ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

ガマの油売り口上〔技法〕自分の得意なパターンを作り上げる 

2017-12-17 | ガマの油口上 技法


得意なパターンをつくる

ガマの油売り口上は、いくつかの話材が有機的に結びついて、一つのはっきりしたまとまりのある“図式”になっているから、口上を実演する場合、どのように口上を述べ、演技をするか頭がまとまっていなければならない。
   聴き手に納得してもらうためには自分なりの得意なパターンを作り上げることが早道である。
まず自分の得意なパターンを作り上げて応用をきかせる。
 
 
        同じことをやっても、
       人にはそれぞれのパターンがある        
        

     
     
  
無意識の心理 
われわれの日常生活におけるさまざまの動作は、あらかた固有化されている。たとえば、自転車に乗るにしても、「これから自転車に乗るのだ」という、明瞭な意識をもって乗るわけではない。箸をとって食事するなどは、なおさらのことである。 

 つまり、日常さまざまの動作は、幼少のころから、何1000回、何万回と同じ動作を繰り返すことにより、いまでは、その動作を行なう場合、特に意識しないで行っているのである。いわゆる、無意識的にこれを行なっている。しかも、それで決して目的に反して行動をすることはない。否、完全に目的にそい、ムダな動作は省略されている。

 反対に、たとえば自転車に乗りはじめのころの体験を思い出してみると、まだ自信がなく、むこうから通行人が来たと、思えば思うほど、それがかえって悪い暗示となって、その人の方へ進み、はてはぶつけてしまうこともある。

 すなわち、いろいろの動作や行動などは、最初のうちは意識的に行なわれるが、反復されることによって、次第に意識にのぼらなくなってくる。いわゆる、無意識的に行なわれるようになる。

 柔道、剣道や居合いでも繰り返し稽古すると技術に対して自信がつき、毎日の椿古を楽しむようになると、努力の意識はだんだんと稀薄となり、努力しても努力と感じない状態になる。宮本武蔵の「心常に兵法の道を離れず」といった心境になる。  
 こうして、技術は完全に固有化され、いわゆるイタについてきて、見た目に余裕を感じるようになってくる。

         

場数を踏んで自分を知り、自分を変える

我々の個人的・杜会的な活動は、その大部分が習慣的活動となり、明瞭に意識されない無意識状態にまで進捗している。今、このブログ記事を読む場合、これを理解することを可能にしているのは、眼をはじめとするさまざまな働きが関係している。何気なく、読んで理解しているが、この背後には意識していないさまざまな働きがあるからこそ、読んで理解できるのである。


 無意識というのは、われわれが生きるうえで当然必要な部分・機能であり、われわれの中には、自分自身が知らない「もうひとりの自分」がいるようなものである。
 どうすればこの「もうひとりの自分」を知ることができるのか?それを知るカギは……それは行動であり、身体の反応である。

 自分がどんな口上の演技をすべきかと、あれこれ考えて、いいやり方をリストアップするよりも、実際に演技を繰り返し、そこで起こる感情、身体の反応から、「本当」の自分の好みや、こうしたいとう願いがわかってくる。


 自分の意識で考えたところで、意識できないことがかなりの部分を占めているから、自分について考えすぎずに、自分の行動を変化させるよう試みるべきなのだ。
 行動もせずに、「自分のやりたいことは?」「本当の自分のやりかたは?」と考えるより、動いてみて、自分がどんな行動、振る舞いをするのか、どんな感情、身体の反応が起きるか観察することである。
 そしてもし、自分がやりたいことがあるのなら、まずはやってみることであり、なりたい自分があるのであれば、そのように振舞ってみることである。


 満足のいく、うまく機能する自己の“物語”を創り出し、習慣的で意識的ではない望ましい反応のパターンを作り上げる。このためには、繰り返し、また繰り返して場数を踏むことが必要である。 

     
   
  


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「ガマの油売り口上」はプレゼンテーションである  

 


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