今、読み始めた「不二の世界」
随筆である
昭和九年の本
なぜ読み始めようとしたかと言うと、それは「書評」にウットリしたからだ~~
この書評を書いた方は「前特命全権公使 堀口 九萬一」と言う方
全部は書けないが私の琴線に触れるところを抜き書きしてみよう
「近頃読んだ本のうちで、これ程僕に取って面白かったものは無かった。
先ず、その筆致がいかにも軽妙簡潔であって、言いたいだけのことは
皆んなよく言い尽くされているあるに拘らず、一言の駄句、一言の贅字もないので、
読みつつある間、歯牙尽く香ばしいの想いあらしめるほどの名分であるのが嬉しい。」
こうはじまる「書評」なんです~~
そしてこの書評を読み進んでいくと、短いのだけど
「僕は一再ならず、この著者に会うて見たいと思った、そして今でも尚
ことほど左様に僕は全く左様に僕は全くこの書物に参らされて仕舞ったのである。
そこで僕は全く掛け値なしの百パーセントの景仰を著者に呈し、そして
読んで居る間は肩の凝らず。読んだ後でも、所謂オリーブを養うが如く、
久しくして眞味愈々在るこの好書を広く江湖の読書子に推薦して、
主人の好きを客に分かたんと欲するものである。」
この書評を書かれた人の名文にウットリする~~
特に最後の「主人の好きを客に分かたんと欲するものである」
この表現には、本当に滋味ある味わい深きものを
わが胸に気持ち、心地いい「名文」をもらった~~
この方はどんな人なんじゃろう~~
この方が勧められる通り、「不二の世界」はいかにも
「書評」の通りである
もしよければ、ご一読をと思い書いてみました~~