知的財産のいろは / 弁理士 塩野谷英城

知的財産制度のいろはを誰にでも分かるように簡単に解説します。正確さより分かりやすさを重視しています。(不定期更新)

私のアイデアは特許を取れますか? その3

2011年06月16日 | 特許/実用新案
間が空きましたが、前回の続きです。

今回は特許を拒絶される理由として最も多い、
「進歩性」について説明します。

■ 進歩性

前回、新規性の話をしました。

世の中に知られているアイデアと同じでなければ
あなたのアイデアに新規性はあるのです。

しかし、新規性に加えて、以下に説明する進歩性の要件を
満たさなければ、特許を取得できません。

進歩性とは、世の中に知られているアイデアを参考にして、
あなたのアイデアに辿りつくことが「容易」かどうか、
を判断するものです。

よくこういう相談があります。

「アイデアを考えたのですが、このアイデアは特許に値しますか?」

審査官は、あなたのアイデアだけを見て、
それが特許に値するかどうか、という判断はしません。

世の中に知られている前例と比較して、
その前例からあなたのアイデアに辿りつくことが容易かどうか?
という相対的な判断をします。

ですから、どんなに簡単なアイデアでも、比較する前例が無ければ
進歩性がある
として特許になりますし、

逆に、どんなに難しいアイデアでも、
前例に基づいて容易に思いつく程度ならば、特許にならない
のです。

前例というのは、あなたのアイデアを特許出願するよりも前に、
世の中に知られている前例です。この点は新規性と同じです。

では、どの程度が「容易」で、どの程度が「容易」ではないのか?

一言では言えないのですが・・・

例えば、前例として時計と温度計が知られているとき、
あなたのアイデアが時計と温度計とを一つにして、
時間と温度の両方分かるようにした、

という程度ならば、1+1=2の域を出ないので
進歩性は無い、と考えていいでしょう。

一方、あなたのアイデアが時計と温度計とを一つにして、
時間と温度が分かるだけでなく、
時間毎の温度を自動的に記録保存できるようにした、

という程度になると、これは1+1=3といえるものがあるので、
進歩性がある、と言っていいでしょう。

以上は簡単な例であって、他に前例があれば話は変わってきますので、
なんとなくニュアンスを掴むための参考にしてください。
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