瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

介護職、ことはじめ

2016-07-23 20:13:22 | 日記


最近
介護業界を再就職先に目指す人が増えているように思います。

実は介護業界はまだ新しい業界です。
2000年の介護保険制度の開始によって民間企業による介護サービスの提供が全面的に認められるようになり、
一気に規模が拡大しました。
そして、このときになって初めて「利益の追求」「業務効率化」「サービス業」などの考え方が業界内に持ち込まれるようになりました。

介護業界の規模を表す数字として使われる介護保険の総費用は、
2014年度の当初予算10兆円。2000年度の3.6兆円から、業界規模は右肩上がりに推移しています。

そうした中で、新たな産業である介護業界は「人手不足である」という認識と景気の悪化とが相まって、
多くの未経験者が介護市場へと流入しました。
そして、その結果として起こったのが、定着率の悪化です。
介護の仕事をよく知らない多くの転職者が安易に職に就き、「仕事がきつい」「給料が安い」といった理由で
次々と辞めていくという事態が起こりました。

まだまだ新しい業界として改革の途にある介護業界ですが、現状、人材の定着を図るための取り組みも積極的に行われはじめています。
それと同時に、採用にあたっては「すぐに辞めてしまわないか」といった点をチェックされます。
介護業界に限ったことではありませんが、入社した先で「がんばる意欲」を重視されますので、
「なぜ介護の仕事をしたいのか」について、まずは自分の意思を明確にした上で転職活動に臨むべきだと思います。


介護の仕事
介護職の仕事は、高齢者やサポートを必要としている人々の身の回りの生活を支援することです。
仕事の場としては、利用者の自宅や老人ホーム、デイサービスなどの施設があります。
無資格でも働ける仕事もあり、働きながら資格の取得を目指すこともできます。
介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーなどの資格を取得することで、それぞれに専門領域でのステップアップをはかることが可能です。

正社員
未経験、無資格でも、正社員として募集を行っている事業者は多くあります。
月給17~20万円程度からのスタートになることが多く、大抵の場合がシフト制での勤務となります。事業者によって各種手当や昇給、賞与、
退職金などの待遇は異なりますが、社会保険は通常完備されています。
現場の施設スタッフから仕事を始め、能力に応じてリーダー、施設長、本部での業務などへの
キャリアアップ、キャリアチェンジが可能になります。

優良事業所を選ぶ
転職先を選ぶポイントは、自分のやりたい仕事ができるかどうか、待遇などの条件面で希望に合致しているかどうかの2点と、
もうひとつ、応募先が優良な事業者であるかどうかを確かめる必要があります。

下記の表は、離職率別に見た事業所の割合です。




約半数の事業所で離職率10%未満と低い数字でありながら、30%を超える離職率の事業所も全体の20.9%は存在しています。
離職率の高い事業所が必ずしも働きにくい環境にあるとは限りませんが、現在、待遇面の改善、教育・研修の充実、
希望を踏まえた上での勤務時間調整など、各事業所で独自に就労環境を整えるべく努力をしています。
そうした中で、介護職員に長く働いてもらうためにさまざまな取り組みを積極的に行っている事業所と、
手を打てていない事業所との二極化が進んでいるのが現状です。



優良事業者を選ぶ際のポイントは、5つあります。
(フットワークを活かして必ず見学してください)

1.「らしさ」がわかる

例えば「地域でNo.1のサービスを目指す!」「ホームは入居者の家だと思い、『ケアプラン』ではなく『生活プラン』を考える」など、
その事業者としてのこだわりが示されているかどうか、また、そのこだわりを実現するための努力をしているかどうかに注目しましょう。
この事業者固有のこだわりに魅力を感じるか否かで、自分がそこで働きたいか否かを考えられます。

2.ビジョンが明確に示されている

「5年後、10年後の未来に、どのような姿を目指しているか」のビジョンが示されているかどうかに注目しましょう。
その場しのぎの運営ではなく、未来のビジョンに向けて努力している事業者であることが確認できたら、そ
のビジョンに共感して一緒に頑張っていきたいと思えるかを考えてみてください。

3.改善・改革・チャレンジに積極的

具体的に、どのような改革に取り組んでいるかを確かめましょう。
たとえ現状になんらかのマイナス面を抱えていたとしても、改善・改革の努力を続けている事業者は確実に変化していきます。
改革に積極的な事業者は、働くスタッフたちの意見にもきちんと耳を傾ける姿勢を持っているはずです。

4.方針が明確で徹底している

理念や方針が明確で、その理念・方針を具現化するための行動までが一貫しているかをチェックしましょう。
例えば「あいさつを大事にする」という理念でありながら、スタッフはほとんどあいさつをしていない、
という場合には一貫性がないと判断できます。
処遇や待遇よりも、この理念に共感できて理念の具現化に向けて一緒に努力していけるかどうかが、実は大切なポイントです。

5.人材育成に注力している

OJT以外の研修や教育システムが整っているかどうかを確認しましょう。
特に、一般学生を積極的に採用している事業者では、しっかりとした研修制度を整えているところが多いです。
転職後すぐの育成・教育だけでなく、段階的に専門職としてどのように成長していけるか、考えてみましょう。

別方面からのチェックポイントです。

【1:職員に声をかけ、どのような対応をするか】

「こんにちは」と声をかけてみてください。介護職員には内気で人見知りのタイプが多く、
明るく朗らかな反応はあまり望めませんが、職員教育がしっかりした施設では、最低限のあいさつはできるはずです。
ちゃんと声を出してあいさつできない職員がいたら要注意です。
また、あいさつ時の表情に温かみが感じられるかどうかもチェックポイントです」

【2:昼食時に見学する】

「午前11時半頃に見学に行くといいと思います。配膳をし、職員が入所者を食堂に連れてきて食事の介助をする。
職員が入所者に対して、どのような対応をしているか、つぶさに見られます。
忙しい時間帯ですが、ちゃんとした施設なら職員は丁寧に介助するはずですし、問題がある施設は流れ作業をしているような感じがあります。
また、職員に刺々しい雰囲気があるかもしれません。



【3:入所者の身だしなみを見る】

「職員はさまざまなケアをしなければならず、入所者の身だしなみなどは一番後まわしになることも少なくありません。
問題のある施設の職員は、そこまで配慮が行き届かないこともあります。
服装が汚れている、髪がボサボサのまま、といった入所者がいたら要注意です」


以上のポイントを踏まえて、ご自身に合った転職先を見つけてください。
この際、単独の事業者に狙いを絞るのではなく、いくつかの事業者を比較検討されることをおすすめします。

ハローワークの窓口や他の転職サポートを行っている企業では、事業者の評判についても教えてくれます。
転職を考える際には、ぜひ利用してください。


以前に書いた「日本一の介護施設」もhttp://blog.goo.ne.jp/huizihuizi_huizi/e/0b6518788a6dd94649d703a6adc036fd 
ぜひ、参考にしてください。