散歩日記X

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道みんの日(4)

2017年07月17日 16時58分00秒 | ART
旭川市民ギャラリーは以前、西武デパートにあったのだが、その後、旭川市民文化会館展示室に移動し、さらに旭川市彫刻美術館ステーションギャラリーを暫定的に利用して開設されているらしい。行き場がないのは分かるが、旭川市彫刻美術館が休館中である中、ステーションギャラリーがあるから何とかなっていたものを、どうしてこうしてしまったかなあ…。市民の発表の場であれば、他にもあるだろうにと思うのである。

ということで、そちらで開催されていた「切り絵展」を素早く見て(決して悪い展覧会ではないのだ)、旭川美術館へと急ぐ。かなり涼しいが、急ぎ足で美術館に向かうと、さすがに汗が出てきた。



■北海道立旭川美術館「上村松園・松篁・淳之展」。
上村松篁「金魚」:おや、さすがになかなか上手いではないか。
上村松篁「丹頂」:丹頂鶴が二羽向かい合い、その間が上手く表現されている作品。
上村松篁「椿」:素描作品だが、明らかに洋の影響を受けていることが分かる。

上村松園「花見」:松篁の作品を見た後だと、意外と描かれているものがゴチャゴチャしている感があり、使われている色彩も多い。
上村松園「人形つかい」:あまり余白が目立たない松園作品だったが、これは襖で余白を作り出している。
上村松園「花がたみ」:いやー、この作品を見ると、女性には関わらないようにしたいと思ったりして。

上村松園「新蛍」:蛍を間に母娘を描いた、家族の関係性が表現されている作品。
上村松園「春」:ピンクの色彩に黒を配し、ほんのりしつつも締めるところは締めた作品。
上村松園「鼓の音」:華やかにして清楚さを同時に漂わせる女性を描いている。

上村松園「焔」:下絵が展示されていたが、これで十分に作品の恐ろしさは伝わってくる。
上村淳之「春沼」:これはもう完全に現代の日本画である。昭和33年の作品だから、当たり前と言えば当たり前だが。

日本画でよく言う「間」というものは松篁・淳之の方がはっきりしていたように思う。しかし、上村三代の作品をしばらく見ていると、その「間」がどうにも散漫というか、凝縮力のないように感じられてしまう。その反面、一見もっさりしている松園の作品から、ところどころ「ここにあったのか」という「間」が感じられてくる。もちろん、画を見るセンスにかける私なので、名前にごまかされているのだろうという気がするが、そんな感想が浮かんできたのである。



続いて、第2展示室「イメージの森―木から生まれる」を滑り込みで見る。

保井田智之「南に動く―descend」:巡礼を表現した作品だろうか。頭から後方の地面にまで伸びている木は何を表したものか。気になる。
大平實「起源」:巨大リンゴとでもいうべき、木製の作品。存在感がある。

旭川の滞在時間が長ければ、いくつかギャラリー巡りをしようかと思っていたが、ほぼ17時、これくらいにしておこう。


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