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【番外編】S13 対向4ポットキャリパ流用

2009-10-13 | Z32の話-ブレーキ関係
以前、自分のクルマにECR33のブレーキを流用しましたが、その際外した純正ブレーキにはまだまだ働いてもらいます。ということでZ32の話ではありませんが、番外編ということでS13に対向4ポットキャリパを流用する話です。

今回使うZ32NA前期のブレーキはローター径やキャリパがアルミなことなどZ32ターボやHCR32と同じですがローター厚みが少し薄い(26mm。ターボは30mm)ですので注意が必要です。当然、キャリパの開口部の寸法も違います。
少し軽いハズですし、S13に流用するのにはちょうどいいのではないかと思います。
ちなみにS14、15ターボとZ32後期(ターボ・NA共通)のキャリパは同じもので、これらは鉄製ですのでとんでもなく重いと思います。持ったことないけど(笑)

ローターのオフセットなどのフィッティングは、キャリパとローターをセットで流用する場合は特に問題なくそのまま付きます。ただ、S13って4穴なんですよね…^^;。ハブの5穴化という選択肢もありますが、ブレーキのためだけにそれをやるのも…。どうしても履きたいホイールがあるならそれも良いと思いますが。
ということで今回はZ32用を4穴加工で使うことに。某所でサクッと穴をあけてきました。

また、片押しと対向ではずいぶんピストン総面積が違うのでマスターも交換します。これもいろいろと選択肢はあるのですが、無難に180SX用の15/16インチ(23.8mm)の中古品をオーバーホールして使うことにしました(車はZ32ですがOH作業はこんな感じです)。ターボ車とNAでマスターバックも違いますので、セットで交換です。

さらに、ローター大径化にともないバックプレートも加工する必要があります。
Zの時はプライヤで曲げるくらいでよかったのですが、今回は壁高さが高いのでカットすることにしました。鉄粉の飛散防止に軽くマスキングしてサンダーでギュインとイッときました。切断面には防錆のためにタッチアップしておきます。




と、いうことで今回用意したのは…
・Z32NAキャリパ、ローター(4穴加工済み)
・180用マスターシリンダ(15/16=23.9mm)、マスターバック(M195)
・S14ターボ用ブレーキホース、ブレーキパイプ
・マスターOHキット、バキュームホース、マスターバックのガスケット
・ブレーキフルード
などの部品と
・ディスクグラインダと切断砥石
です。

作業自体はキャリパ、ローター、ホースをはずして、バックプレートをカット。
そして流用部品をとりつけるという流れです。あらかじめマスターはOHしておきました。平成5年式とのことでしたが内部はキレイで、中古部品としては当たりの部類じゃないかと。キャリパはZ時代にOHしてありますので今回はそのまま使うことにしました。当時の塗装も、まあなんとなく残ってますね。ちまたの中古品よりはきれいだと思います。


そうそう、S13に対向キャリパを流用する情報はネット上でもよく見かけるのですが、結構いい加減な人もいます。ちょっと気になるのが、ブレーキホースです。S13用が使えるという記述もちらほらあるようですが・・・
4ポット流用の際に、S13用のホースを使うのはやめた方が良いと思います。
そもそもS13の片押しキャリパと日産の4ポットは、ホースの接続方法の仕様が違うのです。
S13片押しはバンジョーを使うのに対し、4ポットはフレアパイプです。

バンジョーは切削された座面とバンジョーの間に銅ワッシャを挟み込むことでシールするのに対し、フレアはブレーキパイプ先端のテーパーに加工された部分をねじ(フレアナット)でキャリパ側のテーパー面に押し付けることでシールしています。っていっても文字だけだとわかりにくいと思うので図にしてみました。イメージは伝わりますでしょうか?



幸か不幸か?どちらもネジがM10のP1.0なので、純正のバンジョーボルトもネジ込むことができてしまうのですが、当然ながら4ポットキャリパにバンジョーのための座面がありません。
ところがネット上では、
「そのままだと最後までねじ込めないけどバンジョーボルトを短く加工すればホースはそのままでおk」
「漏れる場合は座面をオイルストーンで…」
とこんな調子の記述もチラホラ…。うーん。。。

確かに、漏れなければ油圧回路として作動するとは思いますが、パニックブレーキなどの非常時にも油圧を保ってもらわねばなりませんし、そもそも仕様が違うものを無理やり使うってのはすごーく気持ち悪いです。
他にやりようがないなら仕方ないのかも知れませんが、この場合はやりようがあります。
どうするかというと、S14ターボ用のホース&パイプを使います。
ちょっと曖昧な情報しかなかったのでドキドキしましたが、フィッティングばばっちりです。ショックは社外品になっていますが、ブラケット位置も問題ありませんでした。もちろん接続位置から漏れもなし。こうでなくっちゃ!

一応、部品番号書いておきます。参考までに…
・S14ターボ用ブレーキパイプ(@500円くらい)
チューブ アッセンブリー,フロント
26245-69F00(RH)
26246-69F00(LH)

・S14ターボ用ブレーキホース(@1400円くらい)
ホース アッセンブリー,フロント
46214-01A19(RH,LH共通)



組み立ては後毎度おなじみエア抜きをして完成、と行きたいところなのですが、今回はアライメント調整も頼まれてしまったので終わる頃には周りは暗くなってしまいました。マジックキャンバを推奨しといて何ですが、調整式ピロアッパーは楽ですね(笑)
古いクルマですが、ブレーキや足回りがしっかりすると気持ちよく走れると思います。
気持ちよく走れるようにクルマを作る。これも、気持ちいいことです。


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