近江商人 Lifelog

近江商人のライフログ、あるいは遺言状の下書き

mixi分析4 -会員数30万人突破

2005年01月22日 | ネットコミュニケーション
mixiの会員数が30万人を超えたことが発表されました。

イー・マーキュリーのSNS『mixi(ミクシィ)』、ユーザ数が30万人を突破 ~ ミクシィ日記、毎日67,000以上がエントリー ~

・一日の日記数            :  67,226
・日記に対する一日のコメント数    :  321,269

・日記総数              : 6,982,758
・日記に対するコメント総数      :27,956,987
 ※日記数(コメント総数)に、ブログの数は含んでいません。

・コミュニティ数           :  76,455
・コミュニティに立てられたトピック総数:  420,421
・コミュニティへの書込み総数     : 3,683,715

・書籍、CD等のレビュー総数      :  246,201


数字を二点付け加えると、11/15のプレスリリース時と比較して、アクティブ率に変化が見られないことや会員数の増加率と日記エントリーの増加率がほぼ同等であることからページビューの値が下記のように推定できます。

・一日あたりのページビュー    : 1700万PV (推定値)
・一ヶ月あたりのページビュー    : 5.1億PV  (推定値)

この数値は、ネットレイティングスのホームパネル・ワークパネル合計値(12月)で見たとき、2ちゃんねる(これまでのネットコミュニティ最大値)の4.7億PV、excite(有数の総合ポータル)の3.4億PVをゆうに凌駕しており、以前の分析での予測を越える数値となっています。また、ソーシャルネットワーキングサービスと共に2004年のネット界を賑わせたブログサービス群の中で、最大の開設数・アクティブ数を持つlivedoorブログ(参考:ブログサービスランキング)が2.7億PVとなっており、mixiはこれにほぼダブルスコアをつけて、単一のCGMサービスとしては数字上ダントツのトップポジションに躍り出た格好です。


また、今回のプレスリリースの本論である『ユーザ数30万人』というと、一般論的にはネットメディアとして事業が成り立つ数字であり、ビジネス評価の観点では一つのマイルストーンを越えたということになります。これによって、今後は昨今のネットコミュニティ系サービスの盛り上がりやソーシャルネットワーキングの意味性をあまり理解していないクライアントからの出稿も獲得しやすくなり、mixi単体で事業としてビジネスベースに乗せることが可能になってくるでしょう。

ただ、実際のところのmixiのメディアパワー、コミュニティパワーはその程度のものではありません。CNETの記事内のイーマーキュリーのコメントに「紹介制なのである意味閉鎖的なイメージで捉える人がいるかもしれない。しかし、単純に『何千、何万人の会員数を有している』ということだけを売りにしている一般のコミュニティサイトよりも、広告の効果は非常に高いと考えている」という下りがありますが、これは誇大ではないでしょう。
まず、サイトオープン後すぐからほぼ変わることなく現在も続く70%超の3日以内ログイン率(=アクティブ率)と、50P を超える1日1人あたりページビューといった粘着性が、単なる30万ユニークユーザのサイトとは比較にならないユーザリーチを生み出し、所属感の強いユーザへの露出となるためにたいへん高いマインドリーチも見込まれます。

また、「mixi内にさまざまな種類のコミュニティができているので、そうしたコミュニティごとの内容に合わせたターゲット広告を表示させることも検討している。」というコメントにもあるように、ユーザに関する年齢性別などのデモグラフィックデータのみならず、「コミュニティ機能」によって趣味趣向やライフスタイルを表すサイコグラフィカルなデータ取得がサービス内に埋め込まれているために、広告クライアントにはよりピンポイントで費用対効果の高いターゲット広告媒体を提供することができます。


これまでは「こういったことも可能だ」というふうに語られて期待ばかりを大きくさせてきたmixiもいよいよ30万人超えを果たし、今後は徐々に上記のような広告媒体としての商品開発が重要となる時期にさしかかっているといえるでしょう。国から表彰を受けるまでになりながらもいまだ「βバージョン」を名乗り続けるサービスの側面と合わせ、そろそろビジネスとして本格的に軌道に乗せる時期ですね。

関連:
mixi分析3
mixi分析2 -ユーザクラスタ
mixi分析1 -サービス特性