ最後ということで、
ベッキーさんの言葉や、
最後の雪の日の事件など、ハッとさせられる事が多いです。
とにかく言葉の使い方や、引用の上手さはすごいです。

実に優しい文章でいながら、
北村さんの作品にはビリッと厳しい一面もある。
それは美しいからゆえの厳しさで、
ぴんと背筋が伸びるような、
そんな雰囲気を持っていると思います。

円紫さんと私のシリーズも、
覆面作家のシリーズも、
このシリーズも、
どれも初々しいほど可愛らしいお嬢さん方が主役ですが、
それぞれに聡くて凛としているところが好きです。
みながすっと筋の通った美しさを持っています。
この厳しさ由縁の凛々しさが、
彼女たちをそうさせているように思います。