「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの山登り:大峠~雁ヶ腹摺山~姥子山~金山鉱泉

2012年11月30日 | 日帰りの山登り



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11月25日、この日は前や後の日の天候に比べて、願ってもない晴天となりました。

今回の山行の参加者は、師匠Y氏ご夫妻とAさん、それに私の4人でした。

行き先は、大菩薩嶺から続く小金沢連峰の支脈にある山の一つ雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)と、その下山路途中にある姥子山(うばこやま)で、行きの大月駅から大峠までと、帰りの金山鉱泉から大月駅までは、タクシーを利用する山登りでした。

5時に起床し、未明の6時に自宅を出発し、放射冷却で冷えきった道を駅に向かいました。

地下鉄から新宿で京王線に乗り換え、高尾で8:01発のJR甲府行きに乗り、大月駅で下車。

大月駅からタクシーでおよそ7000円、時間にして25分程度で大峠に着きました。

大峠は、朝早くやってきた人たちの車で、すでに駐車場と峠下の路肩はいっぱいでした。

また、私たちと同様に数人グループでのタクシー利用者も多く、峠に来る途中で、下ってくるタクシーに数台すれ違いました。


(大峠から雁ヶ腹摺山方面の登山口)

9時30分、峠の右手に付けられた雁ヶ腹摺山への登山路を登り始めました。

ちなみに、大峠の左手に付けられた登山路は黒岳への登り道で、車で来られた方は、この大峠を起点に右の雁ヶ腹摺山と左手の黒岳を往復することが多いようです。



登り始めてすぐに、かなりの水量で湧き出している清水があり、昼食のラーメン用に2.5リットルの水をこの泉から調達。



すっかり冬枯した木々の間をしばらく登ると、木々の枝の合間から冠雪した富士山の雄姿を望むことができるようになります。

また、目を足下に転じれば、登山路脇に霜柱が至るところで朝日を浴びて、宝石のように輝いていました。

初冬の清楚な冷気を肌に感じながら歩き続けると、やがて体が火照ってきますが、それでも汗だくになる季節ではありません。

汗かきの私としては、この程度の標高の山登りをする上で、これからベストシーズンを迎えると言ってもよいでしょう。



Y氏は、4人分の昼食の食材等をリュックに詰め、先頭を切って歩きます。

この山域は、私にとって初めてなのですが、Y氏のテリトリー内でもあり、案内人としてはとても頼もしい存在です。



頂上間近に、左右に平行に亀裂の入った、人工的とも言える大きな奇岩が鎮座していました。

登山路には、視界が開けて富士山の眺望を楽しめるビューポイントが数カ所あり、その飽きることのない景色をカメラに収めながら、10時35分、出発してから1時間ほどで雁ヶ腹摺山(1874m)の頂上に到着しました。

頂上の手前は、枯野になっていましたが、夏にはお花畑になり目を楽しませてくれるそうです。



私達が頂上に向け登っている途中、すでに下山してくるかなりの登山者とすれ違いましたが、富士山の美しい姿をカメラに収めるために、早朝から登られる方が多かったのだろうと推測されます。

この雁ヶ腹摺山から写した富士山の景色が、かつての五百円紙幣に印刷された富士山の原画であったことなども、この山の魅力であり登山目的になっているようです。

この山域には、他に笹子雁ヶ腹摺山牛奥ノ雁ヶ腹摺山という山があり、狭い領域に同じ名前の山が複数存在するのは、明らかにこのエリアが雁の飛行ルートとなっていて、渡りの途中に群れが山の端に腹を擦るように過ぎていく姿から命名された山々なのでしょう。



