気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

日本最古のチーズ・蘇(そ)

2015-11-29 19:20:30 | お稽古
奈良時代の皇族・貴族の食事は
平城京跡資料館で見ることができます。
なんと、15品もあり豪勢なことです。
全国各地から都に届いためずらしい材料が調理されており、
食器や箸なども漆塗りなんですよ。

主食のご飯は蓮の実入り、
鴨とセリの汁、筍・フキ・菜の花の焚きあわせ、
生牡蛎、干し蛸、車エビの塩焼き、焼アワビ、
塩水につけて発酵させた漬物、
茄子と瓜を(ひしお)に漬けた漬物、
(そ)

奈良時代は血を血で争う抗争の日々だからこそ?

一方下級役人たちの食事は、一日二食で、
すべて与えられております。
(平城京は数万人の規模で、役人はほとんどが単身赴任)
7品で、主食は玄米(げんまい)、
副食は鰯の煮つけ、かぶの酢の物、みそ汁、
きゅうりの塩づけ、
そしてお酒(清酒ではなく、にごり酒です

作られていたのは大膳職、給食センターです。
 
待遇改善書が一通残されており、その中に
・仕事中に出される食事がまずいので、
 せめて中程度のものにして欲しい。

ちなみに庶民は辛いですね。
1汁1菜。玄米ご飯、ゆでたノビル、アラメ(海藻)汁、塩。
カロリーはたったの407kcal、栄養不足です。

さて本題の蘇(そ)酥(そ)とは
日本最古のチーズとも言われ、
牛乳を煮詰めて作られています。
聖徳太子(現在は実在の人物ではない)も食べられたと?
歴史の中、万葉集には記載はありませんが、
「政事要略」という書に以下のように載っております。
「文武天皇4年(700年)10月、使を遣し蘇(そ)を造らしむ」と
私は、奈良シルクロード博(1988年)で頂いたことがあり、
そんなにおいしいと思いませんでしたが・・・
今は、平安時代の製法、蘇に蜂蜜などの甘みをつけた
「蘇蜜(そみつ)」様に進化しており、
チーズケーキそのもので、おいしくなっております。
一度召し上がってください。

一つ疑問があります。食に敏感な日本人が、
「蘇」を和菓子としてなぜ用いなかったのでしょうか。
肉食を禁じた仏教の影響もあるでしょうが、
歴史の中にうずもれていた食品ですね。