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この冬で最も冷え込んだ1月29日(日曜日)、師匠Y氏と東丹沢の山(日向山・二ノ沢ノ頭・鐘ヶ嶽・福神山)に出かけました。
未明の5時過ぎに起床し、6時過ぎの電車に乗車。
(しんしんと冷え込む未明の駅前)
都営地下鉄新宿線から、新宿駅で小田急線に乗り換え伊勢原駅で下車。
8時15分、日向薬師行きバスに乗車。
日向薬師バス停から、まずは日向薬師に参拝するために参道に入りしばらく歩くと、両脇に仁王像が建つ山門があります。
【日向薬師】
奈良時代初頭の霊亀2年(西暦716年)に、僧行基により開山された。
僧行基が熊野を旅していた際、薬師如来のお告げにより、相模国のこの地(現在の神奈川県伊勢原市)に、日向山 霊山寺(ひなたさん りょうぜんじ)を開山した、と伝えられている。
山門から、500mほど進むと日向薬師の本堂がありますが、現在本堂は修復のために覆いが掛けられていました。
日向薬師の境内を通って上へ進むと梅園があり、そこの脇に付けられた道が日向山への登山道となっています。
日向薬師から30分ほどで、伊勢原市と厚木市が一望できる日向山山頂(404m)に到着しました。

山頂で一息入れた後、私たちはもと来た道を引き返し、登山路が十字に交差する地点を直進して案内板に従い、梅ノ木尾根に向かって階段を登りました。
日向山の分岐点から、およそ1時間弱で松の木に囲まれた尾根の肩・二ノ沢ノ頭(670m)に到着。
二ノ沢ノ頭から針路を右手に取り、狭くなった登山道を進みます。
左手には、丹沢大山から見晴台へと続く稜線を望むことができます。
この尾根を進むに従い、登山道は険しくなり、両側が切れ落ちている痩せた岩場もあり注意を必要とします。
特に今回のように積雪期には、スリップの危険性も増し、一層慎重な行動が要求されます。
もしスリップでもして滑落したら、急斜面に積もった雪により停止できずに、下まで一気に加速度的に落ちてしまい、重大事故になりかねません。
積雪量は10cmから20cm程ですが、吹き溜まり箇所では30cmほど積もっていて、故郷新潟の雪山を登っているようでした。
毎年、5月の連休に新潟に戻ると、親友と残雪の残る春山登山を楽しむのですが、無論今回の山と比較にならないほど雪が積もっています。
二ノ沢ノ頭から30分ほどスリップに注意しながら気の抜けない登り下りを経て、大沢の分岐(720m)に着きました。
この分岐から左手が大山、右手がこれから向かう鐘ヶ嶽方面への登山道となります。
大沢分岐から針路を右手に取り、有刺鉄線の柵に沿って歩き、痩せ尾根を通過ししばらく行くと、東屋のある巨木の森への分岐にたどり着きました。
尾根から少し低く、これから登る鐘ヶ嶽を望むことができます。
この山は、遠目に釣鐘状をしていて、そこから鐘ヶ嶽の名が付けられたと推察できます。
登山者が少なく、藪山で踏み跡が不明な登山路では、地図とコンパスを使い、下のY氏の画像のように頻繁なルートファインディングが必要となります。
見晴広場A,Bと名付けられた幾つかのピークを通過し、およそ大沢ノ分岐から70分ほどで、広沢寺温泉からの道が合流する山の神峠に降り立ちました。

山の神峠から20分ほど登ると、二体の石像と丸太で組んだ腰掛けが設置された鐘ヶ嶽山頂(561m)に12時40分到着。
山頂といっても、平坦なちょっと広い空間で、周囲は植林の杉に囲まれ眺望はありません。
私たちはそこでちょっと遅めの昼食を取りました。
昔の人々が「山の神」として深い信仰心をこの鐘ヶ嶽に寄せていたということで、今では厚木市の鐘ヶ嶽ハイキングコースとして整備されています。
山頂からほんのちょっと下ったところに浅間神社があり、数日後に実施される都内中学入試の吉報を祈願しました。
山の中の社にしては立派な建物で、正面の唐破風の下には、龍を中心に出来の良い彫刻が施されています。
再び山頂に戻り、来た道から見て左手北面の尾根筋(鐘ヶ嶽北尾根)に入り込みました。
踏み跡もほとんど無く、どちらかと言えば「けものみち」と形容して良い程の道でした。
「師匠!大丈夫ですか?」と確認したくなる道でしたが、このY師匠、こうした道無き道に入り込むと、俄然水を得た魚の如く、生き生きとしてくるから不思議です。
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
(高村光太郎『道程』より)
道無き道に積もった白い雪の上に、我々の靴跡が刻まれて、動物の足跡と協力して新たな道がそこに出来上がりました。
鈴ヶ嶽から別所温泉へ下る北に延びる尾根を進むと、途中福神山(420m)という小ピークを通過しました。
何と目出度い山の名前でしょう。
しかし、ここから別所温泉までのルートが難しく、小さく枝分かれする尾根を選別しつつ下りました。
下の画像のように、本当に道無き道を野性の嗅覚で探し当て、目的地へと向かいました。
途中、二ノ沢ノ頭から唯一出会った登山者も、ルートファインディングを誤ったのか、右往左往しながら、我々とは異なる林業用の小道を下って行きました。
別所温泉への最後の下りは、気持ちよい幅の広い登山路を探し当て、冬の午後の陽を浴びながら温泉へと急ぎました。
3時過ぎ、ゴールの日帰り入浴施設「別所の湯」 (入浴料:700円・3時間)に到着。
サウナ・露天風呂もあり、無論のこと無料休憩室やお食事処も設置されています。
入浴後お食事処でビールで乾杯しましたが、そのビールの美味しかったこと!
年間で最も寒い時期の歩程約6時間の山登り、
その後広い湯舟に浸かり、最後は冷えたビールで喉を潤す。
三点セットの申し分ない充実した山登りでした。
【所要時間】
伊勢原駅〜日向薬師バス停8:33〜0.15〜日向薬師8:48〜0.28〜9:16日向山〜0.10〜9:37十字路〜0.55〜10:32二ノ沢ノ頭〜0.28〜11:00大沢ノ分岐〜1.13〜12:13山ノ神峠12:20〜0.20〜12:40鐘ヶ嶽(浅間神社)13:20〜0.25〜13:45神山〜1.20〜15:05別所の湯16:50〜0.08〜16:58別所温泉バス停17:08〜本厚木駅 (歩程:約5時間40分)










