浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
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5月の法話

2014-05-01 09:55:32 | 法話

生死の苦海

生死の苦海ほとりなし ひさしく沈める我らをば

弥陀弘誓の船のみぞ  乗せて必ず渡しける

(生死の世界は苦しみばかりの海のように果てがない。この海に遠い過去より沈んでいる私たちを、阿弥陀如来の本願の船は、乗せて必ず渡してくださる。)

上記は親鸞聖人がお書きになった和讃の一句です。和讃とは「和語をもって讃嘆する歌」という意味で、親鸞聖人は500首を超える和讃を作られました。今回はそのうちの1首を紹介します。



生死の世界とは、まさに今私たちの生きるこの世です。この世はお釈迦様が説いた四苦八苦の連続です。四苦八苦に示されるように、私たちは生まれてから死ぬまで、病気、老い、別れ、憎しみなどの苦しみが次々と襲ってきます。そんな苦しみの海で、もがく私たちに救いの手を差し伸べてくださるのが、阿弥陀如来さまです。その本願の船に乗るには、乗船料も条件も差別もありません。ただ救われたいと阿弥陀さまを信じるだけで、誰でも阿弥陀さまの船に乗せて助けてくださるのです。救われたからって、苦しみが消えてなくなるわけではありませんが、私を守ってくださった大いなる慈悲の愛に、安心するに違いありません。

また阿弥陀さまの船に乗ったからといって、すぐにあの世に連れて行かれるのではありません。阿弥陀さまと共に人生を歩み、その間私たちは阿弥陀さまや周りの人々に感謝の生活をし、お礼のお念仏と共に過ごすのです。そして命が尽きた時には、極楽浄土の岸まで運んでくださるのです。

このようにこの和讃では、阿弥陀如来の慈悲を船に、私たちの苦しみを海に例えて浄土真宗の教えを解りやすく説明しているのです。

韓国で大変大きな海難事故が起き、改めて海の恐ろしさを知ることになりました。犠牲者及び遺族の皆様に、お悔やみを申し上げます。


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