頂上付近では、最近雪が降ったのでしょうか、地面にうっすらと積雪が見られる箇所がありました。

これから、景色は急速に冬の佇まいとなり、地面は凍結し、もっと深く積雪し、厳しい冬の様相を呈するようになります。



時間がちょっと早めでしたが、私たちは頂上にオープンスペースを見つけて、早速昼食の準備にかかりました。

インスタントラーメンに、さまざまな具を入れて頂きましたが、これからの季節、こうした熱々の食事は、体だけではなく心も暖まります。

秋の収穫を祝い執り行われる各地域の「芋煮会」などは、湯気の立ち上る食事で体が温まるだけではなく、心温まる親睦の行事となっているのでしょう。



ススキの穂が朝日を受けて銀色に輝き、雲海の上に冠雪した富士山が雄姿を見せる光景は、日本人の心の琴線に触れる美しさがあります。

初冬の奥深い紺碧の空に、ピュアーな光線を放つ太陽があり、その横を一筋の飛行機雲が、どこまでも真っ直ぐに線を引いていきました。



昼食を終えた後、12時に次の目的地の姥子山(うばこやまorおばこやま)へ向けて出発しました。

雁ヶ腹摺山直下左手に、案内板も設置された姥子山への登山路があります。

姥子山へは下りの登山路となり、途中金山鉱泉への分岐点のある白樺平を通り、奈良子林道に出ます。

その林道を横断した向かい側に鉄梯子があり、そこを下りて登山路に従って進みます。

姥子山は双耳峰を持つ山で、西峰は通過し、東峰へ向かいました。

13時13分、周囲が開け、とても開放的な展望を楽しむことができる姥子山東峰(1503m)の山頂に着きました。

山頂には、雁ヶ腹摺山と同様に、「秀麗富嶽十二景 一番山頂」という文字が入った案内板が掲げられていました。

「秀麗富嶽十二景」は、大月市域の山頂から望む美しい富士山を市のシンボルとし、併せてふるさとの自然をそのまま後世に伝えようと選定されたものです。

以下の山々の選定は、大月市出身の山岳写真家白籏史朗氏を中心におこなわれたそうです。

  • 1番山頂 雁ヶ腹摺山(1874メートル)・姥子山(1503メートル)
  • 2番山頂 牛奥ノ雁ケ腹摺山(1995メートル)・小金沢山(2014.3メートル)
  • 3番山頂 大蔵高丸(1781メートル)・ハマイバ(1752.0メートル)
  • 4番山頂 滝子山(1590.3メートル)・笹子雁ヶ腹摺山(1357.7メートル)
  • 5番山頂 奈良倉山(1348.9メートル)
  • 6番山頂 扇山(1138メートル)
  • 7番山頂 百蔵山(1003.4メートル)
  • 8番山頂 岩殿山(634メートル)・お伊勢山(丘陵地・約550メートル)
  • 9番山頂 高畑山(981.9メートル)・倉岳山(990.1メートル)
  • 10番山頂 九鬼山(970.0メートル)
  • 11番山頂 高川山(975.7メートル)
  • 12番山頂 本社ケ丸(1630.8メートル)・清八山(1593メートル)



山頂から、今し方登ってきた雁ヶ腹摺山を望むことができましたが、富士山は水平線上にかかった雲により、この時間帯では見ることができませんでした。

展望を楽しんだ後、13時30分山頂を出発して、再び奈良子林道まで戻り、林道をしばらく下り、案内板に従って、再び左手の下り登山路に入ります。

しばらく登山路を下ると、再び林道に降り立ち、そこからしばらく進んで、分岐点で案内板通り金山峠を目指します。

14時55分に金山峠に到着し、ここから道は、大岱山方面に進む道と、沢沿いの道に分かれますが、私たちは沢沿いの道を選択して進みました。



小さな沢に架かった幾つもの丸木橋を右に左に繰り返し渡り、高度を下げていきます。

変化に富んだ面白い登山路ですが、場所により滑落の危険のある場所や、崩落している場所などがあり注意を要します。



初冬の谷間は、里では考えられないほど早く、夕暮れがやって来ます。

スリップに気をつけながら、私たちは最後の登山路を進みました。



やがて登山路は終わり、金山鉱泉に向かう林道に降り立ち、夕暮れの道を歩きました。

山里のモミジの紅葉が、夕日を受けてその赤をいっそう際立たせ、静かに暮れゆく周囲の景色は、郷愁を誘います。

体も心もリラックスした雰囲気の最後のおまけの林道歩きさえ、その一日の山登りが充実していると、楽しいものです。



見上げれば、いつしかダークブルーの夕暮れの空に、上弦の月から満月になろうとする月が、静かに浮かんでいました。

金山鉱泉山口館に16時20分に到着。



金山鉱泉前には四人組の登山グループ数組が、山口館でタクシーを呼んで、次々と大月駅へ下りていきました。

金山鉱泉から大月駅までのタクシー代は、三千円強ですので、行きと帰りのタクシー代は、四人で分けると一人2500円程度となります。

やはり、公共交通を使って今日の山々を目指す場合は、4人程度のグループ登山が良いでしょう。

金山鉱泉山口館で呼んでもらったタクシーに乗っている間に、辺りは真っ暗となり、日も暮れた大月駅に到着すると直ぐ、5時過ぎの電車にタイミング良く乗車できました。

私たちは新宿で途中下車して、ネオンサインが煌めく新宿西口の居酒屋で、反省会と忘年会を兼ねて、食事とお酒で盛り上がりました。

秀峰富士山の雄姿を堪能し、晩秋と言うか初冬の山の自然に遊び、カサカサと落ち葉を踏みしめる快感を味わい、酒と肴と友の談笑で最後は決める・・・贅沢な一日でした。


【今回の山行の歩程】

大月駅~タクシー~大峠9:30~1.05~10:35雁ヶ腹摺山12:00~1.13~13:13姥子山13:30~1.25~14:55金山峠15:10~1.10~16:20金山鉱泉~タクシー~大月駅(計4時間53分・小休止含む)

案内板はしっかり付いているので、見落とさない限り、道に迷うことはありませんが、金山峠から金山鉱泉までの谷沿いの登山路は、経験者には変化に富んだ下りですが、高齢者および初心者は、崩落箇所もあり注意深く下山する必要があるでしょう。




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